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最強アイドルへの道

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最強アイドルへの道
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リアクション

『エントリーナンバー20。ネットアイドルとして活躍中のバーチャルアイドロイド海音☆シャナが、今日はユニットとしてデビューします! ロシア語で人魚姫の意を持ちます……ルサールチュカ!!』
 蒼いウィッグに翠のカラーコンタクトを着用した富永 佐那(とみなが・さな)、海音☆シャナがステージに現れる。
「シャナああああああああ!!!!」
 観客たちの叫び声を聞きながら、ソフィア・ヴァトゥーツィナ(そふぃあ・う゛ぁとぅーつぃな)がピアノのイスに座った。
 ソフィアは翠のウィッグに蒼いカラーコンタクトという格好で、ちょうど佐那の逆となっている。
「それでは、聞いて下さい☆ 『あおいろアクアマリン☆』」
 佐那の声とともに、照明が落とされた。ピアノパートを織り交ぜた可愛さの中に優しさのある曲が流れ始める。
 天井から、ワイヤーで吊られた佐那が登場する。今は先ほどまで着ていた衣装の上に、上半身には左右分割方式の肌色のボディースーツ、下半身には人魚の足ひれを模った物を履いている。
 風術で起こした風が衣装を揺らし、優雅に水中を舞っているように見える。
 佐那はピアノを弾くソフィアの元へと舞い降り、手を差し伸べた。
 ソフィアの手を取ると同時に、佐那は人魚姫の衣装を素早く脱ぎ捨てた。ソフィアとお揃いのステージ衣装姿になった佐那は、ソフィアと共に歌い始めた。
 この曲は、佐那がソフィアのピアノが得意なソフィアの為に作った曲だ。
 佐那が、ソフィアをデビューさせるために作った歌。だからこそ、お互いの想いが込められた歌でもある。
 ソフィアは、佐那のためにがんばろうとし、佐那はソフィアをサポートし……そんな気持ちが、観客にも感じられた

 歌い終えた佐那にリードされながら、ソフィアはステージの前の方へと向かった。
「みなさーん!☆ 今日は、シャナの新しいパートナーを紹介しますね☆ 霙音☆サフィちゃんです!☆」
「はじめましてーっ☆ 霙音☆サフィです!☆ よろしくねーっ!☆」
 観客の声援を浴びながら、佐那とソフィアは満ち足りた表情をしていた。
 最高の演技で、最高のアイドルデビューができたようだった。

♪ ♪ ♪


『以上20組、全てのアイドルたちのパフォーマンスが終了致しました!!』
 長時間に渡るアピールが終了した。だが、未だ観客の熱は冷めやらない。
『ただいまより、審査を行います。皆様、今しばらくお待ち下さいませ』
 出演者たちは不安と期待を胸に、それぞれの控え室へと戻ったのだった。