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【ダークサイズ】灼熱の地下迷宮

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【ダークサイズ】灼熱の地下迷宮

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「まったく……どうしてくれるのだ。先への道はもちろんだが、マグマイレイザーが埋まってしまったぞ。ひいてはリニアの部品まで……」

 さすがにダイソウも、この件はナコトの暴走を叱らざるを得ない。
 契約者として責任を問いたいところだが、アルコリアは素知らぬ顔で口笛を吹いている。
 生駒はマグマイレイザーが埋まる岩の山を見て、

「ワタシ、何しに来たんだろう……」

 と呟いているし、

「私、何しに来たんだろう……」

 と、イリスも同じことをつぶやくのを、クラウンと白夜に慰めてもらっている。
 アレクセイも同じようにそれを眺め、

「おい……これ、発掘がまた大変じゃねーか……」
「あはは……がんばって掘り出さないと、ですね……」

 優希は笑いながらも汗が止まらない。

「よ、よし。ではみんなで、拠点とリニアの名前を考えようかの……何事も形から入るのも大事じゃ。な、な?」

 と、ジョージも落ち込む皆に気を使う始末。
 ダイソウはついにため息をつき、

「皆の者、リニア完成は……次回持ち越しだ……」
『うん……はい……』

 と、皆で一緒に肩を落とした。



☆★☆★☆



 一方、そんなこととはつゆ知らず、遺跡の拠点作成チーム。

「なかなかいい感じで進んだんじゃない?」
「この人数で廃墟がここまで復旧できたんだから、上出来でしょう」

 などと、皆安心して一息ついている。
 早く『亀川』に帰って来てもらって、ゆっくり涼みたいところだ。
 力仕事で貢献してくれたクマチャンも労ってあげたいところだが、いつの頃からかその姿が見えなくなっていた。
 手分けして探し歩いた所、クマード・スーツの提供者である綾香が、ようやくクマチャンを見つける。

「おお、ここにおったのか。皆喜んでおったぞ。私のクマード・スーツに感謝するがよい」

 と、声をかけるが、クマード・スーツからは、

ぐるるるるる……

 という獣のようなうめき声と共に、全身のスーツの隙間からとめどなく黒い霧が流れ出ている。
 綾香は戸惑うような思い当たる節があるような複雑な顔をして、

「クマ……チャン……?」

 と、かろうじてつぶやいた。





つづく




担当マスターより

▼担当マスター

大熊 誠一郎

▼マスターコメント

最後までありがとうございました、大熊誠一郎です。
大変お待たせいたしました。

ダークサイズニルヴァーナ篇、第二回はいかがでしたでしょうか。
今回でリニアモーターカーが出来上がり、ダークサイズのさらなる躍進……のはずが、予想外の未完成となってしまいました。
さらに、クマチャンからは嫌な予感が漂い始めています。
他の地域へ続くはずのフレイムタンも、落盤事故が起き、開通せねばなりません。

リニアモーターカーは出来上がるのか?
ダークサイズはニルヴァーナの交通を押さえることができるのか?
クマチャンはどんなトラブルを巻き起こすのか?

次回はその辺のお話を繰り広げ、ニルヴァーナの他地域の支配に向けて、動き出したいものです。

それでは、またお会いしましょう。
ジークダークサイズ