天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

【ろくりんピック】小型飛空艇レース

リアクション公開中!

【ろくりんピック】小型飛空艇レース

リアクション


■空京6

■空京
 先頭を走っていたグロリアーナと彩華、エルフリーデが追い上げ、抜き去っていく。
 その後方から追い上げ、ヘラを抜いて又吉の後についたのは、ジィーン、輪廻、赤羽、鳳明、優希。
 だが、それらを問答無用でナガンが一気に抜き去っていく。
「ヒィーーハァ! トロくさいねェー!」
『やはりナガンが来たーー!! 有り余る耐久力とライト仕様の小回りで各機をゴボウ抜きしていくー!』
 彩華とエルフリーデが、ナガンに追われる形でハイウェイから街中へと巡り、その後、ナガンがエルフリーデを追い抜くも――
『と、ナガン、ここで今一歩及ばない! 彩華との距離が縮まらない!』
『意外に序盤でじわじわと蓄積していたダメージが効いているのカシラ!?』
 そして、終盤――後方で機を計っていた信長が動く。
「よいか、例の手を使うぞ」
 最後の直線へと躍り出たハーリー、信長、鮪が一列となり、
「ヒャッハァ〜! 黄色い歓声はいただきだァ!!」
 鮪が爆発的なブースト加速で信長に突っ込んだ。
 真っ直ぐに弾き飛ばされた信長が、勢いのままブースト加速を行う。その瞬間に、間違いなく今大会の最高スピードを記録した信長が、更にハーリーの後部へと突っ込んで――
 ハーリーは、掛け値なしに馬鹿みたいなスピードで前方へ弾き飛ばされた。
 突撃を受けた衝撃と想定速度を遥かに超えたスピードに機体が軋むどころか、たわんで歪み、装甲の一部がバィンッと剥がれて虚空にすっ飛んでいく。
 コントロールをなんとか保たせていたのは、ハーリー自身に備え付けられた幾つもの加速ブースターだった。
『こ、こ、これは凄まじいーー! ハーリー選手!! 信長、南鮪の衝突をスピードに変えて、誰も彼も何もかもをスッパ抜き、驚異的な差を開いてゴールに突入していくーー!!』
 そして、

 パラミタレース世界の第一人者ハーリーはストイックにゴールする――
 完全にバラバラになった飛空艇の一部と共に。

『ゴ……ゴールゥウウッ?  え、ええと、こ、これは認められるのでしょうか?』
『た、大会運営側で絶賛協議中なのヨ〜』
 一方――ゴール直前。
 先頭を切っていたのは彩華だった。それを追うのはナガン、そして又吉。
「このままなら、逃げきれるッ――勝つのは私たちよ!」
 飛空艇後部席で彩羽が、ほぼ勝利を確信した――その刹那。
「はーーーっはっはっは!」
 高笑いの共にに追い上げて来ていたのは輪廻。
「潜みに潜んで苦節3区間!! 狙うはこの一点のみ! ここは我々東がいただかせてもらおう!!」
「なっ!?」
 彩羽が振り向いた先、
 輪廻が、今までスリップストリームで溜めに溜めていた耐久力を全て消費したブーストで、ナガンの機体の後部へと衝突した。
「ハッ――ギャハハハハハッ!!」
 地面へと落下していく輪廻の先でナガンの機体が、グンッと押し出されていく。
 そして、ゴールラインの上を駆け抜ける飛空艇達。
「最高だねェ」
 客席を埋め尽くす観客の声は、空を割らんばかりに響いていた。


「完走おめでとーー!!」
 サフィ・ゼラズニイ(さふぃ・ぜらずにい)が黄色い声援を送りながらボンボンを振り回している前へ、東西の選手たちが続々とゴールインして行く。
 そして、ゴールラインの端でチェッカーフラッグをバッサバサと振っていたのは、レースクイーン姿のローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)だった。
「――って、なんで!?」
 ゴール直前で気づいた典韋が何か、度肝を抜かれていたり。


