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夏だ! 海だ! 水着だ! でもやっぱりそういうのは健全じゃないとね!

リアクション公開中!

夏だ! 海だ! 水着だ! でもやっぱりそういうのは健全じゃないとね!

リアクション



エピローグ 始まりに至るための終わり



 夕暮れ時の海の家に、今回、調査に参加したほとんどのメンバーが集まっていた。
 厨房では鼻歌を歌いながら美緒が焼きそばを作っている。今回調査に参加したメンバーへのお礼だ。
「美味しいよ美緒!」
「ああ、美味いな」
 歌菜と羽純が並んで言う。美緒はありがとうございます、と、厨房から顔を出して口にした。
「はあ……思っていたよりも疲れました」
「お疲れ様。ミルディアがいてくれて本当に助かったよ」
 ミルディアはお疲れの様子で、テーブルに突っ伏している。が、弾が焼きそばを運んでくると、目を輝かせて起き上がった。
「すまないね弾くん、手伝わせて」
「いいんですよ、このくらい」
 弾はアゾートの手伝いだ。もう女装はしていなかった。

「結局、最後の盗撮犯は見つけられず、ね」
「悔しいし、疲れたし。あんまり遊べなかったし……」
「ミィナちゃん、あとでビーチバレー、もう一セットやるつもりなの。一緒にやりましょう」
「本当!? えへへ、やるー!」
「ふふ、負けないのですわ」
 理沙とチェルシーはミィナを誘っていた。

「ねえ、さゆみ、ルカ、盗撮犯って、サイコキネシスを使って望遠レンズで、ステルス機能を持っているのよね?」
「らしいわね」
「そう聞いたわよ」
 同じテーブルに座っているさゆみ、ルカルカに、セレンが話しかける。
「なんかこう、顔が浮かんでこない? 発明好きで、頭のネジが外れてて、高笑いをするどこかの誰かが」
「ああ……」
 言われて、二人はなにかに気づいた。そして、近くのテーブルを見つめる。
「すいません、無関係なのに私たちまでご馳走になって」
「美緒様、とっても美味しいのです!」
 そのテーブルには咲耶とアルテミスが、周りと仲良く会話をしながら座っていた。
「まさかね……」
 セレンたちは二人を見てそう呟いた。


「それにしても美味しいですわね。このシーフード焼きそば」
「そうだね。なにもかもが新鮮だ。近くで獲ったものかな?」
 小夜子とロゼは厨房の近くのテーブルだった。
「そうですよー。具は全部この近くで採れたものです」
 聞こえていたのか、厨房からまた顔を出して美緒が言う。
「このイカもかい?」
「はい、近くの漁港で」
「この人参もですか?」
「はい、近くの農園で」
「このタコもかい」
「はい、そのタコは……」
 タコ? 焼きそばを口に含んでいた陽一が、嫌な予感に動きを止めた。
「さっき、酒杜様と獲ってきました!」
 ぶふーっ、と、陽一は勢いよく焼きそばを吹き出した。



「ふ……怪人カメラ小僧も、我々のメガネに適うものではなかったということか」
 日が沈んでから、海の家から少し離れた砂浜で、ハデスは発明品の回収をしていた。改めて、データを確認する。
「だが写真は素晴らしいな。さすがは盗撮のプロフェッショナル! ……おお、SAYUMINではないか。彼女も来ていたとは……ふむ……ん?」
 次のデータは発明品が自ら撮影したもので、ちょうど、アルテミスの水着が落ちたところの写真だった。
「ふむ。全く、まだまだ成長が足らんな。この程度では、オリュンポスの色仕掛け担当には程遠い」
「……なにを見てるんですか、兄さん?」
 声が聞こえ、ハデスは恐る恐る後ろへ振り返る。後ろにはニッコリと笑みを浮かべた咲耶と、アルテミスが立っていた。
「は……ははは、妹ぎみではないか。どどどどうしたのだねこんなところで」
「兄さん、なにを、見てるんですか?」
 にっこり笑顔だ。が、その笑顔はなんていうかその、怖い。
「ハデス様。なにか妙なことをおっしゃっておりましたね。成長がどうとか」
「そそそ空耳であるぞ! まま、まさか、俺はそんな不埒なことは……」
 ものすごい力で発明品が奪い取られ、ハデスが取り返そうと手を伸ばすより先に、データを見られる。
 さっきまで笑顔だった咲夜の顔が、さらに笑顔になった。
「兄さん、これは、なんですか?」
「は、は、はっはっはっは! これはな、組織の資金集めのための大きな布石だ。この写真が、いずれ組織の中核の、」
「………………」
「ちゅ、中核の……」
 咲耶はアルテミスの写真を眺め、ぐい、と首を横に向けてハデスを見る。
「兄さん……覚悟は出来ていますかっ!」
 バチバチ、と、火花のようなものが咲耶の手に集まる。
「ハデス様……最悪です」
 アルテミスも泣きそうな顔で、近くにあった大きな石を両手で拾い上げていた。
「ちょ、ちょっと待て! さすがにそれは死ぬ! 死ぬから!」
「兄さん!」
「ハデス様の、バカーっ!!」
「ちょ、やめ、う、うわ、うわああ!!」




