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空を渡るは目覚めし艦 ~大界征くは幻の艦(第3回/全3回)

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空を渡るは目覚めし艦 ~大界征くは幻の艦(第3回/全3回)

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エピローグ

 
 
『報告書。いち領主の継承問題により我が国は大きな損失を負う事になった。王国共有財財産の相次ぐ破壊、新天地のいらぬ混乱――等、我が国の国防観を今一度考え直す必然性を訴える。帝国と王国には批准する条約はない。密約は事態を速やかに収めるための超法規的処置であり、国内の破壊や戦闘行為の正当化を謳うものでもない。国軍が国防の観点において不出動というのも問題があるように思われます。我らは軍である前に警察組織も兼任している筈ではありませんか。よって、結論として、王国国防観の再研究と、国防の充実、国家連邦警察組織の新設案を挙げ、シャンフロウ領主に対し損害賠償請求を行うことが適当と思われます。 第四師団 大尉 黒乃音子』
「これはなんですか?」
 受け取った報告書を見て、シャンバラ国軍海軍中将が顔を顰めた。
「この大尉は、再び帝国と戦争を起こしたいのですか? ただでさえ、国賊を国内で匿ったとしてあらぬ疑いを受けているというのに。シャンバラで流通しているスフィーダを擁する組織が手引きしていた以上、疑われても仕方がない状態だというのを分かっていないとは。一方的に帝国を非難することができるわけがないでしょうに。だいたい、政治に軍が口を出すこと自体、愚かな軍事政権のまねごとです。このような進言、実行すれば、軍が今回のことを利用して自己の権限を拡大する方便に使ったと思われるだけではありませんか。ただでさえ、将官の正式な作戦命令書なしに大尉が海軍所属の戦艦を海軍の名で持ちだして損傷したのですから、本来は大問題です。今回は、パラミタを救うのに尽力したということで相殺するのにどれだけ苦労したことか。軍は、個人の考えで動く物ではない。総帥のいる司令部の指示で動くものです。このことは、厳命させなさい」
 
    ★    ★    ★
 
「えーっ、もう行っちゃうの? 全部終わったんだから、ここはやっぱり大宴会でしょう? やろーよー」
 あわただしく出立の準備を整えたエステル・シャンフロウたちに、ライゼ・エンブがおねだりした。
「まだ終わってはいないんですよ。帝国に帰って、いろいろと報告をしなければいけませんし。そうですね、年明けには少し時間がとれるでしょうから」
 そう約束すると、エステル・シャンフロウはフリングホルニに繋がるタラップを上がっていった。
 途中、空港のデッキから、敬礼する傭兵のセフィー・グローリィア他、何名もの見送りの者が手を振っていのが見えた。
「フリングホルニ、発進!」
「発進します。進路、エリュシオン帝国、首都ユグドラシル」
 艦長席に着いたエステル・シャンフロウの命令を受けて、グレン・ドミトリーが命令を復唱した。
「シャンバラか……」
 イルミンスール魔法学校の年末年始の行事予定のパンフレットを持ったエステル・シャンフロウは、遠ざかっていくゴアドー島をモニタで見つめながらつぶやいた。
 
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 
 ずいぶんと遅くなりました。年度末は、申告やら花粉やらあって、いろいろと厳しいです。
 いや、それ以前に、なんでこんなにボリュウムがあるんだろう。
 
 当初の予定とはずいぶんと変わってしまったこのキャンペーンでしたが、艦船はそれなりに活躍したかなあというところです。
 相変わらず、今までのシナリオとリンク多数だの、情報量が膨大だのしていますので、ゆっくりと読み解いてください。