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新米冒険者のちょっと多忙な日々

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■幕間:彼らの仕事

「この雪は出荷するから型に詰めて運んでくれ。空港までのルートは事前に伝えたとおりになー。空京でイベント企画してる金持ち連中に話し通してあるから指定された量だけ持ってけよ……あ、予備で多少多めに積んでもいいや」
 日比谷が協力者に指示を出す。
 彼の近くにはいくつかのコンテナが置かれており、型詰めされた雪がぎっしりと押し込められていた。これを運ぶつもりなのだろう。
「……米でも作ってりゃ雪中酒なんて手も有るんだけどな。贅沢は言えねーか」
「それは今更というものだろ」
 夜刀神がトラックに乗ってやってきた。
 阿部が運転しているようだ。
「受け入れ先はどうだった?」
「頼まれたところの近くの学校にも欲しいと言われましたよ」
 売り物じゃないから気を遣わなくて済みますね、と阿部は言うと荷台を見た。
 そこには山のように形をした雪がある。
「こっちは売り物だから保管から何まで手がかかるけどな」
 日比谷がコンテナを見る。
 ブルーシートを敷いて汚れないように処置がなされていた。

 皆が雪かきをしていたとき、彼らは彼らで自分たちの仕事をしていたのである。
 おそらくは、一番大変だったかもしれない仕事であった。