▼順位発表 
 協議の結果、やはり飛空艇の大部分がゴール出来なかったということでハーリーは『リタイア』であるという判定がなされ――

1位:【東】ナガン ウェルロッド(ながん・うぇるろっど)(ライト)
2位:【西】天貴 彩羽(あまむち・あやは)天貴 彩華(あまむち・あやか)(ライト)
3位:【東】国頭 武尊(くにがみ・たける)猫井 又吉(ねこい・またきち)(ヘビー)
4位:【西】エルフリーデ・ロンメル(えるふりーで・ろんめる)(ノーマル)
5位:【東】クライス・クリンプト(くらいす・くりんぷと)ジィーン・ギルワルド(じぃーん・ぎるわるど)(ヘビー)
6位:【西】琳 鳳明(りん・ほうめい)藤谷 天樹(ふじたに・あまぎ)(ライト)
7位:【東】四方天 唯乃(しほうてん・ゆいの)赤羽 美央(あかばね・みお)(ヘビー)
8位:【西】六本木 優希(ろっぽんぎ・ゆうき)(ライト)
9位:【西】アルノー・ハイドリヒ(あるのー・はいどりひ)ヘラ・オリュンポス(へら・おりゅんぽす)(ライト)
10位:【西】グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)典韋 お來(ライト)

リタイア:【東】クラウン ファストナハト(くらうん・ふぁすとなはと)(ヘビー)
リタイア:【東】ハーリー・デビットソン(はーりー・でびっとそん)(ノーマル)
リタイア:【東】織田 信長(おだ・のぶなが)(ヘビー)
リタイア:【東】南 鮪(みなみ・まぐろ)(ヘビー)
リタイア:【東】四条 輪廻(しじょう・りんね)(ライト)
リタイア:【西】アレクセイ・ヴァングライド(あれくせい・う゛ぁんぐらいど)(ライト)
リタイア:【東】立川 ミケ(たちかわ・みけ)(ライト)
リタイア:【東】樂紗坂 眞綾(らくしゃさか・まあや)(ライト)
(立川ミケ選手と樂紗坂眞綾選手はスタッフが無事保護致しました)



 山葉 涼司(やまは・りょうじ)山葉 聡のそばには、ハーリーが落ちていた。
 数え終わって避けていた米の山と、まだ数えていない米の山とをごちゃ混ぜにするように。
「……レース、終わったんだな」
「……みたいだな」
 彼らは、死んで腐った魚のような目をしぱしぱとさせながら、選手たちの帰還に湧く会場の方を見やっていた。
 優希がカメラ片手にナガンと彩羽、彩華にインタビューを求めていたり、ローザマリアが完走を称えてグロリアーナと典韋を抱きしめたりしている。
「やったなヘラ!いい操縦だったぜ!」
 という声の方を見やれば、アルノーがヘラに抱き付いていた。ヘラが小さく息をついてから、アルノーの頭を撫でやる。

 その他にも何だか暖かで楽しげな光景が溢れていて。
 そこには、全ての選手とサポーターへ向けられた拍手と歓声とが、いつまでも響き続けていた。
 

担当マスターより

▼担当マスター

村上 収束

▼マスターコメント

〜ろくりんピック・小型飛空艇レース結果発表〜

■ヴァイシャリーコース
区間点:西、東、東
 一位:東
 二位:東

■ツアンダコース
区間点:西、西、東
 一位:西
 二位:西

■空京
区間点:西、東、東
 一位:東
 二位:西

■最終結果
西:110
東:130

東シャンバラチームの勝利となり、東シャンバラチームには50点が加えられます。

〜〜〜〜〜
 この度は納品が遅れてしまい、誠に申し訳ありませんでした。
 皆様にご迷惑をお掛けしてしまったことを心よりお詫び申し上げます。
 
 また、アクションの作成、お疲れ様でした。
 作成には結構手間が掛かったのではないかな、と思います。
 今回、予想していた以上に鬼のような量の判定地獄ではありましたが、頂いたのがどれもとても楽しいアクションばかりで、なんとか、遅れつつではありますが乗り越えることが出来ました。
 本当にありがとうございました!


※9月4日
追記
MVPは【ハーリー・デビットソン】さんです!
本日称号を配布いたしました。

※9月17日
誤字脱字修正などを行ないました。