リアクション
第５章 光射す墓地で
山葉 涼司（やまは・りょうじ）は、
設楽 カノン（したら・かのん）から、
花音・アームルート（かのん・あーむるーと）をかばって死んだ。
ザンスカールの森の精 ざんすか（ざんすかーるのもりのせい・ざんすか）は、
予言を無視して、ドラゴンに焼き殺された。
「そして、つぁんだは、
あくどい商売で恨みを買って刺し殺されたんだよね……」
ツァンダの町の精 つぁんだ（つぁんだのまちのせい・つぁんだ）の場合は
微妙に自業自得のような気もしつつも、
友達が死んだことで、
コハク・ソーロッド（こはく・そーろっど）はとても落ち込んでいた。
「みんな……美羽が仇を討ってくれたよ」
墓前にお供え物をしながら、コハクが報告する。
ざんすかと涼司のお墓には、
ざんすかザンギと腹黒やきそばをお供えし、
つぁんだのお墓には、
つぁんだが大好きだったお金をお供えする、
コハクだが。
「僕は死んでないよ！ 勝手に殺すな！」
つぁんだが、墓石の間から飛び出してくる。
「え、つぁんだ！？」
「あ、でも、このお金は僕へのお供えだからもらうからね！
小銭でも馬鹿にできないんだから！」
「え、そんな……」
あいかわらずがめついつぁんだに苦笑するコハクだが。
「みつけたぞー！」
「つぁんだ、覚悟ー！」
「げ、あいつらは！」
地祇の間で高利貸しをしているつぁんだを恨んでいる、
小さな村や町の地祇達が、襲い掛かってきた。
「ひぎゃあああああああああいたいいたいいたいやめろおおおおお！？」
ボコボコにされるつぁんだだが、
死の予言はないので、殺されたりはしない。
いつも通りの様子を見て、コハクはにっこり微笑む。
「よかった。これでめでたしめでたし、だね」
