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幸運の守護札を見つけ出せ

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幸運の守護札を見つけ出せ
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「あの木の上にあるってさっき聞いたのよ! さぁ上るのみ!」
「だからってそのまま登ろうとするなって!」
リリア・オーランソート(りりあ・おーらんそーと)が長いドレス姿のまま木に登ろうとしていたところ、エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)は慌てて木から引っぺがした。
「俺が上って見てくるから、そこで待っててくれよ」
 リリアはスカートだし、ひっかかったり下が見えたりしたら大変だ。
 器用にエースは木を登って行き、上の方に到達する。トレジャーセンスを使ってみると、木の中に緑色で隠れている守護札を発見した。
「あった。これだろ?」
 手に取り、スーツのポケットへと忍ばせる。
「やっぱりあったのね、やったぁ!」
 喜んだのもつかの間、ずるっとエースが足を踏み外してしまい、その拍子に落ちてしまった。幸い木のてっぺんではなく、1メートルちょっとほどの高さから落ちたようだ。
「痛てて……っ」
「エース! 大丈夫なの!? 血が出てるじゃない……風に乗りて歩む者、使えばよかったのに」
 そういえば、と忘れてしまっていたようだ。ついリリアが自力で登ろうとするものだから、エースの方もつられてしまったのだ。
 急いで手に怪我をしてしまったエースの手を、心配してリリアはヒールで治した。
「ありがとう、リリアは治すのが上手いよね」
「あの……、こめんなさい。私が木に登ろうとしたから」
 すまなそうな顔をするリリアに、エースは笑いかけた。
「いいんだ。それよりさっきトレジャーセンスで神社の上に一つ見つけたから、行こうか?」
 ヒールの効きめが良かったのか、すぐに立ち上がってリリアに手を差し伸べる。
「肉体労働系はお任せあれ、百合のお姫様」
「ええ、是非」
リリアを抱きかかえながら、風に乗りて歩む者を使って神社の屋根へとふわりと出発した。
木の上で見つけたのは【良縁祈願】、屋根の上は【神恩感謝】だった。



ざっざっ
 火村 加夜(ひむら・かや)は箒でゴミをまとめていた。基本は掃除から、と真面目に取り組んでいたようだった。何か捨ててはいけないような物を見つけた。これは守護札だ。
「ラッキー……なんでしょうか。でも自分で探さないと意味無いような気も……」
 うーん、と悩んでいたところ、コンクリート モモ(こんくりーと・もも)が通りかかり、きょろきょろと見回して何かを探しているようだった。
「どうされたんでしょう……、あっ参加者さん?」
 巫女はスタッフ側で、案内ができるように守護札探しと出店を希望した人は把握している。
「これ探されているのではないですか?」
「えっ、巫女さん、あんたいいの? それなら遠慮なく頂くよ」
 優しい巫女さんだなぁ、とモモはそのまま歩きながら守護札を開けた。

 びゅううううっ!

守護札の中から強い風が吹いて、ヘアスタイルが台無しになってしまった。ハズレである。
「わわっ、あのごめんなさい! ハズレだなんて思わなくて」
 加夜は目の前で開けたモモに駈け寄って謝った。
「いや、私もあんたもわからないしね……」
「お詫びに一緒に探します。私も隠し場所は知らないし、これも巫女の務めですからね」
 そう言い、乱れてしまったモモの髪を直してやる。
「ありがとう。本当、良い巫女さんだよ」

 協力して探すことになり、取られそうな時はモモが速攻で取りに出る。
「その札取ったああああっ」
 モモが【神恩感謝】【厄除祈願】、
加夜は【学業成就】【家内安全】を獲得した。



 神社の鈴を鳴らし、神様に祈願。ヴェルデ・グラント(う゛ぇるで・ぐらんと)エリザロッテ・フィアーネ(えりざろって・ふぃあーね)は無事参拝を終えた。
「なんてお願いした?」
 エリザロッテが聞くと、ヴェルデは首を横に振る。
「そういうのは口に出したらダメなんじゃねぇのか。効力が無くなるとか……」
「案外そういうのは信じてるんだ?」
「うるせぇよ。よぅ、アゾート儲かってるか」
「ぼちぼちでんなぁ」
話しながら出店を眺めて歩いているとアゾートの魔法道具屋にたどり着く。腹は減ってないか? とヴェルデは出店でみつけたサンドイッチを差し入れてやる。
「ありがと。というわけでキミたちもなんか買って行ってよ、サンドイッチもらったから一割引きー」
 えっいいの? とエリザロッテは飛びつく。色とりどりのアクセサリー系もあり、普段から身に着けられるものばかりだ。からかうように
「けど、これマジで効くのか?」
「そうやって信じないない分運気下がるかもね」
 エリザロッテは3点ブレスレットお買い上げ。ヴェルデは最後のアゾートの言葉が気になり、守護札探しでみつからない人を手伝ってやろうと言い出した。
 既に【厄除祈願】が二つもあるので、誰かと交換したい、というのもある。