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【学校紹介】鏖殺の空母

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【学校紹介】鏖殺の空母
【学校紹介】鏖殺の空母 【学校紹介】鏖殺の空母

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4:潜入
 レーダーには察知されなかったがさすがに接近すると見張りに発見されたようで、機銃の掃射が飛空艇を襲う。
 銃弾を浴びながら飛空艇も機銃で反撃する。
 そして強引に接舷すると閃光手榴弾が転がりでて、その爆発の後潜入班を吐き出した。
「<凍てつく炎>よ!」
 終夏が<凍てつく炎>で創りだした炎熱で機銃を破壊する。
「退きなさい! <チェインスマイト>!」
 茶髪ポニテでメガネっ娘の六本木 優希(ろっぽんぎ・ゆうき)が<ライトブレード>を次々と繰り出す。その一連の攻撃で通路からやってきた二人の兵士が戦闘不能に陥った。
「よし。情報端末のある部屋を探しましょう。<捜索>」
 <捜索>で艦内を走査すると、優希は無線で情報端末のある部屋の場所を味方に告げる。
「光るよ! 3、2、1!」
 終夏が閃光手榴弾を投げる。爆音と閃光で無力化する敵兵。
「ええい、機銃が鬱陶しいな<サンダーブラスト>」
 貴族服を身につけた銀髪のアレクセイ・ヴァングライド(あれくせい・う゛ぁんぐらいど)の雷撃が飛空艇付近の機銃すべてを攻撃する。機銃が爆発して沈黙する。これで飛空艇が攻撃されることはなくなった。一行は安心して奥を目指す。
「優希、情報端末がある部屋がわかったのならば、早速そこに行きましょう。ハッキングをしなければ!」
 黒髪に黒の瞳を持つ大人びた女性クレア・シュミット(くれあ・しゅみっと)がそう言って冷線銃を発射する。冷凍ビームは敵集団の戦闘を凍りづけにし、
「チーフ、急ごう。砕けろおおおおおおおおおお!」
 赤髪を三つ編みおさげにしたエイミー・サンダース(えいみー・さんだーす)はそう言って光条兵器のショットガンを乱射する。氷漬けになった兵士たちが粉々に砕ける。ついでに散弾は後列の兵士をも打ち倒す。
 エイミーは通路を進むと監視カメラを破壊する。ただし、進むルートとは反対の方を。敵の撹乱を狙った戦法だ。
 一方甲板を駆け抜ける者たちもいる。
「<則天去私>」
 <栄光の刀>から放たれる光輝属性の全体攻撃は甲板で銃を撃ってくる鏖殺寺院の兵士たちをまとめてなぎ払う。
「イコンなど出撃間際に叩けば!」
 黒髪が綺麗でかっこいい男勝りの女性朝霧 垂(あさぎり・しづり)はエレベーターから出てきた直後のイコンを狙うべく敵をなぎ払いながら甲板を走る。海風に髪がなびく。
「垂さんごめんなさい……今一度、昔の私に戻ります……」
 危険な存在として封印されていた夜霧 朔(よぎり・さく)は垂に謝りながら己の力を解放する。
 朔の髪が発光し、腕や脚から淡い光が溢れる。二つ装備している<六連ミサイルポッド>を全弾発射する。降り注いだミサイルは甲板に穴を開け敵兵を塵をも残さぬほどに焼き払う。
 青いショートの髪をした顔に傷のある橘 恭司(たちばな・きょうじ)は<光学迷彩>を発動させ、機銃に用心しながら近づくと銃身の一部を歪めて使用できないように細工する。だが、それは敵兵に察知されることにもつながり攻撃を受ける。
「くっ……<則天去私>」
 血を流しながらも技を発動させると、恭司は次の機銃へと移動した。味方の治療を受けると力を入れて機銃の銃身をねじ曲げる
「潜入工作とかカッコイイじゃん。ゲームみたいでさ。まぁ、こまけぇこたぁいいんだよ!! 通信アンテナはあれだな。行くぞ!!!」
 黒髪ショートで精悍な印象を持つ国頭 武尊(くにがみ・たける)は<光学迷彩>と<カモフラージュ>を使用しながら敵を避けて進み、<破壊工作>の知識を使って効果的な攻撃ポイントを探り、<シャープシューター>と<スナイプ>を使って<機晶ロケットランチャー>で通信アンテナを破壊する。だがそれは早まった行動だった。

