First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
■□■□■□■□■
【ルート4】
最初の三叉路の真ん中を選び、しばらく歩き続けると次の三叉路に差し掛かった。
そこを右に曲がると罠が発動しだした。
どうやらルートが確定すると罠が出てくるようになっているようだ。
この道を進んでいるのは久世 沙幸(くぜ・さゆき)、サレン・シルフィーユ(されん・しるふぃーゆ)、椿 薫(つばき・かおる)、黒脛巾 にゃん丸(くろはばき・にゃんまる)、弥涼 総司(いすず・そうじ)。
「サレンは……その格好で寒くないの?」
「大丈夫ッス!」
沙幸の質問にサレンは元気よく返した。
サレンの格好とは、サラシに褌姿なのだ。
目のやり場に困る感じにセクシー。
そんな会話をしながら、最初の曲がり角を曲がると、なんとも広い通路……なのだが、通れる道は真ん中の細い部分だけで、周りはくりぬかれており、下は真っ暗で一体どうなっているのか皆目見当がつかない。
真ん中の部分は1人がなんとか通れるほどの幅しかない。
「む? あれはなんでござるか?」
薫の指差した方向は真っ暗くくりぬかれた場所の上。
暗くていまいちよく見えないが、よく目を凝らすと暗闇の中に地面と同じくらいの高さまである一本の柱が立っており、その上には何やら乗っている様子。
とりあえず、先を行こうと沙幸が先頭に立ち進んでいく。
柱のあるところまで来て、上に乗っているものがなんなのか目視出来た。
なんとエロ本だったのだ。
「ふっ……俺達は単にのぞき目的だけで活動してきたわけではない。のぞきの過程で己を鍛えているんだ! 精神面も!」
にゃん丸はそう言いながらも一所懸命に腕を伸ばしてエロ本を取ろうと頑張っている。
「……」
「……」
そんな様子を女子2人は実に冷ややかな目で見ている。
「頑張れ! もう少しだ! 諦めたらそこで全ては終わりだ!」
総司の応援にも力が入っている。
「頑張るでござるよっ!」
自身にエロ本に興味があるかは置いといて、薫も仲間に声援を贈る。
そんな様子を尻目に沙幸とサレンはこの狭い幅の道を渡り切っていた。
「先行かないと遅くなっちゃうよ!」
「先に行っちゃうッスよ?」
声を掛けるが、あと数センチのところまで来ていてなかなかやめない。
しかし、腕を伸ばし過ぎた為か前のめりにバランスを崩していくにゃん丸。
あわやのところで、薫と総司が掴んだ。
「助かった……持つべきものは志を同じにする仲間だな!」
3人は狭い通路でひしっと抱き合った。
どう頑張っても取れそうにないエロ本は泣く泣く諦め、3人は通路を渡り切ったのだった。
次の曲がり角を曲がるとここは何もなさそうだ。
普通の地面が続いているだけ。
そう皆が思い、歩いて行くと、通路半ば程で変化が起きた。
「走った方が良さそうでござる!」
薫が言うが早いか、一斉に走り出した。
なんと天井が結構なスピードで落ちてきたのだ。
しかも天井にはとげが沢山付いている。
あんなものが刺さっては体中穴だらけになってしまう。
必死に走り抜け、ここはなんとか突破することが出来た。
曲がり角を曲がると、後ろでズシンと音が聞こえた。
背後では下までいった天井が、ゆっくりと上がっていくのが見える。
次の通路は本当に何もなく無事に潜り抜けた。
しかし、次の通路は一面が良く磨き抜かれた氷。
天井からはコンニャクが吊るされているのが見える。
それも1個や2個ではない。
所狭しとこんにゃくがぶら下がっているのだ。
とはいえ、あまり害はなさそうなので、こんにゃくにぶつかりながら、氷に足を滑らせながら進んでいく。
こちらのこんにゃくもどうやら幻覚らしく、ぶつかると嫌な感触を残して一瞬消える。
そして、消えるのだが、すぐに復活。
「ひゃっ!」
「冷たいッス!」
沙幸とサレンの可愛らしい声を聞きながらどうにかクリアしていった。
氷とこんにゃくが終わると目の前には怪しげな扉が出現した。
「私が先に行くね!」
沙幸はそっと扉を開ける。
中は明るく、かなりの広さがある。
天井に外へと通じる穴があいているようだ。
パッと見、何もなさそうに感じる。
次へと進む為の扉もすぐ脇に見つける事が出来た。
「大丈夫みたい……でも気を付けてね! 何があるかわからないから!」
沙幸の合図があり、全員がその部屋の中へと入った。
その瞬間、なんと天井からねっとりとした液体が降ってきたのだ。
全員の衣服がねっとりまみれになっている。
「良い眺めだ」
総司とにゃん丸は沙幸とサレンを見て、全く同じタイミングで言葉を発した。
「この探索が終わったら、ゆっくり温泉に浸かるんだもん!」
「私もッス!」
先へ進もうとした途端、なんと服が融け出したのだ
「きゃーーっ!」
「またッスか!」
サレンは以前、洋館の中で同じような目に遭っている。
2人は着替えもなかったので、ここでリタイヤとなった。
野郎3人だけが先に進むのだが、総司は最後までじっくりと沙幸とサレンを見ていた。
扉をくぐるとすぐにまた大きな部屋にぶち当たった。
中に入ると、これ以上先はないようなので、玄武甲を探そうとするが――
「何事でござるか!?」
「ぐあっ! 足が動かない!」
「オレはゴキブリかっ!」
薫、総司、にゃん丸はそう叫んだのだった。
ちなみに、部屋の中には【ハズレ 精進したまえゴキブリ諸君】と書かれた壁しか見つけることは出来なかった。
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last