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リアクション
★ ★ ★
「それでは、イコプラ大会、第一回戦を開始するのじゃ!」
高らかに、アレーティア・クレイスが宣言しました。
第一回戦は、源鉄心のジェファルコンと、コア・ハーティオンのドラゴ・ハーティオンです。
操縦は、ラジコン用の大型コントローラーで行います。
「つ、使いにくい……」
「さすがに、コア・ハーティオン選手の指先では、細かい操作は難しいようじゃな。これは、源鉄心選手有利か。では、イコプラバトル、レディー・ゴーなのじゃ!」
アレーティア・クレイスの合図で、ジェファルコンとドラゴ・ハーティオンがガシャコンと動き始めました。
「では、よい勝負を行おう。イコプラ・龍心合体! ドラゴ・ハーティオン参る!」
とことことこと、ドラゴ・ハーティオンが前進していきます。
「行くぞ! グレート勇心剣! とあーっ!」
コア・ハーティオンが叫び、ドラゴ・ハーティオンが手に持っていた剣を振り下ろしました。
すかっ!
ハズレです。
源鉄心のジェファルコンが、すばらしい機動でドラゴ・ハーティオンの攻撃を避けます。ちょっと、すばらしすぎる気もしますが。なんだか、源鉄心の方は、あまりコントローラーを動かしているようには見えません。
「やるな。ならば、コスモ・ハート・ブラスターだ!」
ドラゴ・ハーティオンの胸のクリスタルがLEDでピカッと光りました。光っただけです。
「今度は、こちらの番だな。バスターライフル、転送!」
スッと腕を挙げたジェファルコンの手に、忽然とバスターライフルが現れます。
「食らえ!」
エアーの音がして、バスターライフルからBB弾が発射されます。
こてっ。
ドラゴ・ハーティオンがあっけなく倒れました。
「なんの、これしき……」
コア・ハーティオンが、腕を回して立ちあがろうとしました。ぐりゅんと回した腕にボディが支えられて、起きあが……りかけたドラゴ・ハーティオンがバランスを崩してまた転けました。そのまま、コロコロと転がってリングの上から落ちます。
「勝者、源鉄心じゃ!」
アレーティア・クレイスが宣言しました。
★ ★ ★
「それでは、第二回戦じゃ」
第二回戦は、葛城吹雪のアーテル・フィーニクスと、笠置生駒のクリアジェファルコンです。
「ふふふふふ、強化型フィーニクスの機動力を見せてやるであります」
葛城吹雪がボタンを押すと、中の飛行石でアーテル・フィーニクスがふわふわと浮きあがりました。
「ちょ、ちょっと、吹雪……」
コルセア・レキシントンが、あわてて葛城吹雪を止めようとしました。けれども、葛城吹雪はそんなこと聞いちゃいません。
「アフターバーナー、スイッチオン!」
葛城吹雪が、さらなるボタンを押しました。アーテル・フィーニクスに搭載されているブースターパックのボンベから、勢いよくエアーが噴き出されます。
しゅぽーん。
「葛城吹雪選手、リングアウト。勝者、笠置生駒じゃ」
「何もしていない……」
アレーティア・クレイスの言葉に、笠置生駒が呆然と立ちすくみました。
★ ★ ★
「さあ、いよいよ決勝戦じゃ」
スピーディーです。
決勝は、源鉄心の改造ジェファルコンと、笠置生駒のクリアジェファルコンの戦いとなりました。
「ちょっと、鉄心、ずるいかもしれませんね」
「でも、中に乗っているイコナちゃん人形を破壊でもしたら、後でお仕置きですわ」
応援しつつ、ティー・ティーとイコナ・ユア・クックブックが囁きあいます。
「何か、不穏な雰囲気が……。やはり、決勝戦は、祝福されねば。悪霊退散!」
決勝に際して、アレーティア・クレイスがリングをお祓いしました。
「それでは、決勝戦。レディー・ゴーじゃ!」
「ようし、速攻決めてやるぜ!」
源鉄心が、コントローラーのスティックに手をかけました。
動きません。
「あれ? おい、どこ行った?」
キョロキョロと、周りを見回しますが、フラワシ様はお帰りになった後でした。
「必殺、ジェファルコン・パーンチ!」
トコトコと前に進んだクリアジェファルコンが、改造ジェファルコンをぽこっと殴りました。あおむけに倒れた改造ジェファルコンが、装備の重さもあって、倒れたとたんに分解してパーツが吹き飛びます。ティコナちゃん人形も吹き飛びました。みごとな自滅です。
「ああーっ」
「勝者、笠置生駒選手じゃ!」
アレーティア・クレイスが高らかに笠置生駒の名を呼びました。
「よっしゃあ!」
喜んだ笠置生駒が、クリアジェファルコンの右腕を突きあげてガッツポーズをとろうと、コントローラーの……ボタンを押してしまいました。
ぽちっとな。
「あっ……」
ちゅどーん!
突然、クリアジェファルコンが、改造ジェファルコンの残骸を巻き込んで吹き飛びます。負けたとき用の自爆装置です。綺麗なまでの誤操作でした。
「じ、自爆は、ロマンだ……」
引きつりながら、そう言うしかない笠置生駒でした。
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