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危険な香りを退け、汚部屋住人を救出しろ!

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危険な香りを退け、汚部屋住人を救出しろ!

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 広間の掃除組が掃除を終え、外に出て来た。

「ほら君達、太陽だ」
 エースは優しく抱えてた鉢植えを地面に置いて話しかけた。
 数回往復して全ての鉢植えを外に出した。
「……すごいな、住人は救出したっていうのに。まだ終わりそうにないか」
 恭也はすれ違うブリジットに声をかけた。広間組がオルナ救出を知ったのは、外に出てからだった。
「……当分、無理でしょう。しかしこの人数ですからすぐに終わるはずです」
 ブリジットは周囲の様子を確認してから答えた。
「大変だな。手伝うぜ」
 恭也はブリジットの手にあるごみ袋にも気付いた。
「では、お願いします。ところであの植物は……」
 ブリジットはそう言い、植物に気付いた。
「この子達は俺が引き取る子達だ。決していじめないでおくれよ」
 エースは花から顔を上げ、ブリジットに答えた。
「分かりました」
 そう言い、ブリジットはごみ袋をコンテナまで運びに行った。
「さてと、俺は向こうを手伝いに行って来る」
 恭也は二人に言ってから甚五郎のいるコンテナに向かった。
「はい。お気を付けて」
 エオリアは頷き、見送った。
「エースはどうしますか?」
 返事の答えは知っているがエオリアは一応エースに訊ねてみる。
「俺はこの子達の世話をするよ。栄養剤ばかりだったこの子達に水でもあげようかと」
 エオリアの予想通りの答え。
「では水を貰って来ますね」
 エオリアはそう言って水を取りに行った。ついでに他の場所の様子を確認するつもりだ。
「あぁ」
 その間、エースは雑草を抜いたり、土の状態を確認していた。

「……俺も手伝うぜ」
 コンテナに到着した恭也は、分別をしている甚五郎に声をかけた。
「そうか。そこのごみを分別してくれ」
 甚五郎は分別待ちのごみ袋を示した。
「おう。何だよ、これ。ごちゃ混ぜに入れ過ぎだろ」
 開けてびっくり。何もかもごちゃ混ぜ。オルナが放置したごみだ。
「……甚五郎、また殺虫剤を使い切りました」
 ホリイがやって来て両手に持っているごみ袋を甚五郎に渡しながら青い顔で言った。
「そうか」
 ごみ袋を受け取りながら殺虫剤を二本渡した。
「もう二本追加お願いします」
 ホリイは指を二本立てた。
「四本で大丈夫か? ホリイ」
 四本目を渡した甚五郎はホリイを気遣った。
「……大丈夫です」
 心配させないように笑顔で言った。少しだけ力が無いが。
「そんなにアイツがいるのか?」
 恭也がホリイに訊ねた。殺虫剤を向ける相手で一番に思いつくのは黒光りのアイツだけ。
「いますよ。あちこちに。それでは」
 ホリイはぶるりと肩を震わせながら答えて再び城に戻った。想像するだけでも恐怖だ。
「頑張れよ」
 恭也は励ましの言葉でホリイを見送った。
 それから自分もごみ分別に参加した。

 その頃、水を取りにエオリアは洗濯係がいる場所にやって来た。
「植物用の水を貰えませんか?」
 洗濯をしているアメリに訊ねた。
「いいよ」
 アメリはそう答える間も一生懸命洗濯している。
「ありがとうございます。後でお手伝いしますね」
 水を手に入れたエオリアは大量の汚れ物に気付き、手助けを約束して行った。
「……ありがとう」
 アメリはエオリアに礼を言い、見送った。

「エース、水を持って来ましたよ」
 エオリアは戻るなり水をエースに手渡した。
「ありがとう。ほら、美味しい水だ」
 エースは受け取るなり、植物に喉を潤させた。おそらく久しぶりの水のはず。
「僕は洗濯のお手伝いに行って来ますね」
「あぁ」
 エオリアはエースをそのままにして洗濯係の手伝いに行った。