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ミッドナイト・シャンバラ3

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ミッドナイト・シャンバラ3

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ふつおた

 
 
「えーっと、何ですか今のCMは。変な猫の声でコーラスが入っていましたが。
 気をとりなおしていきましょう。
 ふつおたコ〜ナ〜。
 さあ、何でもありのコーナーです。今夜はどんなお手紙が来ていることやら。
 ペンネーム、きっと普通の魔術士さん。
 ごきげんよう。
 ラジオ、いつも楽しく聴かせて頂いております。
 ついにはこうやってお便りを書いてしまいました。
 
 僕の大好きな人はロイヤルガードです。

 あら、またロイヤルガードさんですね。最近ブームなんでしょうか。
 人一倍頑張り屋さんで、自分も何かを変えたい、何かをしたいといつもいつも頑張ってます。きっと今も。
 ですので、離れている時もその人を元気付けたい、応援したいと思ってメッセージを書きました。もし宜しければ、皆さんも彼女を応援してあげて下さい。
 
 離れていても、いつも貴女のことを想っています。
 …やっぱり、お会いできないときは、寂しいけど。
 それでも、理想とか夢を追いかける貴女の事が、僕は大好きです。
 でも、あなたの寝顔や何気ない笑顔も大好きです。
 今、貴女は無理してませんか?疲れてませんか?
 貴女の思う通りにやれば、結果は後からついて来ると思うから。
 身体に気をつけて、ありのままの貴女で頑張ってください。

 ほとんどラブレターでした。
 じゃあ、みんなで応援を送りましょう。
 頑張ってください!!
 あなたの後ろにはたくさんの人がいますよー!
 では、次のお葉書にいきましょう。
 ペンネーム、マナ様ファンクラブさんから……。
 あれ? あれ?
 封筒に何も入っていません。
 おかしいなあ。
 スタッフ、中身どうしたの?
 えっ?
 さっきの写真?
 ああ、ドラゴンのですね。ここから混ざっちゃったんですね。どれどれ……。
 って、ラジオで写真だけ送ってきてどうしろというのですか。とりあえず口で説明しろと……。
 もう……。
 それにしても、このドラゴンというか、ドラゴニュートというか、大きいですね。イコンぐらいあります。
 さすがにこんなドラゴンいませんから、合成写真じゃないんでしょうかねえ。
 だって、ちんまりずんぐりしたかわいらしいドラゴニュートが、特撮ヒーローの着ぐるみパジャマを着て、世界樹のそばを飛んでるんですよー。
 えっ? どんなヒーローかって?
 それは、大人の事情というものがありますから、聞かないお約束です。この番組だって、ちゃんとスポンサー様がいるんですから」
 
    ★    ★    ★
 
「そ、その写真わあ〜」
 うつらうつらしながらラジオを聞いていたマナ・ウィンスレット(まな・うぃんすれっと)の目がパッチリとした。
 これは、どう考えてもこの間の鷽退治のときの写真ではないか。
 だとすると、投稿主はシャーミアン・ロウ(しゃーみあん・ろう)に違いない。
『意外とかわいいんですけれど、合成写真はだめですよ。ネタとしてだと、面白味がねえ……』
「意外とはなんじゃ〜。だいたい、それは合成ではないのだ。ネタでもない。いや、あの戦い自体がネタだったかもしれないが……。私は断じてネタ要員ではないのだあ」
 シャレード・ムーンのコメントに、ラジオの前のマナ・ウィンスレットが全力で反論した。とはいえ、いくらラジオに言ったところで、それが反映されるわけではない。
「ぶー。まったく、シャーミアンめ、なんでお手紙を添えないのだ。マナ様かわいいと百回書いた紙を入れなくてはだめではないか」
 ぶーぶー言いながら、すっかり目がさえてしまったマナ・ウィンスレットは、そのまま朝まで眠れなくなってしまうのだった。
 
