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【アナザー北米戦役】大統領救出作戦

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【アナザー北米戦役】大統領救出作戦

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04 コープス発生の秘密




 リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)はパートナーのシルフィスティ・ロスヴァイセ(しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ)がイコンやイコン級の大物に喧嘩を売るのをやめて、小型でも戦果を上げることを優先するような考えに転換してくれたことに安堵しつつ、戦場に立っていた。
 だが、実のところフィス――シルフィスティの愛称――は小型を蹴散らしていれば大型のがくるかもしれないという判断で相手を選ばず戦っているだけで、実際のところはリカインの苦悩をよそに全然考えが変わっていなかったりする。
 実のところ現在のフィスならばシームルグやセラフィムを相手取るには難しいが、乗り込める最低レベルのパイロットランクの契約者が操縦しているストークやジェファルコンならば、互角に戦える、といった程度ではある。無論、ランクが高いパイロットが乗ったジェファルコンなどはかなり厳しいのではあるが……それでも、ギガースを相手にしたい場合、第二世代級の相手を選んで戦うならば、フィスが単独でもどうにかなのではないかと思われる。
 とはいえ、散々悩んだ結果ユニオンリングで融合した二人の戦闘力を鑑みると、今ならばそこそこのパイロットの乗ってるストーク・ジェファルコン相手ならいい勝負ができるのではないか、という強さになっていた。
 そんなリカインとフィスが融合した存在について本人の名乗りがないので便宜上はリカインのままで描写するのだが、現状このリカインは実際には存在しないもののたとえるならば2.5世代イコンレベルの強さとなっている。
 そんなレベルの存在がコープスに対して攻撃を行うので、これはコープスたちから見ればとんだ災難といってよかったかもしれない。
 リカインが発するとてつもない大音量――咆哮――を発する。
 それ自体は無属性の魔法ダメージではあるのだが、その大音量によって周囲に存在していたコープスの中でその攻撃を耐え切った者達の戦術リンクシステムに存在している音声センサーが壊されてしまう。
 だが、コープスたちは【耳】が無事だった他のコープスの聴覚を借りて戦術判断をするために、リカインが狙っているような連携の乱れはほとんど発生しなかった。
「はああああああああああっ!」
 リカインは滅技・龍気砲のために生体エネルギーを溜め始める。だが当然その間は無防備になるわけで、これを好機と見て取ったレッド・キャップが一斉にリカインに群がり始める。振り下ろされる無数の斧にリカインはダメージを受けるが、たとえるならば加減を知らない子犬や子猫に本気で噛まれた程度の痛みでしかないために、多少集中は削がれるものの即座に生命に危機となるようなダメージではない。
 そのためリカインはあえてその攻撃を受け続ける。そしてレッド・キャップが群がっていることが他のコープスや化け物達にリカインを攻撃させずにエネルギーを貯める余裕を与えていた。
 十分にエネルギーを貯めて放たれた滅技・龍気砲は、群がるレッド・キャップを吹き飛ばし、周辺のコープスをなぎ払う。近距離にいたコープスたちは跡形もなく消えてしまい、やはり通常兵器をベースにした存在でしかないのだな、という感覚をリカインに与えた。
 確かに一度だけ喰らった戦車砲の直撃はかなりのダメージを受けた。装甲も主力戦車の装甲はかなりのものだ。だが、イコンに比べれば大したことはない。それがリカインの感想であった。
 そんな感じでかなり楽な展開をリカインが行えた裏には、ヴィゼント・ショートホーン(びぜんと・しょーとほーん)のバックアップがあったことも確認しておかねばならないだろう。
 ヴィンセントは他のメンバーと違って物理的には決して強くないので、後方支援として現場に出ながらではあるが情報撹乱を行っていた。
 その結果、やはりある程度の撹乱は行えるものらしく、ヴィンセントが情報撹乱を行っている間のコープスの攻撃は、命中率が格段に下がっていた。
 だが、それ以外の敵。例えばクー・シーなどがヴィンセントに群がってくるため、時折情報撹乱が解除されることがある。そんな時は、狙いすました攻撃がリカインやヴィンセントに飛来するため、わりとダメージを受ける。そのような塩梅で戦闘は進行していた。
 そしてリカインのペットでもあるキャロリーヌのことを忘れてはいけないだろう。
 戦車コープスや戦闘機コープス、そしてヘリコープスと戦うその姿は、まさに怪獣映画のそれであった。
 ツァールの長き触腕を振るって空中のカトンボを叩き落とし、あるいはビームアイで撃墜し、戦車をワイアクローで引き裂く。
「見ろよあれ、日本の怪獣映画みたいじゃないか!」
「まさかこんなアメージングなものが見れるなんて! 生きててよかったぜ。あのロボットだって日本のアニメみたいだしな!」
 そんな会話が米兵たちの間でかわされたとか何とか。