 発令所――
「司令、通信アンテナが破壊されました」
「なに!? 具体的にはどのような影響がある?」
「イコンを出撃させた場合、イコンとの通信が行えません。艦内は艦内放送があるので問題はないのですが……」
「なんということだ。ということは敵はイコン戦を仕掛けてくる可能性があるな」
「可能性は否定できません」
「わかった。パイロットたちに出撃準備をさせろ。時間はどれくらいかかる?」
「パイロットスーツの装着なども含めますと10分程度と思われます。その間に敵がイコンデッキを制圧する可能性があります」
 その言葉を聞いて司令官は唸った。
「メニエス殿と鮮血隊の方に連絡を。イコンデッキの防衛を頼むと」
「了解しました。メニエス殿と鮮血隊副隊長殿にイコンデッキの防衛要請! 並びに戦闘要員をイコンデッキに向かわせろ!」
 通信士に命令が伝達され、実行される。
 不幸なことに待機していた戦闘要員が個室から飛び出したところに、美羽の強化型光条兵器ブライトマシンガンが炸裂する。射撃を受けて、血を吐き倒れる兵士。
「この兵士の部屋にも情報端末があります」
 優希がそう告げると、クレアは兵士の個室に入り込んでパソコンを立ち上げた。
 パスワードが求められるがクレアはフラッシュメモリを挿し込むと辞書アタックでパスワードをクラッキングする。
 それからサーバーにアクセス出来るか調べて、アクセス出来ることが判明するとサーバーから艦内構造図を取り出す。
 そしてそれを籠手型HCに吸い込み、HCに備わっている無線機能で小次郎に伝達する。
 データを受け取った小次郎はHC装備者に一斉に艦の構造データを送付する。これで目的地までの最短距離がはっきりした。情報を受けて、潜入班はそれぞれ艦橋、発令所、イコンデッキ、機関室などに向かう。
「涼司さん、危ない!」
 茶色の髪をポニーテールでまとめ、眼鏡をかけた真面目そうな少女ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)が<ブライトスタッフ>で<則天去私>を発動させる。
 涼司に向かっていた敵兵が一斉に倒れる。
「サンキュー。助かったベアトリーチェ」
「いえ。友人として当然のことです」
 二人がそんな会話を交わしている頃、
「イコンデッキに鏖殺寺院のスパイが三人いる。また、兵士がイコンデッキに向かっている。デッキに向かうものは急げ」
 通信を傍受した小次郎がインカムで全員に注意を発する。
「逆に言えば、発令所に行く兵士は減るわけだね。涼司君、頑張ろう! 聖・破!」
 青色の髪をポニーテールでまとめた、一見女の子に見える男の子リアトリス・ウィリアムズ(りあとりす・うぃりあむず)が涼司に迫る敵兵士に向けて<ドラゴンアーツ>を使用した右ストレートを放つ。腹部にもろにパンチを受けた兵士は気絶してしまう。
「よっしゃ、そいつからIDカードと服をいただこう」
「ナイスアイデア」
 涼司の言葉にリアトリスが頷くと兵士から服を脱がせて体格が合うものに着せ、IDカードを奪う。
「よし……艦内構造の情報は手に入ったから、これでマッピングはいらないな。じゃあ、<情報撹乱>で偽情報を流そう」
 黒髪をシャギーにカットした小柄な外見を持つ清泉 北都(いずみ・ほくと)は<情報撹乱>で空母の警備システムに侵入者に関する偽情報を流す。
「ヤマバ、艦内の警備体制は混乱したようだな」
 千歳が集まってくる情報をそう整理し、涼司に伝える。
「そのようですわね。命令をするなら今ですわ」
 イルマの言葉に涼司は頷く。
「よっしゃ、可能な限り迅速に発令所を目指せ。時間との勝負だ」
『了解!』
「北都、周囲の警戒を忘れるな!」
 パートナーと同じく黒髪をシャギーにした、獣耳を持つ獣人の白銀 昶(しろがね・あきら)が北都に迫る敵兵を<チェインスマイト>で捩じ伏せる。
「ごめん! 助かった!」
「いいってことよ。大事なパートナーだしな」
「本当にそれだけか? あとで何かしようとか企んでないか?」
「そんなわけ無いだろ。人を信じろよ」
「すまない……」
「気にすんな相棒」
 笑顔があふれた。

