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第二章

第二章

――開始宣告から数分経過。

――講堂にて。

「……よし、さっきの奴はもう居ないみたいだな」
 入り口からエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)が様子を伺うように首を出す。
「しかし、さっきのアレはなんだったんだろう? 人だとは思うけど……」
 椎名 真(しいな・まこと)が首を傾げる。
「確かに、気になるところだね……まぁ、アレが首謀者なんだろうけど」
 黒崎 天音(くろさき・あまね)が真の言葉に、どこか楽しそうに呟く。
「……遊んでいる場合ではないだろう。調べる物があるのではなかったのか?」
「おっと、そうだったね。早く調べようか」
 ブルーズ・アッシュワース(ぶるーず・あっしゅわーす)が窘める様に言うと、天音が頷く。
「そういえば、君達は何で戻ってきたんだい?」
「ああ、気になる事があってな」
「僕達も同じだよ……何かありそうだからね」
 真の問いかけに、エヴァルトと天音が同じ方向――『EXIT』と書かれた扉に目をやる。
「やっぱり考えることは同じみたいだね」
 真がそう言うと皆扉に歩み寄る。
「うむ……一番怪しいのはこれ……ん?」
 振り返ったエヴァルトが言葉を詰まらせる。
「どうした?」
「いや、あれ……」
 エヴァルトが指差す。皆の目に異質な物――扉に向かって倒れて動かない人が映る。
「……聞きたいんだが、最初からあったか?」
 エヴァルトの言葉に、皆首を横に振る――瞬間、天井から影が落ちてきた。
「うぉっ!?」
 全員が気配に気づいて避ける。
「……避けられちゃったかぁ」
 影――ミリー・朱沈(みりー・ちゅーしぇん)が不気味な笑みを浮かべ、呟く。
「追いかけてくる奴が居るって言っていたな……こいつがそうか!」
 エヴァルトの言葉と同時に、皆が飛びのいて身構える。
「一人だけじゃないよぉ……?」
 声と同時に、もう一つ影――フラット・クライベル(ふらっと・くらいべる)が落ちてくる。全身血まみれで、歪な笑みを浮かべている。
「二人いたのか……!」
 ブルードが天音を庇う様に、前に立つ。
「逃がさないよ、お兄さん達……」
 ミリーとフラットが、皆に向かってにじり寄る。
「そう簡単に捕まらんぞ!」
 エヴァルトが腕にはめている【アクセルギア】を発動させる。
「……どうするのかな?」
「そんなの決まっているさ」
 身構えるミリー達にエヴァルトは笑みを浮かべると、
「逃げるんだよぉッ!」
高速で、講堂入り口までかけて行った。
「……そ、そうだ! 俺達も逃げ……っていない!?」
 真が横を見ると、既に天音達の姿は無かった。
「……後はお兄さんだけだねぇ」
 フラットがニヤニヤ笑いながらにじり寄ってきた。
「くっ……!」
 逃げるため、振り返ろうとした時だった。何者かが、真の足にしがみついて動かなかった。
「え?」
 視線を足元に下ろすと、先ほど倒れていた人物、アシェルタ・ビアジーニ(あしぇるた・びあじーに)が足にしがみついていた。
 真の視線に気づいたアシェルタは、顔を上げると口の端を歪めて笑う。
「「……つーかまーえた」」
 そして、背後からミリーとフラットが、真に抱きついた。

「……フラット、挟み撃ちにするって話だったじゃないか」
 捕獲した真を前にして、ミリーがフラットに呆れたように言う。
「うっかり失敗しちゃっただけよぉ」
 フラットはというと、悪びれた様子も無く言った。
「まぁ、アルシェルタのおかげで何とかなったけどさ」
「……あのような感じでよかったのですの?」
 気だるそうにアルシェルタが言うと、ミリーが嬉しそうに頷く。
「うん、上出来上出来」
「……あの、俺はこれからどうなるんだい?」
 真が困ったように言うと「あ、そうだった」と思い出したようにミリーが言った。
「大丈夫よぉ、解放してあげる……これからペナルティを与えてからねぇ?」
 愉しそうに、フラットが笑みを浮かべて言った。
「で、ペナルティってのは?」
「うん、これだね」
 ミリーがどこからか取り出したのは、割り箸だった。