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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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 百合園女学院 敷地内
 
『くっ……!』
 
 ノイエ13のコクピットでシリウスは歯噛みした。
 
 来里人の駆る漆黒の機体は拳銃をヒップホルスターに戻すと、代わって人間で言えばレッグホルスターにあたる部分に取り付けられたハードポイントに格納されたナイフを抜き放つ。
 左右大腿部から抜き放たれた二本のナイフは着々とノイエ13にダメージを重ねていく。
 恐るべき操縦技術でノイエ13を追い詰めていく来里人。
 
 漆黒の機体がとどめの一撃を突きたてようとした時だ。
 突如割り込んだ機体がソウルブレードの刃を振るってナイフを受け止める。
 
『北都!』
 シリウスの声に応えるようにして、割り込んだ機体――ルドュテ清泉 北都(いずみ・ほくと)が言う。
『百合園が心配なのは解るけど、突出し過ぎだよ。第三世代機のスピードで飛びだされちゃ、置いていかれてしまう』
 苦笑交じりに言う北都。
『もう少し頼ってください、なにせ――』
 クナイ・アヤシ(くない・あやし)が言うと、それを引き継ぐようにして北都はシリウスに告げる。
『――なにせ、今のドラコ1はシリウスさんたち。そして、ドラコ2は僕たちなんですから』
 
 するとシリウスは意気軒昂に戻り、笑みを浮かべる。
『そうだったな。すまねえ。なら早速行くぜ、ドラコ1とドラコ2の初陣だ!』
『うん、あれでいこうか!』
『おうよ! 三機の所を二機って変則的なトコだが、オレらとお前ら――ドラコ1とドラコ2ならやれるさ! フォーメーションはファストドラコだ!』
 
 合図を交わすとともに、連携を見せる二機。
 本来は三機で行う攻撃ゆえに、本来の威力は発揮されていないものの、ドラコ1と2の技量や連携が卓抜しているゆえか、その力は決して低くはない。
 瞬く間に逆転し、漆黒の機体を圧倒する二機。
 
 やがて漆黒の機体は撤退し、“シュピンネ”もそれに追従したのだった。