リアクション
エピローグ
薄暗いコックピットはまるで玄白を迎え入れるように明るくなり、生き物の様に小さく振動を始める。
「うん、問題なく動けそうだ」
玄白は巨大兵器の稼働の有無を確認するとコックピット席にもたれかかる。
「さてと……逃げるにしてもこんなでかい乗り物に乗っていたらいずれ捕まってしまう。かと言って地上に出た瞬間に逃げても意味がない。……そうだ……」
玄白はニヤリと口角を上げると、操縦席の前に備えつけられていたコントロールパネルに手を触れる。
「自動操縦モードに移行して……向かう先はコンロンに設定して……ふふ、これだけ巨大な物がコンロンに向かえば僕一人くらいならコッソリ逃げられるだろう……逃げおおせたら次こそは人の主になれるだけの人物をもう一度捜すことにしよう」
呟きながら玄白は巨大兵器を起動させる。
その瞬間、
「グウウウウゥゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォッッッ!!!!」
まるで獣の遠吠えか落雷のような爆音が地下に轟き、地下天井から土埃が舞う。その姿を見て、玄白を庇っていた女性たちも恐怖から一斉に逃げ出しエヴァルトたちも地上へこのことを伝えようと脱出を図る。
そんな姿を見下ろしながら、玄白は巨大兵器が自動操縦モードへ移行するのを待っていた。
「凄い音だ……まるで雷のような……そういえば、まだ君に名前を付けていなかったね。そうだなぁ……さっきの鳴き声になぞらえて……迅雷と呼ぶことにしよう」
「……」
「それじゃあ、迅雷。まずは外に出るとしようか短い付き合いになりそうだが。よろしく頼むよ」
「グゥゥッゥウゥウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
迅雷は再び叫ぶような鳴き声を上げると、瞳に光りを宿した。
──了──
こんにちは、本シナリオを担当させていただいた西里田篤史というものです。
今回のシナリオに参加してくれた方々にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。
いよいよロボットまで動き出して次回でおそらく最終回となると思います。それがどういう結末で終わるのかはリアクション次第なところがございますが、ハッピーエンドで終われることを祈っております。
それでは、失礼致します。