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五機精の目覚め ――翠蒼の双児――

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五機精の目覚め ――翠蒼の双児――

リアクション


断章 ニ


「風が強いのう」
 五機精の一人、アンバー・ドライは、森の中を放浪していた。
「それにしても、他のみんなはどこにいるんじゃろうか」
 彼女はただ、自分と同じ五機精を探しているだけだった。ただ、ガーネットと同じで、五千年の月日によって地理感覚が抜け落ちていた。
「さて、今日はここらで一息つこうかの」
 適当に休めそうな場所を探す。

 そんな彼女の姿に視線を送る者がいる。

「見つけた!」


            * * *

 シャンバラ大荒野、ヴァイシャリー湖岸。
「おいおい、お嬢ちゃん一人で何こんなとこほっつき歩いてんだ?」
「ちょっくら可愛がってやろうぜ」
 その辺り一帯にそこそこの勢力を持つ蛮族が、一人の少女に絡んでいた。
「やかましいのです。さっさと帰れこの野郎です」
「んだと!? ガキがナマ言いやがって!」
 その中の一人が、少女の胸倉を掴み上げようとする。
「どこ向いてるですか」
 しかし、そこに少女の姿はなかった。
「何だ、何しやがった!?」
 その後、男十人がかりでも少女に指一本触れる事が出来ない。
「わたくしはずっとここに立っているのです。てめえらの目は節穴ですか」
 無表情に相手の感情を逆なでしまくる少女。
「もういい。ガキだからって構うこたねぇ。やれ!」
 鈍器類を持った男達が一斉に飛び掛かる。
「まるで分かってないです」
 次の瞬間、男達は互いを殴り合って倒れていた。
「て、てめえ何もんだ、人間じゃねえだろ?」
 少女は浮いていた。四枚の翼で。それはさながら水晶のようだった。
「そうです。良く分かったのです。褒めてやるから――」
 少女が光に包まれる。
「さっさと消えるです」
 
 その日、大荒野の一地域において、蛮族ごと集落が消滅した。


To be continued……

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 大変お待たせ致しました、五機精編、双子の章です。
 参加人数1.5倍、執筆期間2倍、リアクションの文章量が普段の2倍という何かとんでもない事になっております。
 そのため、今までとリアクションの書き方を変更しました。主に場面わけですが。四章までは二つの遺跡が交互になっており、五章以降は中で細分化されています。
 ページ数多いよ! など意見ありましたら宜しくお願い致します。

 今回、話としては多くのPC、もしかしたらPLにとってもかなりこたえる内容になっていると思います。シリアスというか、鬱展開と言われても仕方ないかもしれません。
 これもまたアクションの結果です。酷かもしれませんが、まだ救いはあります。
 それにしても、一本のストーリーの軸に、それぞれのPCの目的に応じていろいろなサブストーリーが展開されてますね。PCからしたらそちらがメインですが。
 一応フリでサンプルに入れておきましたが、ガーネットを守るが予想以上に多くてびっくりしました。おまけでエミカも守る、なんてのもありましたが。
 ちなみにこのシナリオにおける護衛アクション推奨レベルは35以上です。敵が強いので、そのくらいないと厳しいと思います。
 ちなみに、量産型機甲化兵は三人いれば倒せるとなってますが、レベル目安は25その三人の平均でです。ただ、雷電属性攻撃持ってないと勝つのは困難です。

 今回気になったのは、PC情報とPL情報の混同です。
 黒ドレスの女と銀髪の魔女は、前回傀儡師の発言を聞いたPC以外は知らないはずです。今回はガイドの説明が分かりにくかった事もあるので、救済措置を取りましたが、今後はお気をつけ下さい。
 あとは、今回に限りませんが、追加LCの白紙投稿です。基本、MCがアクション投稿していれば完全な白紙扱いにならないものですが、今後は白紙扱いとさせて頂きます。描写しませんのでご了承ください。

 一回完結形式、といいながら繋がりが強過ぎる事に今更気付きました。特に今回と次回。
次回、五機精編最終回「水晶に映りし琥珀色」は、本シナリオの三日後が舞台となります。

 ガイドの公開は、急ですが16日(水)の予定です。

 それでは次回のシナリオも宜しければご参加ください。

※ブログは更新停止し、予告等はマスターページで行います。

※6月15日 描写に関して、一部PCのスキル使用に誤りがございました。該当ページはP38です。厳密判定といいつつ、このような初歩的なミスをしてしまい、申し訳ございませんでした。