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「三つに割れたですって?」

 エリシアは受信したばかりの情報を細かく吟味した。
 先行した二機の攻撃方法と砕かれた隕石の破片、それらの軌道といった内容が仔細に書かれている。
 三つの大きな欠片と細かい無数の状態に分かれているらしい。

「そうみたいですね。割れた時の衝撃で、落下速度は随分と減速したみたいです。これならばエリシア君がやろうとしていたことが出来るかもしれません」

 陽太がイーグリット・アサルトから一番近い欠片の位置とその落下速度をモニターに映す。
 それを見たエリシアがにやりと笑った。

「気合入れていきますわよ」

 ◇

 サビクから、ほら、と渡されたデータを見て、シリウスは思わずシュヴェルト13のミサイルランチャーのカバーを開いた。

「あ、まだミサイルは届かないってば! ちゃんとタイミングを見計らって撃ってよね!」
「だってよ……この三つの破片の中で、オレたちに近いのがこの一番デカイやつだろ? 思わず気合も入るってもんだぜ」

 カバーを閉じながらサビクは苦笑する。
 減速したとはいえ、隕石の落下速度はとても速い。間をおかずして開くことになるだろう。
 既に目視できる距離まで近づいており、サビクはシュヴェルト13を減速させていく。
 やがてミサイルランチャーの射程に入った瞬間。

「さぁいくぜ! 撃って撃って撃ちまくれ!」

 多数のミサイルが隕石に向かって放たれ、続いてバズーカの弾が威勢よく飛び出していく。
 脆くなった隕石はどんどん削られていき、七割程度にまで小さくなっていた。

「あとは……まかせて!」
「シュヴェルト13は!」

 弾切れのバズーカを捨て、両手を挙げて隕石を迎え撃つ。
 シリウスの絶叫と共に、シュヴェルト13は破岩突で隕石にぶつかっていった。

「パワード・マグナは!」

 マグナの目が光る。
 隕石を掴んだパワード・マグナの大型スラスターが全開になり、長い火柱が後ろへと流れていく。

「イーグリット・アサルトは!」
「そして、コントラクターの力は!」

 エリシアが、そしてつられて陽太が叫ぶ。
 強大な質量をその身に感じながらも『仏斗羽素』と『試験型パワーブースター』を展開、点火していく。

「「「伊達じゃない(ですわ)!!!」」」
「タダ酒飲ませろーっ!」