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障害物リレー種目◇モンスター・ランナー

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障害物リレー種目◇モンスター・ランナー

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さて、蒼空チーム。
 一方、海はたくさんのゴーレムに追われていた、モップスを抱えながら。
 その足取りは、前に進むのがやっとだった。
「うわ!?」
「危ないわ」
 静かな口調で、セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は良いながら、海の前へと出た。
 目の前ではゴーレムが腕をまさに海へと振り下ろそうとしているところだった。
 セレアナの女王の加護によって、なんとか防ぎきることが出来た。
「あ〜もうっ、どんだけゴーレムが多いのよ!」
 思わずセレンフィリティが叫んだ。
 叫びながらもエイミングで確実にゴーレムの動きを止めていく。
「涼司に借りを作るめったにないチャンス、しかたないわ」
「す、すごく余裕そうだな」
 色々と盛り上がる二人に、海はつかれた表情で言った。
 二人はそんな海を見ると真剣な表情をした。
「いえ、全然真剣よ」
「真剣だわ」
 二人の息はぴったりだ。
「げ」
 が、その二人の後ろには大きなゴーレムが立っていた。
 目を丸くした海を見て、セレンフィリティとセレアナは背後を振り返る。
 行く手を阻むゴーレムは高さ10メートルはあった。
「どうする」
「やるわよもちろん!」
 セレアナの問いかけに頷くとセレンフィリティはクロスファイアをゴーレムに向かって放つ。
 十字の弾丸にゴーレムは体勢を崩す。
 だが、すぐに立ち上がろうとする。
「うわあ、すげえ」
「今の内に先へ!」
 セレアナが声をあげる
 海は圧倒されるまま先へと進んだ。

 だが、モップスの重さはずしりと海の足に影響していた。
 加えてゴーレムによる強い砂嵐で進むのが困難だった。
「お前、もうちょっと軽くならないのか?」
「無理なんだな。それより少しは僕をいたわるんだな、お前の運び方ひどすぎなんだな」
「……このクマ、ゴーレムにぶつけてやろうか」
「そ、それは失格なんだな」
 モップスをゴーレムに向かって投げたい衝動を抑えながらどうにか前を進んでいく。
「やっと見つけましたあ!!」
 突然海の上空から明るい声が飛んできた。
 上空から声を上げて喜んでいるのは杜守 柚(ともり・ゆず)だった
「柚か……」
 海が上空を見上げながらつぶやいた。
 柚は地面に降りようとする前に、超感覚でゴーレムの群れを感じ取った。
「! 海くん、前方にゴーレムが居ます、気をつけてください!」
 柚のかけ声に海は思わず立ち止まった。
 巨大ゴーレムが3体行く手を阻んでいたた。
「三月ちゃん!」
「わかってるよ!」
 地上へ降りた柚は杜守 三月(ともり・みつき)を呼ぶ。
 すぐに三月は海の前へと出ると、ゴーレム達のうち一体のみ奈落の鉄鎖によって地面に伏せた。
 残り2体が襲いかかってくる。
「くっ」
 海があきらめかけたとき、見えない壁のような物が三月と海を守った。
 壁は、柚によるオートバリアによるものだった。
 すぐに柚はヒプノシスでゴーレムを眠らせる。
「今ですよ、三月ちゃん!」
 柚のかけ声に三月がサイドワインダーでゴーレムに重い一撃を与えていく。
 ゴーレム達は同時に三体、大きな音を立てて崩れ落ちた。
「ありがとう、2人とも。助かったぜ」
 海が柚と三月にお礼を言う。
「この先は平野が続くのでゴーレムに襲われたりすることはないだろうから、後ろをついて行くよ
 三月が次の交代ポイントへ指さしながら言った。
 後ろをついて行くというのは背後から襲ってくるかもしれないゴーレムを警戒するためだった。
「気をつけてくださいね?」
「ありがとう、三月が居なかったらいまごろリタイアだったぜ」
 不安そうに柚が言うと、海は笑顔で答え走り去っていった。
 柚は顔が熱くなり、もうそれ以上はなにも言えなくなっていた。

 すでに砂地は抜け、あとは次の走者に交代するのみとなっている。
 だが、だいぶイルミンチームから遅れをとっていた。