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女王危篤──シャンバラの決断

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女王危篤──シャンバラの決断
女王危篤──シャンバラの決断 女王危篤──シャンバラの決断 女王危篤──シャンバラの決断

リアクション



シャンバラ帰還

 任務を終え、使節団はシャンバラに戻る準備を始めた。
 女王へのメッセージは持ち帰り、彼女が記憶を取り戻す手がかりにされる事となった。
 また砕音は普通にシャンバラに戻ると言い、彼を監視していた者も安心した。

 従龍騎士バルレオスが高原 瀬蓮(たかはら・せれん)に大帝からの伝達をしにやってくる。
「偉大なる大帝陛下は、瀬蓮様に帝国に留まって、アイリス卿の帰還をお待ちいただきたいそうです」
「うん、いいよ!」
 何も疑っていない彼女に対し、砕音は来るべき事態が来た、と天を仰いだ。
 砕音は白輝精に頼み、使節団参加者のうち瀬蓮の友人を、白輝精が使用人として雇い入れたとして帝国にいられるようにする。
 その時、瀬蓮はその後に待ち受ける運命に気づいていなかった。
 帝都でアイリスを待つのも「やっぱりアイリスも家族とお正月を迎えたいんだね」ぐらいにしか考えていなかった。
「あれ、セレン、僕を待っていてくれたのかい?」
 アイリスはそう言って、いつもの優しい微笑を浮かべて頭をなでてくれるのだと、そう思っていた。
 まさか、アイリスがあんな事を言うなんて──

「大帝、私にシャンバラ討伐をお命じください」

 旧シャンバラ宮殿の戦いから帝都ユグドラシルに戻ったアイリスは、修羅の顔をしていた……




 紅月のテレポートで、使節団一行は一瞬で空京に戻ってきた。
 と、待ち構えていた一隊が、バラバラと彼らに駆け寄る。空京警察の警官だ。
「テロリスト砕音・アントゥルース! お前を逮捕する」
 突然の事に、使節団のメンバーは驚愕する。
「どういう事?!」
 ルカルカが警官をにらみ、聞きただす。他の者も、武器を抜く勢いだ。
 しかし武器に手をかけたメンバーを、当の砕音が止めた。
「法治国家としては当然だ。騒ぐような事じゃない」
 砕音は落ち着いた様子で、警官の前に進み出た。警官は飲まれそうになりながらも、乱暴に彼に手錠をはめた。
 クレア・シュミット(くれあ・しゅみっと)が警官を指揮する刑事に言う。
「我々も子供の使いではない。使節団としてもロイヤルガードとしても任務がある。彼を送致するというのなら、見届ける義務があろう。同行を許可されたい」
 ロイヤルガードであり、教導団中尉でもあるクレアに正式に求められれば許可するしかない。刑事は不服そうな表情を浮かべながらも、クレアの同行を認めた。
「俺も行くぞ!」
 ラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)が吼えた。手錠をかけられた砕音が、彼にすがるような視線を向けたのを見て、黙っていられなくなった。
 無機質な目を向ける警官に、ラルクは言う。
「俺は……砕音の主治医だ!」
 ラルクの脳裏に、空京大医学部や聖アトラーテ病院の栄えある医師たちが浮かぶ。彼らを差し置いて自分の実力で「主治医」は気が引けたが、今は非常時だ。言い切る。
「砕音は体調が悪ぃんだ。これから病院に行って検査や治療をする予定だったんだ。病人に無理させてぶっ倒れでもしたら、お前らの責任問題だぞ。同行する」
 視線だけで相手を殺しそうな剣呑な目つきで、ラルクは警官に同行を許可させた。
 すると次々と、自分も同行するという者が出てくるが、クレアが止めた。
「まずは使節団として各方面に報告せねばならぬだろう? 帝国での出来事を校長たちに知らせてくれ」
 テティスがうなずく。
「分かったわ。アムリアナ様や高原さんの事もあるし……砕音さんの事はお願い」
「心得た」
 警官はクレアとラルクを伴い、砕音を空京警察へと連行していく。
 遠ざかるパトカーのサイレンに、使節団一同はなんともやり切れない思いになった。

担当マスターより

▼担当マスター

砂原かける

▼マスターコメント

 明けまして、おめでとうございます。
 また、リアクション公開が遅れまして、誠に申し訳ございません。

 今回のアクションの結果、以下のような結果となりました。

・アムリアナ女王は、普通のヴァルキリーとなって地球に転生。
・高原瀬蓮は帝国側に残る。
・大帝はアレやコレでウハウハ。
・大帝の『眼』は潰される。(白輝精に渡された、ひとつのみです)
・砕音は空京警察に逮捕される。


 また一部のPCには【選帝神白輝精様の召使】【選帝神白輝精様のメイド】の称号を発行しております。
 こちらの称号があると文字通り、帝国にて白輝精の使用人としての立場を得られます。ただし選帝神の権力を使えるわけではなく、あくまでも使用人の一人にすぎません。
 本当に使用人として働く必要はありませんが、働いてあげると白輝精が喜びます。


 なお、このリアクション内の出来事は、時系列的には連動する『戦乱の絆 第3回』と同時期に起きたものです。
 特に、御神楽環菜救出の顛末や結果については、先日公開された『冥界急行ナラカエクスプレス(第3回/全3回)』のリアクションをご覧下さい。

 また今回はNPCに関して、非常に多くのマスターにご協力いただきました。
 この場を借りて、ご協力に感謝いたします。ありがとうございました。
 リアクションは、いただいた回答やアドバイスをもとに、砂原がまとめてさせていただいています。


 それから、逮捕された砕音と空京警察(刑務所)については、私の方でシナリオをさせていただく予定です。
 砕音関連のアクションだった方を中心に招待を出させていただいていますので、もしよろしければご参加くださいませ。