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【終焉の絆】滅びを望むもの

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【終焉の絆】滅びを望むもの

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洞窟入り口

 聖なる山にある洞窟。
 その入口には銃を身体に取り込んだ、バスターゴブリンが群れをなしている。
 これでは洞窟内に入り込むことも出来ない。

 スパン――

     スパン――

スパン――

 バスターゴブリンの頭が弾け飛ぶ。
 スナイパーライフルの銃弾が彼らの頭を吹き飛ばした。
「自分が死んでも構わないという兵ほど怖いものはありません」
 機晶スナイパーライフル『レーヴェンアウゲン・イェーガー』のスコープを覗き、
 洞窟入口を見つめ、的確に頭部への狙撃を行うルース・マキャフリー(るーす・まきゃふりー)
 居場所がバレる前に、更に数体の頭を吹き飛ばす。
 突然の出来事にバスターゴブリンは汚い鳴き声を上げて、洞窟内部へと下っていく。
「……狙撃から逃れるため、撤退しましたか」
「なら、ワタシの番だねぇ」
 ルースの横から佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)がぬっと顔を出した。
 一連の流れを注意深く観察し、敵の行動に予測を立てていた弥十郎。
「しばらく洞窟の中で戦ってきますね」
「……成程、了解しました。歓迎の準備をしておきますね」
「よろしくお願いします」
 弥十郎はそう言い残して単身洞窟内へと入り込む。

 そこにはバスターゴブリン達が横一杯に広がって道を塞いでいる。
「いっぱしの知能はあるのか、はたまた偶然の産物か……」
 単身で乗り込んできた弥十郎の行動に、バスターゴブリン達もどよめいている。
 だが、知能指数が低い彼らを混乱に至らせるまではいかない。
 バスターゴブリン達の激しい攻撃が弥十郎に飛来する。
 洞窟内ということもあり兆弾にも気をつけなければならない。
「これは、攻め入るスキがありませんねぇ……ぐっ!」
 弥十郎の身体に兆弾がかする。バスターゴブリンの行動は予測できても、兆弾の軌道を全て読み取るのは無理だ。
 弥十郎が身を翻して洞窟の入口へと戻っていく。
 バスターゴブリンもそれに釣られ、トドメを刺すぞと言わんばかりに弥十郎を追いかける。

「……来たね」
 弥十郎からのテレパシーを感じ取った佐々木 八雲(ささき・やくも)
 と、入口から弥十郎が出てくる。その数秒後、バスターゴブリンの群れが大挙してやってくる。
「止まれ、ゴブリン共! 僕は佐々木八雲っ! いきなりだが今日の天気をお伝えしようっ!!
 今日は時々……岩と丸太、だ!」

 ゴロゴロッ!!

 呆けているバスターゴブリン達に、八雲は事前に集めていた岩や丸太を転がし落とす。
 想像もしていなかった天気予報にゴブリン達は狼狽しながら、再度洞窟内に戻ろうとする。
 だが――
「行かせませんよ」
 ルースのスナイパーライフルがゴブリンの足を撃った。
 転んだバスターゴブリンが他のゴブリンを巻き込んでドミノ倒しの様に転げる。
「こちらも一匹でも倒すのが今の仕事だね。ちゃっちゃやろう」
 ルースの見事な狙撃に触発され、八雲もバスターゴブリン達へと斬り込む。
 銃撃と斬撃がバスターゴブリン達の撤退を許さない。
「今起き上がろうとしているヤツが狙い目です!」
 不意に弥十郎が叫ぶと、ルースも即座に狙いを付ける。
「ええ。あれを撃ち抜いたらさぞ高得点になるでしょう、ね!」
 
 スパン――

 ドガァアンッ!!

 ルースがバスターゴブリンを撃ちぬくと、盛大な爆風が巻き起こる。
 どうやら爆弾を持っていた様だ。他のバスターゴブリンも巻き込んで爆発した。
 三人の連携攻撃により入口にいたバスターゴブリンの一団は壊滅する。
「お見事。それじゃ偵察させてもらいましょうか」
「ごめんなさいね。お先に失礼させてもらうわ」
 入口が空いたことを見たセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が先行して洞窟内へと走り去る。
「洞窟さんがあるの……だから、洞窟さん探検するの〜っ!」
「探検したら何か見つかったりしないかしら?」
 同じように及川 翠(おいかわ・みどり)ユーフェミア・クリスタリア(ゆーふぇみあ・くりすたりあ)が洞窟内部へとかけていく。
「だ、大丈夫でしょうか」
「ごめんなさい……でも、探検することで洞窟内部の調査にはなると思うの。どうかご容赦を」
 心配するルースにミリア・アンドレッティ(みりあ・あんどれってぃ)が話しかける。
 その後ろ手にはスノゥ・ホワイトノート(すのぅ・ほわいとのーと)の姿もあった。
「探検すればぁ〜、内部はわかりますもんねぇ〜。
 というか〜翠ちゃんがぁ〜、どんどん先に行ってますよぉ〜?」
「い、いけないっ! それじゃ私たちも先に洞窟内部を調査してくるのでー!」
 翠を見失わない様、ルースとの会話もそこそこに、ユーフェミアとスノゥも洞窟内部へと走っていった。