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夏風邪は魔女がひく

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夏風邪は魔女がひく

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第5章


 全ての病は治ったが、副作用が治るにはまだ時間が必要だろう。
 ホイップはようやくシャーロットの脳天締めから解放され、お花畑からの帰還を果たしていた。
 そこに、おずおずとホイップに近づいて来たのは茉莉。
「ホイップ君、お願いがあるのだが。あの蚊を元に戻してやる事は出来ないだろうか? やはり、人間の勝手でこんな事になってしまったのだから可愛そうだ」
「う〜ん、元はと言えば私が病気持ち込んだからだしね……それじゃあ」
 サイズを戻す魔法を腕まくりをして呪文を唱える。もうクシャミによって間違える事はない。唱え終わると未だ気絶している紅白斑模様の蚊に白い光が集まり、一瞬で元の大きさに。
「あとは切っちゃった翅だね」
 続いて呪文を紡ぐ。今度は緑の光が蚊を包み、翅が復活。それを茉莉が大事そうに抱え、生息している地域に戻してくると笑顔で言った。そんな良い場面で悲劇は起こったのだ。
「ボクのナイスバディは最高でしょ〜!」
 周りを良く見ずにまだ走り回っていたエルが茉莉の背中にぶつかり、そのまま押し倒す。
 ぷちっ。
 ……誰にも止める事が出来ぬまま蚊はその不運な人生を終えたのだった。
「あ、あははは。なんかよく解らないけど、ごめんね?」
 冷たい雰囲気を感じたエルは誤魔化すようにして謝っている。
「……解ったから、先ずは私の上からどいてくれないか?」
 静かにそう言う茉莉。表情はよく見えない。慌ててどくエル。
「そこに正座するが良い! 命の尊さと年相応の落ち着きというのを叩きこんでやる!」
 これも誰も止める事が出来そうにないだろう。
 そんな様子をよそに、琴音がある提案をする。
「みんなでカラオケ行こうよ! 元気になったお祝に!」
 それに賛成した皆はこってり絞られ泣きそうになっているエルを見なかったふりして図書館を後にしたのだった。


 後日。


 ぼんきゅっぼん、獣の元を飲んでしまった人達の写真が四季の手によって売られている事が判明。かなりの売上だったことがバレ、被写体になった人達から売上金を取られたという。


 ホイップは図書館の司書さんから、今回の騒ぎで出た被害額の請求書というラブレターを受け取って感染した時より青くなっている。



 ホイップの借金合計 31000G

担当マスターより

▼担当マスター

えりか

▼マスターコメント

 シナリオに参加頂き有難うございました。
 少しでも楽しんで頂ける作品になっていたら、これほど嬉しい事はありません。