天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

【特別シナリオ】あの人と過ごす日

リアクション公開中!

【特別シナリオ】あの人と過ごす日
【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日 【特別シナリオ】あの人と過ごす日

リアクション


だるまさんが転んだと複雑な関係?

シャンバラ教導団の休日に、
メルヴィア・聆珈(めるう゛ぃあ・れいか)を誘い出した、大久保 泰輔(おおくぼ・たいすけ)は、
パートナーのレイチェル・ロートランド(れいちぇる・ろーとらんと)
フランツ・シューベルト(ふらんつ・しゅーべると)
讃岐院 顕仁(さぬきいん・あきひと)とともに、
童心に帰って遊ぼうと提案した。

「なぜ、私がそのようなことをしなければならないのだ?」
「そんな堅苦しいこと言わんでええやん?
えい、リボンとってメルメルモードや!」
「ちょ、やめ、きゃあああああああああああああ!?」

かくして、メルヴィアはメルメルモードになってしまった。

「さて、何して遊ぶかやけど……。
鬼ごっこは、契約者同士、マジになったらアレやし。
目隠し鬼は殺気看破とかされたら意味あらへんし。
かくれんぼも、本気で隠れ倒されたら、面白がってられへんしなあ。
缶けり……缶が回収不可能になるで」

泰輔は考えた末、言った。
「そうや、『だるまさんが転んだ』にしよう!
これやったらいろいろ楽しく遊べるんやないか?」

かくして、ジャンケンで鬼を決めることになったのだが……。

レイチェルは、不穏な空気を漂わせていた。
(なぜ、泰輔さんが、休日のメルヴィア少佐の遊び相手など……。
確かに息抜きは必要でしょう。
しかし、どうして、そこまでして泰輔さんが、
気を使われないといけないんです?
泰輔さんのパートナーは――パートナーのうちの一人、ですけど――パートナーは、私なのに!)

メルヴィアが、レイチェルの様子を見てびくりとする。
「ど、どうしたの……?」
「ん? レイチェルはちょい不愛想やからな。気にせんでええよ」
(……泰輔さん!)

レイチェルのバックの炎がより勢いを増す。

「は、はやくジャンケンしよう、ジャンケン!」
フランツが慌てて言い、ジャンケンが始まった。

「「「「「じゃんけんぽん!」」」」」

「って、フランツ、後だしアカン。
それに、なに、両手出しとんねん!」
「は、ははは。こうすれば勝てると思って」
「こんなとこで遊んでどないすんねん。まじめにやらんかい!」
泰輔に突っ込まれるフランツだが、
実は、レイチェルの機嫌を直すため、笑わせようと必死なのであった。

「「「「「じゃんけんぽん!」」」」」

「なんやねん、その手の形は!
水鉄砲か!?」
「これならグーとチョキとパーと全部出せると思って」
「小学生か!
だから、いちびったじゃんけんしとらんとまじめにやれ言うとるやろ!」

フランツは泰輔に突っ込まれまくるが、
レイチェルは仏頂面のままであった。

「これって、必ず勝てるじゃんけんなの?」
「って、メルメル、本気にしたらあかん!」

(泰輔も罪作りなおのこよなぁ?)
その様子を見ていた顕仁が1人だけ余裕で微笑を浮かべる。
しかし、顕仁もまた、泰輔を巡る多角関係の一角であり、
泰輔を押し倒していることがレイチェルのフラストレーションの一因となっているのであった。

いろいろあって、ジャンケンに負けたメルヴィアが鬼に決定する。

「やっぱ、掛け声は『ぼんさんがへをこいた』にしようかなあ」
泰輔がいたずらっぽく言う。
「ええっ!? そんなこと言わないとダメなの!?」
しかし、メルメルが涙目になったため。
「冗談や、冗談! 普通でええって!」
泰輔が笑い、「だるまさんが転んだ」が開始された。

「だるまさんがころんだ!」
メルヴィアが振り向くと、全員が動きを止める。

「だるまさんがころんだ!」
「だるまさんがころんだ!」
「だるまさんがころんだ!」

しかし、全員、契約者なので、なかなか捕まらない。

「ううう……」
「っと、メルメル、泣いたらあかんって!」
「あ、今、動いた!」
「あはは、そうやな」
メルメルがうれしそうに言うので、泰輔も笑う。

こうして、鬼のメルヴィアに捕まった泰輔は手をつないで待機することになる。

しかし。

「だるまさんがころんだ!」
「おっと、動いてしまったぞ」
顕仁が、わざと動いて捕まる。

泰輔と手をつなぐと、顕仁は、意味ありげに、レイチェルの方を見る。

レイチェルがビシッと固まる。

(この順番ならレイチェルと手をつなげるけど……。
なんだか、それどころじゃないよね?
よ、よし、ここは僕が……!)

フランツがなんとか明るく振舞おうとする。

「わー、僕も捕まっちゃったー」

「やった、この調子で皆、捕まえちゃうよ!」
メルヴィアがうれしそうに言う。

続いて、レイチェルも捕まるが……。

つないだ手を「切って」、逃げられるようにするのが、レイチェルの役目である。

フランツはつかの間、レイチェルと手をつなげたことを喜んでいたが、
レイチェルは、泰輔とメルヴィアの手を凝視している。

(その繋いだ手……切ります!)

一気に力をこめ、レイチェルがメルヴィアと泰輔の手を「切る」。
さらに、泰輔と顕仁のも「切る」のだったが。

「今のは意味がなかろう?」
「知りませんそんなこと!」
顕仁に突っ込まれつつ、レイチェルは、ダッシュする。

メルヴィアは、逃げる一行を見ておろおろする。

「ス、ストップ!」
メルヴィアが慌てて叫ぶが、フランツが転んで、一同はその上に折り重なってしまう。

「ほう……これもまた、なかなか悪くないの、泰輔?」
「ちょ、やめ……今日は童心に帰る言うてたやろ!?」
顕仁に泰輔は押し倒されて、妖しい雰囲気になってしまう。

「私の上でやめてください!」
レイチェルがいろんな意味で悲鳴を上げる。

「お、重い……」
(でも、レイチェルが僕の上に……)
フランツは一番下になっていたが、役得だと考えていた。

大騒ぎの中。

「わー、やめろって!」
「ど、どうしよう、メルメル、いけないものを見ちゃったのかな……」
「うわー、待ってくれ、メルメル!」

泰輔は、顕仁に押し倒されたまま、
真っ赤になって逃げ出すメルメルを、必死で追おうとするのであった。