蒼空学園へ

イルミンスール魔法学校

校長室

シャンバラ教導団へ

合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション公開中!

合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション

セシル・レオ・ソルシオン(せしるれお・そるしおん)
 キラキラとした太陽のようにまぶしい少年はそう名乗って、続きを語る。
「俺は挑戦者じゃねぇけど、どうしてもお前に言いたいことがある。俺も田中……さっきのあいつと同じ意見だ。赫夜をずっと見てきたなら、本気で惚れてんならさ。こんな勝負してねぇで赫夜と一対一でしっかり向き合ってきっちり気持ちを伝えろよ。俺にも誰より大切なひとがいて日々鍛錬してる。少しでも早く肩を並べたくて、守ってやれるようになりたくて。認めてもらえる男になりたくて。そうなれるまで、絶対に想いを口にしないって決めてる」
「それは素晴らしいね」
「…やっぱりちょっとなんか、お前ってイライラするな…本気で惚れたらそういうもんだろ。怖くて、不安で、軽々しく想いを口に出来るもんじゃない。お前の想いを否定はしない。けど……少なくとも俺は、この上なく真剣に赫夜を想ってる奴を知ってる。そいつと向き合えるくらい、その想いは本物か?」
「…やっぱり赫夜さんには想う男がいるんだね」
「ああ」
「じゃあ話は簡単だ。その男は逃げずに、僕という障害を乗り越えるべきだ。僕は赫夜さんがどうであれ、赫夜さんを全力で幸せにするし、赫夜さんはそこにいるだけで僕を幸せにする」
 理の言葉は激しくもなかったし、笑みを浮かべていた。
 セシルはその言葉を耳にしたあと、くるり、ときびすを返した。
「…セシルと同様、俺も言いたいことは言わせてもらった…いい勝負だったぜ。オマエのこと、好きじゃないが、少しだけは嫌いじゃなくなった」
 牙竜はそう理に告げる。
「それは嬉しいね。で、君は田中って名前なの?」
「…」
 そこは黙ってしまう牙竜であった。
 月の泉地方の精 リリト・エフェメリス(つきのいずみちほうのせい・りりとえふぇめりす)は羽根 季保の襲撃をふせぐためにも、山葉 涼司の側に陣取っていたが、もぐもぐとパーティの食事を持ち込んで食べていた。そして、戻ってきたセシルに呟く。「立合い好きの修羅なお前が剣を取りもせず、よく言い渡したな。お前も、あの田中とかいうのも、そして佑也も、それぞれ譲れない想いを抱えているようだ。もぐもぐ……愛というのはいつも不可思議なものだ。ひとを強くもすれば、盲目にもする。…もぐもぐ。そうしてあがいて得るからこそ尊く、譲れないのだろう」
 エリティエール・サラ・リリト(えりてぃえーる・さらりりと)は婚約者から頻繁に入ってくる連絡をセシルに伝えながら、
「佑也さん、良い勝負が出来るといいですねセシル様!」
 と、満面の笑顔を見せた。
 セシルは黙って席に着くと、リリトは弓削を見つめ楽しそうにひとりごちる。
「さて、弓削とやら…お前はこの戦場を乗り越えられるか?」

 次の対戦相手は御剣 紫音(みつるぎ・しおん)
(いくら3分一本勝負とはいえ、疲れを見せないな、弓削とやらは…涼しい顔してる。相当な実力の持ち主なんだろうから、ここは勝負を挑んで俺の実力を試してみてやるぜ!)
「弓削 理、一手ご教授願う、もし俺が勝ったら赫夜にデートを申し込む権利をもらうぜ!」
(もし勝ったとしても手に入るのはデートを申し込む権利だから、赫夜に断ってもらえば角が立たないから良いだろうぜ。万が一受けてもらえたら嬉しいがな…)
「ふーむ。お美しいお嬢さんのように見えますが…男の方ですね。では全力で参りましょう」
「俺は男だ〜!」
 魔銃モービッド・エンジェルを構えると、引き金を引く。
 審判のメティスが「剣戟試合ですよ!」と「女王の楯」で仲裁に入ろうとするが、
「心配ご無用です」
 そういうと理はさっと魔弾を布都御魂剣で叩き落とすと、紫音の喉元に刃の切っ先を突きつける。
「う…」
「…ヘクススリンガーであったのが残念でしたね。次は刀で勝負しましょう」
「一本! 弓削!」
 メティスが声を上げる。


 次に名乗りをあげたのは、遠山 和美(とおやま・かずみ)
 パートナーの月島 悠(つきしま・ゆう)は乙女モードで可愛いらしい装いをしている。
「和美さんが剣術家として血が騒ぐらしくて一緒についてきたんだけど…私はイケメンにも剣術に興味もないし、折角なのでお料理を頂いておきます〜」
 ともぐもぐと口を動かしている。
 麻上 翼(まがみ・つばさ)
「和美さんの試合、楽しみですね。でもボクは豪勢なお料理を堪能させてもらいまーす。あ、悠くんそれお皿にとってくれます? 折角美味しいもの頂いてるのに邪魔しないで下さいね? 邪魔するようなら容赦しませんよ」
 誰に言うでもなく、呟きながらあっという間に肉の塊を平らげた。


「久々に若い人と打ち合うのも悪くないねぇ。さぁ、私を楽しませてくれよ!」
 カルスノウトで下から斜め上への切り上げを横八の字に繰り返し、理の布都御魂剣を弾いてしまおうとする和美。
「膂力に差があるなら受けるべきではないよ!」
「もとより、受け入れるつもりはないよ。僕はあらかじめ、かわすだけ」
 すっと身体を流すと、次々と和美の攻撃を避ける理。
「受けたり流したり避けたりし続けるのも、いつまでできるかな!?」
 和美はそういうと、切り上げから上段の構えに移り真っ直ぐ打ち下ろすが理もそれを布都御魂剣を真横にして、がっと受けとめるふりをして、てこの原理で受け流すと、和美はわざと隙を作って、打ち込ませ、カウンターを誘う。
「わざと隙を作りましたね、乗りましょう!」
 理はそういうと、布都御魂剣を打ち込むと、和美は
「そこだ!」
 とカルスノウトで布都御魂剣をはね除けてしまう。
「一本! 遠山!」
「遠山さんなら安心だ…赫夜さんをとられることもあるまい」
 理はそう呟くがそれを理解したのは和美本人だけであった。

 ジャンヌ・ダルク(じゃんぬ・だるく)はご機嫌斜めだった。
「ちゃらちゃらした理が気にくわない! よし、霜月、アイアン! あの独りよがりで気分の悪いチャラ男をやっつけてください! あんなの赫夜さんに会わせたくありません」
「そんなことを言うものではありませんよ」
 霜月がたしなめる。
 アイアン・ナイフィード(あいあん・ないふぃーど)
「よくわからねえが、セイジョサマの言う弓削を倒せばいいんだな? 試合をしている最中に弓削って呼ばれてた、あのイケメン野郎か。」
 理に斬りかかるが、バラの花と香りで目くらましをする理のバラ攻撃にやられてしまう。「うわ!」
「闇雲にかかってきてはダメだよ。悪魔くん」