「流石は第三世代機だな前に乗っていた第1・5世代機とは比べ物にならないぐらい性能が良い」
 そんなふうに言いながらアニメのようなロボット兵器であるイコンザ・フールを操縦するのは桜葉 忍(さくらば・しのぶ)だ。正確にはパートナーにしてメインパイロットである織田 信長(おだ・のぶなが)のサポートではあるのだが。
 ザ・フールは基地周辺のギガースを相手取って暴れていた。
「この機体の性能を試すには丁度良い相手じゃ!」
 信長はそんなことを言いながら、嵐の儀式を発動させる。
 数キロにも及ぶ突然の嵐によりザ・フールの周囲のヘリ・コープスや戦闘機コープスも含め、敵味方ともに周辺での飛行が困難になる。
「おいおい、こりゃファンタジーだぜ……」
 空軍のパイロットは呆然としつつもその嵐を避けるように戦闘機を操り、嵐から逃れてきた戦闘機コープスにミサイルを叩き込む。
 一方で的に撃墜された米軍の戦闘機にダェーヴァが取り付くと、損傷した部分をダェーヴァの肉体が有機的に結合し、再び動き出して空に舞い上がるというある種悪夢のような光景がリアルタイムで進行していた。

「おいおい……そうやって戦力にしてるのかよ」
 その光景を見ていた斎賀 昌毅(さいが・まさき)は、思わずそんなことを叫んでしまう。
 コープスは米軍のの兵器を鹵獲して使っている以上数に限りがあるはずだと考え、何処から鹵獲もしくは製造されたのか情報収集も行いたいと思っていた昌毅ではあるのだが、まさか破壊された米軍兵器を乗っ取って再利用しているなどとは思いもよらなかった。
「倒した敵を味方として使うとか、将棋だけだと思ってたぜ!!」
 しかし、そんな驚愕をよそにマイア・コロチナ(まいあ・ころちな)のディメンションサイトによる空間把握と行動予測、そしてブレス・ノウによる未来予測を用いた二人の乗るイコンフラフナグズは、戦闘機やヘリのコープスを物ともせず次々に撃墜していく。
「敵大型巨人、来ます!」
 マイアが昌毅に報告をする。
 それを受けてデュランダルを装備したフラフナグズは、その射程を活かして、何本もの腕を持ったギガースに斬りかかる。
 ギガースは何本家の腕でそれを受け止めるものの、受け止めた腕は切り落とされる。しかしその被害を物ともせずに質量が何十トンもあるであろう瓦礫をいくつも投げつけてくる。
 それ自体はただの瓦礫であるのだがその質量と運動エネルギーによってもたらされる破壊力はヘタをすると戦車の主砲以上の威力を誇る。そんな瓦礫をぶつけられたフラフナグズは装甲に大きな傷を作り、中のパイロットも多大なダメージをうけるのであった。
 そして、戦場には新たなタイプのギガースが投入され始めていた……