「アッー!!」







 ――正面から、堂々と、自信を持って。
 彼女の言われた一言は、なぜか、僕の心に残った。そして、その一言が、今も僕を動かしている。
 カメラは手放さない。これは僕の自信でもあるし、なにより……これを持っていたら、また、会えるかもしれないから。
 それでも、ちょっとだけ変わったことがある。今までカメラなしにはなんの自信のなかった僕も、ほんの少しではあるけど、自信を持てた気がする。
 

「もうちょっと寄りたまえ。入らないよ」
 ハーサンという人が、最後に海の家に集まったメンバーの写真を撮った。
「ほらキミ、こっちにいらっしゃいな」
 ハルカさんに巻き込まれ、なぜか、僕も入ることになった。
 そのときに撮った、一枚の写真。彼女と、並んでいる写真。
 僕は撮ったわけではないけど、その写真は、この夏の、僕にとっての一番の思い出だ。
 この思い出を胸に抱いて……僕はこれからを、自信を持って生きる。
 そして、出来るなら、次に会う時までに。

 いい男に、なってみせる。



担当マスターより

▼担当マスター

影月 潤

▼マスターコメント

 お久しぶりです。初めての方ははじめまして。
 リアクション担当、影月 潤と申します。
 まず、今回シナリオに参加してくださった全ての方に感謝申し上げます。

 
 シナリオ内容は海、ということで、水着が出たり、カメラ小僧が出たり、と、コメディタッチな印象を多くの方が受けたでしょう。
 ですので結構シリアスにしてみました。<おいこら
 ていうか、ちょっとアイデアが浮かんだのでそれを元に作成しているといった感じです。

 シナリオとしては総合的な主人公、「僕」の視点から見た浜辺の様子、といった形で、この、「僕」の行動がある意味では全てのきっかけになっております。
 なので諸悪の根源でもある。盗撮なんて許せない、ボコりたい! と思っていた方は、少々物足りなさを感じてしまったかもしれません。
 その辺りは、申し訳なく思っております。
 

 今回の話自体がそもそも賛否両論ありそうな感じになってしまいましたが、それでも、楽しんでもらえたなら幸いです。
 よくなかった! という方は今後の僕の成長をまた見守っていただいて、末永くお付き合いいただけたら幸いです。
 今後とも、影月潤を、ぜひともよろしくお願いします。

 
 http://www.geocities.jp/junkagezuki/  僕のHP、『影月 潤の伝説の都』です。
 
 役に立たない日記とかもあるので、もしよろしければどうぞ。



 2013年9月9日、一部、パーソナルデータと一致しない部分を修正いたしました。
 修正箇所に該当する方に関しましては、誠に申し訳ありませんでした。




 以下NPC&オリキャラ考察


 雅羅・サンダース三世
 


 前回に引き続き登場。ニセスカウトに騙されてセクシー写真をいくつも撮られた残念な子。
 本編ではセリフは結構多いんですが目立たず、といった感じの立ち位置でした。彼女と一緒に行動したい、という方は基本的にセット。おかげで結構人数多くて大変だった。

 アゾート・ワルプルギス
 

 当初は説明だけのつもりも、意外と本編で活躍したクーリッシュガール。なんだか、なんでも出来そうな雰囲気を醸し出している不思議な子です。
 ボケに突っ込み、オチに解説と、いろいろと疾走してもらいました。


 泉 美緒  ラナ・リゼット

 
 モンスター退治と、みんなへのお礼を。
 ちょっぴり天然なところとか、ちゃんとタコを持ち帰るところとか、意外と使いやすかったです。
 運営さんとNPCについて相談している際、この子使ったら? という感じで美緒を紹介され、改めて立ち絵を眺めていたところ、

「よし、タコにぐるぐる巻きになってもらおう」

 と思いついてあのシナリオになりました。
 触手にこれといって興味はないのですが、みなさんの内なる性的衝動が目覚めなら、作家冥利に尽きるというものです。いいのかそれで。


 以下オリキャラ


 「僕」

 一応名前も決まっていたんだけど、紹介のタイミングがなかったのでそのまま使用。
 内気で無口で、でも心の中ではいろいろ考えている人。その分他人の意見を聞く機会がなく、結構視野が狭かったり。
 主人公的ではありませんが、一応シナリオの核として動いてもらいました。


 土井竜平(どい りゅうへい) またの名を「瞬速の性的衝動(バースト・エロス)」

 
 その1にて大活躍。多分、誰も本名を覚えてない。
 このキャラどこかで見たことあるなー、と思った人は多分間違いではないと思います。参考にしている有名なキャラあり。特徴はところどころ違うけど。
 あまり直接的なエロは好まない感じ。その割にはストレートな二つ名だけど……まあ、ネタキャラだし。



 博士とその助手二名


 僕のHPに公開中の作品、『タイムマシンが、できました』に登場するキャラとほぼ同一。こっちもコメディタッチ小説を書こうとしたんですがシリアスになったため、初期設定的なシリアスギャクキャラとして登場させました。名前もある。
 彼らのシリアスなシナリオが読みたいという方は、是非とも当サイトへ。ええ、こういうところでも宣伝をするあざといやつです。


 ニセスカウト


 単なる悪い人。実はこういう偽物って結構いるみたい。
 立ち絵を見るとみなさんスタイルもいいし顔もいいので、こういう方に騙されないようご注意を。ね、雅羅さん。




 以下は個別コメントは、皆さまへの簡単な感謝の言葉とアクション等への感想となります。
 それと、皆様に称号を贈らせていただきました。
 どうもまだコツと笑いどころを掴んでいないのですが、喜んでいただきますと幸いです。