First |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
序章
講堂内に並べられたパイプ椅子には、既にかなりの人が座っていた。
「冷たい飲み物はいかがですかー?」
ワゴンを押しながら、そう声を出すのはミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)。時折「すみませーん」と手を挙げる人の所に行き、紙コップにお茶を注ぐ。
どうぞ、と差し出すとたまにこんな質問がされた。
「どんなPV出すの?」
そんな時はちょっと小首を傾げて、
「んー、私まだお店まだ作ってないんですよねー。だから名刺だけ渡しときます。お店できたらよろしく」
そう答えて、紙コップと一緒に、自分の名前と自宅パソコン用のメールアドレスが記されている名刺を渡すのだ。
お店が出来たら、宣伝・広報活動にも力を入れなきゃならなくなる。そんな時、PVとかCFをネットなりなんなりに流すのは有効な手段になるはず。
ミルディアは、ポケットから今日のプログラムが書かれた簡素なパンフレット――というよりはプリントを取り出し、プログラムを見た。
「みんなはどんなネタ作ってくるのかな? とっても楽しみ」
First |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last