    ★    ★    ★
 
「ラジオネーム、タシガンサワーさん。
 シャレードさん、こんばんは。前回は採用ありがとうございました。
 ええっと、どなたでしたっけ……?
 そして、鍋の提案もありがとうございます。
 ああ。
 ぽん。
 お料理で悩んでた人ですね。ペンネーム変えたんですか。
 みんな喜んでいました。
 締めにうどんを入れたら『なんでそんなもの入れるんだ』という疑いの目でみられましたけどね。(笑)
 
 そういえば、もうすぐ桜の季節です。
 薔薇の学舎でも『花見をしましょう!』とお誘いがありました。
 場所は郊外にある知人宅のようです。
 でも、あそこは桜が少なかったような...気もするのですけど、
 彼女も誘って、遊びに行こうと思っています。
 それと、みんなとわいわいやりたいので、一応お酒も用意しようと思っています。
 シャレードさん、どんな料理を持っていくとみんな喜ぶでしょうか?

 花見はじゃんじゃんやるべきです。
 ただ、この御時世ですから、ゴミはちゃんと持ち帰りましょうね。夜桜の場合は、エコな光条兵器などで明かりをとってください。
 そうですね、彼女も一緒なら、微炭酸の日本酒などいいですよ。もの凄く飲みやすいですから。ピンク色の花めくものとかもありますので、お花見にはぴったりです。
 大吟醸もいいですけれど、リーズナブルなお酒でも凄く美味しい物は多いんですよ。
 ペンネームのようなサワーも、リキュールによっては華やかでいいですねえ。桜の香りの梅酒なんかもあるんですよ。
 でも、未成年にはジュースにしておいてくださいね。絶対ですよ。
 私も、彼氏と一緒にお花見に行こうかなあ……おっと。ふふふふふ……。
 ああ、料理でしたね。
 煮物とか、ちらし寿司は定番ですけど……。
 みんなでつまむのならおいなりさんとかかなあ」
 
    ★    ★    ★
 
「ふむふむ、おいなりさんと……。それなら、簡単かなあ。ああ、中身をちらし寿司とか混ぜ御飯にするっていう手もあるよねえ。桜エビとか散らしたら、季節っぽいかなあ」
 ラジオを聞きながら、佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)がこまめにメモをとっていった。
 最近は、すっかりかわいいコックさんである。
「よし、お花見の料理の主役は、またワタシだあ」
 おーっと、拳を突きあげて気合いを入れる。
「でも、彼氏がいるって本物?」
 ふと、さりげないシャレード・ムーンの言葉を思い出して、佐々木弥十郎が一人突っ込みを入れた。
 
    ★    ★    ★
 
「ペンネーム、カレシ募集中☆さんからのお便りです。
 シャレードさん初めまして!某お嬢様学校に通っているカレシ募集中☆と言います。
 突然ですが、シャレードさんは付き合ってる人とか、気になってる人っていますか?
 私は、名前の通りカレシになってくれる、かっこよくて、気が利いて、私の事を一番に考えてくれる(ついでにお金を持ってる)人を探して奔走しています。
 合コンにも行ったし、街中でナンパをしたりもしたし、学校にバレるとちょっとまずいかなー?なんて事もぶっちゃけやったりしました。それでも、いい人を見つけることができません。
 カレシとしてじゃなくても、男の人といるのは好きなので今でも満足はしてるのですが、やっぱりカレシは欲しいなーって思います。
 
 シャレードさんにそういう人がいたら、どうやってゲットしたのか、これからどうやってゲットしようと思ってるのかを聞いてみたいな〜と思ってお手紙を出しました。
 よろしくお願いします!

 青春してますね〜。
 それにしても、今日のお便りは、なんで私の彼のことを気にするのが多いんですか。
 いいんですよ、あんなの、いたっていなくったって。
 もう。
 えっ、聞かせろって? スタッフ、うるさい。
 私の彼氏は、リスナーの皆様です。
 えっ、それじゃだめ。
 だめなのー?」