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いい湯だな♪

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いい湯だな♪

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    ★    ★    ★
 
「それじゃあ、次はスイカ割りをして遊びましょう」
「わーい」
 小鳥遊美羽の言葉に、大風呂から上がってきたビュリ・ピュリティアが歓声をあげました。
 お風呂だというのに、ビニールシートにアイスボックスと、なんだかピクニックか海水浴気分です。
「頑張ってねー」
 ローゼンクライネがクーラーボックスから出してくれたシャンバラ山羊のミルクアイスをぱくつきながら、リン・ダージが応援しました。
 隣では、コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が同じようにアイスを食べていますが、なるべく、リン・ダージの方を見ないようにしているな見ているような……。
 蒼空学園水着を着ている小鳥遊美羽とローゼンクライネだけでも刺激が強いのに、リン・ダージはタオル一枚で水着すら着けていません。いかも、お湯に触れているので、うっすらと肌の色が透けて見えています。コハク・ソーロッド的には、120パーセント色っぽいです。ですが、さすがに、ここで貧血で倒れたくはありません。
「えいっ」
 すかっ!
 ビュリ・ピュリティアが、みごとにスイカを空振りしました。
「ダメだったのじゃ」
 残念そうに、ビュリ・ピュリティアがリン・ダージにスイカ割りの棒を手渡します。
「リンちゃんに、まっかせときなさーい」
 棒を受け取ると、リン・ダージが目隠しをしてスイカの前に立ちました。
「もう少し右ですよー」
「ちょっと前かな。そう、そのへん」
 小鳥遊美羽やコハク・ソーロッドが声援を送ります。そこへ、何かが落ちてきます。
 ぐしゃり!
 落ちてきたP級四天王パンツマナー番長が、スイカを粉々にしました。その頭を、リン・ダージが、思いっきりひっぱたきます。
「ひ、酷い……」
 救いを求めて手をのばしたP級四天王が、リン・ダージのロングバスタオルを掴んでからばったりと気を失いました。はらりと、リン・ダージの巻いていたタオルが解けて落ちます。
「はうあっ」
「きゃー、コハク、しっかりして!」
 小鳥遊美羽の目の前で、コハク・ソーロッドが鼻血を噴水のように吹き上げて倒れました。もろです。刺激が強すぎました。
「この、この、何をするのよ!」
 すっぽんぽんにされたリン・ダージが、そのままの格好でゲシゲシとP級四天王を足蹴にしました。
「ああっ、貴様、P級四天王様に何をしている」
 それを見た洗い場にいたPモヒカン族たちが、P級四天王を助けに集まってきました。
「危ない!」
 それを見た小鳥遊美羽が、ローゼンクライネと一緒にスイカ割りの棒でPモヒカン族たちを叩きました。もちろん、すっぽんぽーんのリン・ダージも一緒です。コハク・ソーロッドは、役にたっていません。貧血の頭で、ぼーっとリン・ダージの裸を虚ろに見ています。
「ぐあああ……。みごとだ、P級四天王パンツ割り番長……」
 頭に被っていたパンツを真っ二つにされたP級四天王が、小鳥遊美羽を指さして言いました。
「そんな称号嫌です!」
 当然、小鳥遊美羽はそう叫びましたが、Pモヒカン族たちは聞いちゃいません。
「あっ、いいなあ、番長……」
 すっぽんぽんのリン・ダージが、ちょっと羨ましそうに言いました。
「いいかげん、タオル巻いて!」
 さすがに見かねて、小鳥遊美羽がリン・ダージの身体にロングバスタオルを巻き直しました。
「まったく。毎回毎回、Pモヒカン族はろくでもないわね」
 そう言った小鳥遊美羽の視線が、P級四天王の持っていた焦げた縞パンに留まりました。なんとなく見覚えがあります。でも、世の中に縞パンなんかたくさんありますから、多分別の人の物でしょう。そう思い込むことにしました。
 
    ★    ★    ★
 
「エーリカは、どこに行っちゃったのかな」
 ゆったりと大風呂のお湯に浸かりながら、黒のビキニ姿のリブロ・グランチェスター(りぶろ・ぐらんちぇすたー)が言いました。
「さあ、少し前までは、チビッコたちと犬かき競争してたけど」
 放っておけばいいじゃないと、アルビダ・シルフィング(あるびだ・しるふぃんぐ)が言いました。
「またお風呂で泳いでいたと? まったく、しょうがないものだな。今度、じっくりとマナーを教え込まないと。だいたい、エーリカはだなあ……」
 リブロ・グランチェスターが、軽く愚痴をつき始めます。
「そんなにカリカリしてると、しぼみますよ」
 アルビダ・シルフィングが、いきなりリブロ・グランチェスターの背後から手を回して胸を揉みました。驚いたリブロ・グランチェスターが静かになります。
「おっ、以前より大きくなりましたか?」
「ええい、そういうことを言うのは、この胸ですか!」
 負けじと、リブロ・グランチェスターが、赤い紐ビキニの上からアルビダ・シルフィングの胸を揉み返しました。
 しばらく、きゃあきゃあはあはあと、二人で揉み合いっこを続けます。
「もう、何か飲み物でも飲みに行きます」
 これ以上じゃれ合いにつきあっていられないと、リブロ・グランチェスターが荒い息で大風呂から出ていきました。
「あらあら。仕方ない、こちらもどこか別のお風呂にでも行きますか」
 そう言うと、アルビダ・シルフィングもお湯から上がりました。
「それにしても、なんだか騒がしいなあ。あの声は、レノアか?」
 聞き慣れた声を耳にして、アルビダ・シルフィングがそちらへとむかいました。