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魂の研究者と幻惑の死神1~希望と欲望の求道者~

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魂の研究者と幻惑の死神1~希望と欲望の求道者~

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 第19章 エピローグ

「……何故、あなた達まで来てるのかしら……?」
「良いじゃないですかぁ〜。それにしても、環菜のくせに子供なんか産んで生意気ですぅ〜」
 その頃、空京にある環菜と陽太の部屋をエリザベートとアーデルハイトが訪れていた。エリザベートは、陽菜を膝に座らせて何だかんだと構っている。
「まあまあ、環菜。エリザベートさん達には俺が連絡して来てもらったんです。未来での出来事とかも詳しく知りたかったので」
「…………。それで、未来では何を見てきたのかしら? ピノちゃんを殺さずに未来を変える方法は見つかりそうなの?」
「ふぅむ……これで確定、という方法が判明したわけではないのう」
「……きゅうまんもじ以上使ってまだ判らないって……本当に、それで未来は変えられるの?」
 アーデルハイトの言葉に、本気の心配を込めて環菜は言う。しかも、変えようという未来は1つの時間軸ではなく、問題が起きている全ての時間軸なのだという。それはまあ、目標らしいが。
「ですが、大体の指針みたいなものは出来た気がしますわ。有力なのは、今回の件は『大陸の意志』が関係しているのではなく、病気なのではないか――ということです。その検査方法に基づき、アクア・ベリルが検査データを持ち帰っています。この時代でも今、イディアとブリュケ・センフィットの検査の準備がされているところですわ」
 エリシアはそうして、検査方法を環菜と陽太に説明する。ちなみに、舞花からの報告で子供のブリュケには、多少魔力が大きいもののそれ以外には問題が無い事が判明している。舞花は、情報収集専門員にブリュケの事を調べさせていた。
「病気……もしそれが確定すれば、ワクチンなり何なりで解決する可能性があるということね。過去と未来の比較が出来なかった故の見落とし……」
「その病気が発生しはじめた年、ないしは少し前の年に薬を配る事が出来れば解決じゃな」
「それと、未来で偉い人に話を聞いてきたんですけどぉ〜。『大陸の意志』という結論は、ほぼヤマカンだったみたいですよぉ。悪い言い方ではありますけどね〜」
 エリザベートはエリシアと共に学者に聞いた話を伝える。
「答えの無いことが答え、ですか……でも、その結論の出し方は確かに悪い言い方をすればヤマカンですね。そうか、だから……」
「どうしたの? 陽太」
「いえ、実は俺は今回の話、どうも何か引っ掛かる気がしていたんです。フィアレフトさんやミンツ君がウソを言うとは思えないので、もやもやとしていたんですが……今の話で分かった気がします。俺は、『大陸の意志』で酷いことになったという説に納得していなかったんですね」
 そして、彼は妻に目を移す。
「環菜は今回の件、どう思います?」
「そうね……」
 夫として、彼女の心情や見解も聞いてみたい。そう思って陽太が返事を待っていると、やがて環菜は口を開いた。
「わがままによって引き起こされた事件、という感じがするわ。今までにも色々あったけど、今回のは……これまででも最大級のわがままが関わっているんじゃないかしら。決して、天災ではないでしょうね。……そういえば、ノーンはむきプリの父親の所に行っていたのよね? 何があったの?」
「わたしの番だね! わたしはね……」
 むきプリ君は今回の件とは関係が無いだろう。ついでに訊かれた、という感じではあったが、ノーンはドラゴン退治の詳細を語り、最後に予言ペンギンの書いたプラカードを皆に見せた。それを見た5人の目が点になる。
 環菜に舞花から連絡が入ったのはその時だった。
「ええ、ええ……えっ? それで、2人は無事なのね。彼女は危ない……え、小瓶? 筋肉?」
『……………………』
 環菜の返事だけでは分からないが、何か緊迫した事態が起きたようだ。だが、その中でも集まった皆は彼女の発したある一言を気にせずにはいられなかった。
 もう一度、ノーンの見せたプラカードを凝視する。

『間違いなく、ムッチーは
 大きくなったら可愛さを
 失い、兄
 にそっくりに
 なるでしょう。ま
 る。』

『……………………』
「これ、もしかしてものすごく複雑に絡まっているんじゃないですか?」
「事情聴取ですぅ! むきプリ君とその父親を事情聴取ですよぉ!」

担当マスターより

▼担当マスター

沢樹一海

▼マスターコメント

皆様、リアクションの公開が大変遅くなってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
遅延期間中、体調不良等もありましたが本当に、何というか私の力不足です。まとめるのにかなり苦労してしまいました……(ふわふわしていた設定が多かったこともあり)。
色々と次回への展望やご提案等もいただきましたが、全てをうまく取り込むこむことができなくてすみません。

そしてこちらのシリーズですが、予定を縮めて次回を最終回とさせていただきます。
もっと筆が早ければと恐縮しきりですが、
中途半端なラストにならないように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ユーリアンさんとか、もうちょっと別の登場方法を考えていたのですが、
回数の関係上、ここで出てきてもらいました。没にしても良かったのですが、
ガイドに伏線出してしまったので後には引けねえ、と……。

次回ガイドは、9月30日までには確実に出ますので、もしよろしければ最後までお付き合いください。

では、ここまで読んでいただきありがとうございました。