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■ エピローグ ■



「あ、居た居た」
 梯子を使って屋根の上に顔を出したシェリーはキリハと話し込んでいる破名を発見する。
「寝ろ」
「いやーよ。私の寝付き悪さは知っているでしょ? それに、まだ寝たくないわ」
 飛んできた声を一蹴し、シェリーは屋根の上に立つと近寄り、立ち上がるキリハと入れ違いで破名の隣りに座る。んー、と両腕を上げて大きく伸びをする。そのまま両掌を広げ、掌越しに夜空を見上げた。
「にしても凄い星ね。月も明るい」
「シェリー……」
 夜の荒野は昼間とは違い、冷え込む。体を冷やす前に戻れと促す破名にシェリーは挙げた腕を下ろす。
「今日は結局ゲストの皆に手伝ってもらったけど、バーベキュー成功してよかった。フェオル達も楽しそうだったし、これからは食卓に色んな料理が並ぶかも?
 それに……ニカもヴェラも今は何も言わないけど自分の道を探しているみたい」
 契約者という特別な人達に触れ合って、触発され、模索する。
 彼等の経験を聞けば聞くほど自分がどんな大人になりたいのか考えてしまうのだと言う。
「おとうさん」
 と、シェリーは破名を呼んだ。その呼称がこの悪魔を時代に繋ぎ止める唯一の魔法の言葉と信じて。
「私達はこれからもっと大きくなるの。成長するのよ? きっとおとうさんなんてすぐに置いてけぼりにされるわね」
「……」
 無言になった破名にシェリーは笑った。
「期待しててね。系譜の子供はおとうさんの夢を必ず叶えるわ」
 それはもうおとうさんが想像もできない形で!
 自信たっぷりと宣言したシェリーに破名は面食らい、そして、破顔した。
「生意気な」
 破名の伸ばした手が、シェリーの頭を撫でる。
 変わらぬ冷たい手の感触に照れてシェリーは微か、はにかんだ。



 今日のことは忘れられない一日になった。
 忘れられない一日だから、またいつかやりたい。
 春の初めに、契約者の元に再び招待状は届くだろう。

担当マスターより

▼担当マスター

保坂紫子

▼マスターコメント

 皆様初めまして、またおひさしぶりです。保坂紫子です。
 今回のシナリオはいかがでしたでしょうか。皆様の素敵なアクションに、少しでもお返しできていれば幸いです。
 始まりがあれば終わりもあるのはわかっておりましたが、まさか自分が遭遇するとは思ってもいなかったので不思議な気分です。
 長い間とは言えませんが思い出はたくさんあって、保坂は音楽が無いと執筆できないのですが曲を流すと当時はあれを書いたこれを書いたとそんな事ばかりで、やはり不思議な気分です。

 ご参加頂いた皆様には多大なる感謝を。本当にありがとうございました。

 それと、推敲を重ねておりますが誤字脱字がございましたらどうかご容赦願います。