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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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リアクション

16)

デスティニーランドにて。
風祭 隼人(かざまつり・はやと)は、
婚約者のルミーナ・レバレッジ(るみーな・ればれっじ)とともに、デートを楽しんでいた。

バレンタイン用のアトラクションを満喫した後、
メインイベントの大観覧車へと2人は乗り込む。

大観覧車では、バレンタインデーの恋人達を祝福する、ラブソングが流れている。

「ロマンチックですわね。
こうして、隼人さんと一緒に過ごせる時間、夢のようですわ」
「俺もだぜ、ルミーナさん」
隼人が、そっとルミーナの手を取る。
観覧車の密室の中、音楽が流れる。
2人だけの時間が、ゆっくりと過ぎていく。

やがて、観覧者のゴンドラが、頂上に到達する。
眼下には、デスティニーランドの夜景とイルミネーションが広がっている。
「まあ……」
ルミーナが感嘆の声をもらす。
「ルミーナさん、よく見ててくれよ」
隼人が、ゴンドラに設置されていたスイッチを押す。
このゴンドラは、1台しかない特別な物だった。
それに乗れたのも、奇跡的なことだと、隼人は思っていた。

「わあ……」
ルミーナは、眼下にハート形のイルミネーションが出現したのを見て、
驚きの声をあげた。
「隼人さん、ありがとう」
ルミーナが、笑顔を向ける。
光の照らしだす中、彼女の顔は、いつもよりさらに輝いて見えた。
「こちらこそ、ありがとう、ルミーナさん」
2人は、手をつないだまま、眼下の美しい光景を見つめていたのだった。

デスティニーランドを出た2人は、ホテルでディナーを楽しむことにした。
「今日は、何の日か覚えてるか?」
「ええ、もちろんですわ」
隼人の問いに、ルミーナが微笑み、うなずく。
「そうだ。俺とルミーナさんが
昨年のバレンタインデーからお付き合いを始めてから、今日でちょうどまる1年たった」
「ええ。この1年、本当に幸せでしたわ」
「ああ、俺もだ。ルミーナさんと恋人になって、婚約もして、とても幸せだ」
隼人とルミーナが、シャンパングラスを掲げる。
「これからも、いつでも愛しています」
「わたくしもですわ、隼人さん」
シャンパングラスの乾杯の、さわやかな音が響いた。
それと同時に、窓の外のデスティニーランドでは、大きな花火が打ち上げられた。