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腐海の底で

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腐海の底で

リアクション

 エピローグ

「すいません、アクリト先生。小さな欠片しか見つからなくて……」
「構わん。これだけでもだいぶ違うだろう」
 アレンが渡した小さな欠片をアクリトは頷いて受け取る。拠点で治療を受けるアクリトの姿は、下手をすると他の面々よりボロボロだった。
「ふん、いいザマじゃ。文官がしゃしゃり出てくるからそうなる」
「全くだな。椅子を温める時期が長かったせいか、少々鈍っていた」
 意外に素直な様子にアーデルハイトは面食らい、その様子にアクリトがふん、と息をついた。その隣でアニスがひょい、と火傷の治療を受けるアクリトを覗き込む。
「先生! ありがとね!」
「もやしにしては良くやったと誉めてやろう」
 リオンもまた頷いてアニスの隣に立つ。アクリトはうむ、とだけ言い、また黙った。アーデルハイトはしばらく悶々として唸っていたが、やがて「あーっ!」と叫びながら帽子を取った。
「お前が憎まれ口を叩かんから渡しにくいのじゃ! 受けとれい!」
 ずるり、と異空間化した帽子の内側から巨大な腐障石が転がり出てくる。それは、巨竜を仕留めた折、リリから渡されたものだった。イルミンスール生として、アクリトよりも早く確保すべしという密命を受けていたリリらは、あの巨大な結晶をアーデルハイトに渡していたのだ。
「……有難く頂こう。しかし、何故」
「ええい、聞くな! 私とて既にようわからん!」
「大ババ殿の考えることはよくわからないな」
「小僧ッ! 初めからそうしておれば!」
 その姿を巽達が笑いながら眺めていたのは、言うまでもない。
 大きな損害もなく、調査は成果を上げた。対処療法的な動きはなりを潜め、調査と鍛錬に時間を費やすことが出来た。
 戦士たちにしばしの休息を。

担当マスターより

▼担当マスター

宇賀野美也

▼マスターコメント

お久しぶりです。宇賀野です。皆様続けてのご参加ありがとうございます。
『腐海の底で』のリアクションをお送りいたします。いかがでしたでしょうか。
それなり以上の難産でしたが、試してみたいことも出来、楽しく執筆させて頂けました。
参加者の皆様に感謝です。
あと一度かそこらで終わる予定ですが、少々立て込んでおりまして、お時間を頂くやもしれません。通しのプロットは一応作っておりますのでごゆるりとお待ちいただければ幸いです。
それではまたどこかの世界にてお会いできる日を楽しみにしております。

▼マスター個別コメント