 ボサボサの黒髪でごく普通な、あるいは弱そうな印象を受ける赤嶺 霜月(あかみね・そうげつ)はパイロットの待機部屋を目指すとパイロットたちを相手取って妻である銀の長髪をもったクコ・赤嶺(くこ・あかみね)とともに印象とは裏腹に大立ち回りを繰り広げてみせる。
「わるいけど、イコンのところにはいかせないよ」
 霜月の居合い切りが閃く。
「霜月! 無茶をしないで!」
 クコが霜月に声をかける。
「わかってる。こんなところで死ぬわけには行かないしね。自分はクコさんとこれからも末永く幸せに生きるつもりですよ。めでたしめでたしっと……」
「なに言ってるの馬鹿!」
 照れるクコ。しかし悪い気はしない。<ブラインドナイブス>を使いひとりずつ確実に仕留めていく。
 反撃を受けるが、熟練の霜月にはその攻撃は手に取るように見えた。
「あまいね……」
 簡単に紙一重で避ける霜月。
「クコと幸せになるためには、君たちにはいなくなってもらわないとね」
 霜月は笑う。
 二人の働きの成果で、鏖殺寺院はイコンパイロットの三分の一を失った。
 だが、残る三分の二はイコンデッキへと向かってしまった事にもなる。
「こちら霜月! 敵のパイロットがイコンデッキに向かった。デッキ制圧部隊は注意しろ!」

 一方、金髪碧眼で少女趣味の少年クリストファー・モーガン(くりすとふぁー・もーがん)とそのパートナーで銀髪を後ろで束ねて男装をしているクリスティー・モーガン(くりすてぃー・もーがん)はステルス飛空艇が敵に破壊されないように、その場に残って守備に当たる事を引き受け、攻撃してくる鏖殺寺院の兵士と戦っていた。
 だが、全員が出撃し飛空艇が空になるとクリストファーはこっそりと姿を消し、味方が倒した鏖殺寺院の兵士の中から息のあるものを選び治療を施す。
「……ん……ここは?」
 兵士が意識を取り戻す。
「同志、安心しろ、味方だ。私も寺院の人間だ」
「そうか。お前が手当をしてくれたのか。感謝する」
 兵士が礼を言うとクリストファーは頭を振る。
「同志、少々聞きたいことがある」
「なんだ?」
「地球の鏖殺寺院は、シャンバラの鏖殺寺院やエリュシオン帝国をどう思ってるんだ? 俺はシャンバラにいるから地球側の意見を聞きたい」
 それを聞いて兵士は少し考え込んだ。
「……鏖殺寺院はエリュシオンとコンタクトを取っており、日本及び地球の傀儡である西シャンバラを攻撃するために東シャンバラに拠点をつくりつつある。地球勢力の排除が目的だ」
「そうか……情報に感謝する」
「なに、命の恩人だからな。それよりも、逃げたほうがいい。この艦はもうやばい」
「そうだな。どうやって脱出する?」
「そこのロッカーを開けてくれ。救命胴衣があるはずだ」
 兵士の言葉を受けてクリストファーはロッカーを明け救命胴衣を取り出す。
「これを着て海に飛び込もう。敵の救助に期待しよう。やつらは「人道的」だからな」
 嘲笑うように兵士は言う。
 クリストファーはそれには答えず救命胴衣を着用すると、(本当は飛空艇を奪ってもいいのだが)と考えながら甲板に出た。
「クリストファー、なんで鏖殺寺院の兵士と一緒かは聞かないけど、ボクは空母に残る。地球でパートナー通信が可能かどうかも試したいしね」
「そうか、わかった。任せるよ」
 クリスティーの言葉にクリストファーはそう答え、クリスティーを残して兵士と一緒に海に飛び込んだ。
 ちなみに、パートナー通信は地球上でも問題なく行なえた。