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第六章 葦原ヒヨコワールド(仮)への道


 某所。
 暗い倉庫の中に、レティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)氷見 雅(ひみ・みやび)タンタン・カスタネット(たんたん・かすたねっと)の三人の姿があった。
「本当に、それでもっと数が増えるのかなぁ?」
 と、不安気に尋ねたのは、レティシアである。
 ちなみに、この倉庫の持ち主も彼女で、倉庫の中には大量のひよこが簡単な柵で囲い込まれていた。数はざっと千羽はいるだろうか。
「大丈夫よ。映画ではこれで増えたんだから。それよりも重要なのは、夜中の0時過ぎにご飯をあげないこと。そうしないと化け物になっちゃうのよ」
「映画、ねぇ」
 と、レティシアはまだあまり信じられないようである。
 レティシアと雅の二人は、大量のひよこを見て即座に商売ができると思いつき、偶然出会って結託したのである。雅曰く、ひよこはさらに増やすことができる、ということで集めに集めたひよこを一箇所に集め、これから水をかけるところなのである。
「タンタン、それじゃやっちゃって!」
「放水開始なのです」
 ホースを片手に持っていたタンタンが蛇口を捻った。
 本当に増えるかどうかを試すのなら、まず一匹だけ水をかければいいんじゃないか。いきなりこんなにまとめて水をかけたら、増えたとしても大変なことになるんじゃないだろうか。
 などなど、極めて冷静な考えを持っていたタンタンだが、それ以上に面倒くさがりなのでそんな考えを進言することもなく、ホースの水をひよこにかけるのだった。
 ざぱーん。



「みなさんおやつもって来ました……よ」
 ミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)が倉庫に入ると、そこは記憶にあった場所と全然違う場所になっていた。壁に大きなひよこ形の穴が、一つ二つ、三つとできていて、全然薄暗くなんかなくなっていた。
「ひよこもいなくなってるし、倉庫の壁に大きな穴を開けちゃって、これじゃ赤字確定ね。そもそも、レティお金持ちなんだから、そこまでお金に執着する必要ないのにね。それとも、それぐらい執着いないとお金持ちなんてやってられないのかな?」
 はむ、と自分が持ってきたドーナツを食べながらやれやれと呆れるのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

野田内 廻

▼マスターコメント

 改めまして、はじめまして野田内廻です。
 『虹色の侵略者』への参加、ありがとうございました。
 まだまだ至らぬ点も多いかと思いますが、もしお気に召しましたら今後ともよろしくお願いいたします。

 で、こっからはチラシの裏みたいな感じです。

 今回のお話の元ネタに気づいた人が結構いてくれたみたいで楽しかったです。
 有名ではあるんですが、ちょっと懐かしい感じだったのでどうかなぁ、と思ってましたが予想を上回る勢いで水をかけたがって頂きました。
 水をかけてどうなったか〜、については本文の方でお楽しみください。

 それにしても、残ったひよこ達はどうなるんでしょうね?
 きっと元気に逞しく、過酷な自然を生き抜いていくことでしょう。
 いくらかは、人間に飼われていったりするのかな。鶏を実家が飼ってたけど、笑い話にならないほど朝になるとコケコッコーとやってくれるので、都会で飼うのは厳しいと思うなぁ。

 それと、大人の事情で、というわけでもないのですが、単純にひよこというアイテムは存在しないので、ひよこを配れません。なので、ひよこの入手しようとした人に称号をお配りしています。
 こういう事は最初に書いておくべきことですね。申し訳ありません。

 もしまた機会がありましたら、その時はよろしくお願いいたします。
 ではでは