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2020年夏祭り…妖怪に変装して祭りに紛れ混んじゃおう!

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第9章 歌って踊って妖怪の盆踊り

「あ、なぁ盆踊りをやりたいんだが、手伝ってもらえないか?」
 迫は太鼓や灯篭の付喪神やお化けちょうちんに声をかける。
 許可をもらっている途中、しめたと思ったマッシュがさざれ石の短刀を持って、どの参加者を石にしようかと周囲を見回す。
「(あの可愛い妖怪の集団にしようかな♪)」
 妖怪に変装した生徒たちを狙って忍び寄る。
 彼がヴァーナーたちを狙っているのを気づいた迫は目つきを鋭くし、全力で後を追いかける。
「マッシューーッ!!」
「その距離なら捕まらないもんね。ヒャハハハッ・・・ハハッ―・・・!?」
 もの凄い勢いで追いかけてくる彼女のスピードが、マッシュには100キロ婆くらいの速度に見えた。
「そっちはつけただけの尻尾だよ。残念だったねぇ」
「ほう、ならばこっちか!」
「ひぎっ!尻尾は!尻尾はらめなんらぁ〜」
 あっけなく迫に本物の尻尾を掴まれたマッシュは、気の抜けた炭酸のようにふにゃふにゃになって力が抜けていく。
「力が入らない〜。ふぎゅー」
 彼は尻尾を掴まれると変な気分になり、ぷしゅーと風船から空気が抜けたように力が入らなくなってしまうのだ。
「出来れば歌も欲しいな」
「私が歌ってあげようか?」
 猫娘の格好をした遠野 歌菜(とおの・かな)が迫に声をかける。
「ぜひ歌ってくれ。その櫓にかけた梯子に登ったところで頼むぜ」
「分かったわ。見晴らしいいわねー!」
 櫓に登るとそこにはすでに太鼓と灯篭の付喪神がスタンバイしている。
「頑張って歌うんでお願いしますね。(伴奏を流すためにラジカセを持って来たけど、付喪神がいるならいらないわね)」
「おう頑張れ、猫娘のお嬢ちゃん」
「はいっ!頑張ります♪」
 妖怪たちと一緒に歌菜は歌う準備をする。



「盆踊りをやるのか」
 化け狐の格好をして棗 絃弥(なつめ・げんや)は花火の用意しながら櫓を見上げる。
 蒼空学園から他校の友人経由で、祭りがあるということを知りやってきた。
「うぅ〜、私の林檎飴が〜綿飴が〜カキ氷が〜」
 ノリノリで花火を準備している彼の傍ら、烏天狗の格好をしている源 義経(みなもと・よしつね)は手伝わされ泣きそうになる。
「後で買ってやるからとりあえず手ぇ動かせ!」
 文句を言う彼をピシャッと叱りつける。
 その一方で、コレットと座敷わらしがなにやら会話をしている。
「ごめんね、家出したのは嘘なの。妖怪たちに正体がばれないようにするためなんだけどね」
「別にいいよ、それくらい」
 座敷わらしは笑顔で彼女の嘘を許す。
「これ作ってきたんだけど、皆で食べよう」
 作ったスィーツをエコバックから取り出したコレットは、座敷わらしやショコラたちにあげる。
「甘いねぇー」
「もっと食べたい」
「まだあるわよ」
 スィーツをショコラの皿に乗せる。
「陣くんのもーらい!」
「あっリーズ!返せっ」
「やーだよ。あーむ」
「あぁあー!!」
 もらったスィーツをリーズにあっさりとられてしまい、陣はしょんぼりする。
「食べられたものは仕方ないな」
 和原にぽんぽんっと背を軽く叩かれ慰められる。
「羨ましい〜」
 その光景を遠くから義経が羨ましそうに眺めている。
「打ち上げ花火をやるのか?2人だけじゃ大変だよな」
 迫は花火を作っている義経たちのところへやってきた。
「妖怪のキャラクター花火とか作ると良さそうなんだが、なんとか出来ないだろうか」
「そうか?その辺は難しいから3人で作るとしようか」
 絃弥の提案に頷き、一緒に花火を作って設置する。
「これくらいでいいんじゃないのか」
「そうだな。助かった、ありがとう」
「まぁこれも祭りを盛り上げるためだしな」
 設置を終えて迫は絃弥に、ニッと笑いかけた。



