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節分に鬼っ娘退治!?

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節分に鬼っ娘退治!?

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 ステラ・クリフトン(すてら・くりふとん)は、控えめながら、気をつけたほうが良いと思ったことを口に出した。

「メイベル様、戦いのさなかで倒れた人がいたら、万が一にも憑依されないよう、ナラカ人から距離を取った場所に避難させたほうが良いかもしれませんね」

 6人が到着したとき、剣を失った美緒の周囲を、夢野、フォリス、透乃、少し離れて棗が、油断のない表情を浮かべて取り巻き、その周辺に倒れ付しているゲドー、レイナ、つかさ、輝夜、それに岩壁に叩きつけられて逆さに石床にずり落ちたまま、グラビア撮影……などとうわごとのようにつぶやいている周の姿だった。

「さっそく、倒れておいでの方が居られますね……これは……ひどい火傷だ。手当てしてもらわないと」

ステラが倒れたメンバーの状態をすぐに見て取り、一番重症のゲドーのそばに行き、彼を抱えて遺跡の隅のほうへと移動を開始する。

「……しかし、これほどの火傷とは……一体何があったんでしょうか」

 七瀬 歩(ななせ・あゆむ)と、七瀬 巡(ななせ・めぐる)はのんびりと豆まきをしていたときに、アテナから連絡を受けたのだった。。

「アテナちゃん? え? そうなんだ! じゃ福豆を持ってそのまま現地に向かうね!」
「……ねえ、歩ねーちゃん。豆で鬼退治とか、桃太郎もびっくりだよねー!」

話を聞いた巡が言う。

「……うーん、でも、もし効かなかったらどうするのかな? 皆いるから大丈夫かなぁ?」

小首をかしげる歩に巡が言った。

「よーし、ボクも大昔の人に負けずに頑張るぞー!」

椎名 真(しいな・まこと)は、今回の事件について、知り合いから連絡を受けた。

「美緒さん、瑛菜さんが奈落人に憑依された、だって?」

すさまじい笑みを浮かべて椎葉 諒(しいば・りょう)がつぶやきはじめる。

「くくく……俺の出番だな。……豆袋のなかに鬼を突っ込んで鬼を豆にぶつけりゃいいんだよ。……いや待てよ、ナラカの蜘蛛糸を使って雷撃を伝わせ足止めがいいか……おい、と言うわけだ……体を貸せ」

聞いていた真は、

(……これは下手なことされるより、素直に俺の力を貸しておくか。このままだととんでもない事をやらかしかねん。……俺が憑依されたほうがまだまし、うんまだまし……)

「わ、わかった」

真の顔に火傷のような痣が内奥から浮かび上がり、冷徹な表情に変ずる。

「行くぜ」

 遺跡をたまたま訪ねていた如月 正悟(きさらぎ・しょうご)は、騒ぎの現場にやってきていた。

「なにあの二人、体を乗っ取られてるのか?!」

しばらく様子を見ていた正悟は、牛頭の手から剣が飛んだのを見た。今が勝負だ。すっと前に出て、牛頭に話しかける。

「その体だと本来持ってる力を使いこなしきれない可能性もあるんじゃねーか? 体格、性別とかも力を出し切る上で重要だしな」
『なぁ〜んだと、モォ〜〜ン』

思いがけない言葉に、牛頭がない頭を絞って考え込んだ。その隙に関節技をかけて押さえ込もうと、突進した。……いくらパワーがあっても体格の考え関節を利用すれば簡単には振り払えないはず、と正悟は考えたのであった。

「それに……もし、その時に多少妙な部分をさわってしまっても事故ですし! ……ウヒ」