「皆さんこんばんはー!」
 マイクを使い歌菜は灯篭の付喪神が明りを照らしている櫓から挨拶をする。
「盆踊りには演奏だけじゃなくって、歌もいりますよね?それで私、アイドルの猫娘がこの櫓のところで歌いますーっ!」
「いいぞーっ猫娘の姉ちゃん」
「歌え歌えー!」
 櫓の下から彼女を見上げる妖怪たちが手を叩く。
「盆踊りが始まりますね」
「そうだな」
 翡翠の隣でレイスは櫓の様子を見る。
「お化けちょうちんの明りがキレイですね」
 美鈴はアヤカシの明りに思わずうっとりしてしまう。
「最後まで歌って踊って楽しみましょうー♪」

 作詞作曲:遠野 歌菜
 タイトル:あやかしパーティタイム

「今夜 出会えたこの一時。夜はそう 私たちだけの楽園の一時♪」
「妖しく怪しく、楽しく踊ろう♪」
 手を猫のように丸めた歌菜は、招き猫の踊りのポーズをする。
 太鼓の付喪神が自身のバチで、ドンッカラカッカッドンドンッカラカッカッドンッドンドンドンッと太鼓を叩く。

「今夜はお祭り、一夜の楽園♪君も私も貴方も、手を取り踊れ♪」
 今度は櫓の下にいる皆と一緒に踊ろうと招き猫のポーズを可愛らしくきめる。
「踊って一輝」
「ぁあ分かったから頭を掴んで揺らさないでくれって。(今度から一緒に歩くか)」
 コレットに頭を掴まれて揺らされたり、はしゃがれまくったりされた一輝は、一緒に歩いた方がいいかと思った。
「(嬉しそうだしまぁいいか)」
 でも彼女がきゃっきゃと笑顔で喜んでいる様子を見て、来てよかったと感じた。
「招き猫のポーズとかちょっと恥ずかしいな」
「ちゃんと踊るの!」
「あー・・・分かった・・・。(やっぱりなんか恥ずかしいよな)」
「一緒に踊ろうぜー!」
 アキラは化け草履たちと踊りまくる。
 ドンドンドンッドドンカッドンッ!
「踊りましょうー♪そーれそれそれ。今夜 出会えたこの一時。夜はそう 私たちだけの楽園の一時♪」
 櫓から降りた歌菜は二口女やひょうすべと一緒に踊る。
「踊らにゃそんそん、妖怪音頭!」
 尻尾を握られ力がなくなってへばっているマッシュの傍で迫も踊っている。
「山姫様と三つ目ちゃんも踊りましょう」
「踊るのじゃ!」
「踊り明かすのじゃーっ!」
 歌菜の歌に合わせて望たちも踊り始める。
「だいぶ盛り上がっているようだな」
 骨女にお好み焼きを振る舞いながら、涼介は踊りの様子を見る。
「赤マントのお兄さん、お好み焼きをもう1枚くださいな」
「あぁ待っててくれ、今作る」
 屋台を出している涼介たちはゆっくり見ている暇もなく料理を作るので大忙しだ。
 久の方もずっと行列が出来ている。
 船幽霊や牡丹燈籠などの絵の注文で、豊実はずっと絵を描き続けている。
「猫又のエリザベートちゃん、踊りましょう」
「踊るですぅ、猫又の明日香」
 明日香とエリザベートも櫓を囲むお化けちょうちんの傍で踊る。
「にゃんにゃんにゃ♪」
「あたしが踊ると隠れ身の効果がいきなりなくなりそうだよな」
 禰子は夏菜が踊っている姿を眺めていることにした。
「そーら踊らにゃそんそんにゃん。座敷わらしちゃんも、にゃんの招き猫のポーズするにゃ」
「こう?」
「そうにゃん。こう手をくねっとするにゃん♪」
 ルカルカの方は座敷わらしに猫のポーズを教えながら一緒に踊っている。
「一緒に、踊ろう!朝まで踊るぞーっ!」
「踊るにゃんっ」
 ニサトとアコーディングも招き猫のポーズをする。
 楽しかった祭りも間もなく終わりを迎えようとしているのであった。