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リアクション
■予選 蒼空学園 1
「蒼空学園、第三代校長兼理事長として、
ここに、蒼空学園の予選バトルロイヤルの開会を宣言する!
最強を目指し、存分に戦え!」
【蒼空学園第三代校長兼理事長】馬場 正子(ばんば・しょうこ)の、
開会宣言が響き渡り、
校庭に用意された円形闘技場に集った契約者の戦いが始まった。
直径20メートルの闘技場には多くの契約者が集まっており、
人数が多いだけに、激戦が予想された。
「飛ぶわよ、ネーベル!」
リネン・エルフト(りねん・えるふと)は、
開幕と同時に、ペガサス“ネーベルグランツ”に跨り、上空へと飛翔した。
高速で飛行できることを利用し、
隙を狙って攻撃を仕掛けようというのである。
他方、
天城 一輝(あまぎ・いっき)は、
あえて、円形闘技場の端に位置どる。
パートナーのコレット・パームラズ(これっと・ぱーむらず)は、
御託宣により、
対戦相手のデータを調べて、
一輝に伝えていたのである。
そこから考え出された作戦であった。
(頑張ってね、一輝。
もしもの時には、あたしがサポートするから!)
コレットが、応援席で、パートナーの勝利を祈る。
また、一輝は、
クイーン・ヴァンガードとしての誇りから、
ヴァンガード強化スーツやヴァンガードエンブレム、
銃型HCといった、
当時の装備で、戦いに参加している。
「ククク、余の名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスの大首領、
魔王クロノス!
この大会は、この余が勝利させてもらおう!」
魔鎧のアルテミス・カリスト(あるてみす・かりすと)と、
聖剣勇者 カリバーン(せいけんゆうしゃ・かりばーん)を装備した、
ドクター・ハデス(どくたー・はです)は、
「魔王クロノス」を名乗り、予選に参加していた。
アルテミスの魔鎧はフルフェイス型の全身鎧のため、
ハデスの顔は隠されている。
さらに潜在解放で自分を強化しており、普段よりパワーアップしていた。
「ゆけ! 我が部下たちよ!」
オリュンポス特戦隊を率いて、クロノスは最初から全力で敵を攻撃しようとする。
正義の味方らしい格好をしていたため、
一輝は、クロノスの部下たちに襲われる。
「それが油断だ」
しかし、スプレーショットでペイント弾を放ち、
一輝が目くらましをする。
迷彩塗装の効果もあり、姿を消した一輝を、
特戦隊が探そうとする間に、
とどめの一撃を叩き込む。
「コレットの『御託宣』が教えてくれたんだ。
ソルジャーの能力で言えば、俺が一番強いはずだと……」
ゴム弾だが、衝撃で吹っ飛ばされるオリュンポス特戦隊は、
まとめてリングアウトさせられてしまう。
「見たか。これが、クイーン・ヴァンガードの力だ。
悪の戦闘員など、まとめて相手してやる」
「むむ、敵ながらなかなかやるな。
では、余が自ら、悪の鉄槌を下してやろう!」
クロノスが、カリバーンを構える。
「了解した! 魔王クロノス、俺を使え!」
クロノスがカリバーンを投擲する。
「行くぞ、必殺、カリバーン・スラッシュ!」
カリバーンが巨大化カプセルの効果で、
空中で巨大化していく。
「な……!?
剣が巨大化だと……!?」
まさかの捨て身の攻撃で、一輝はカリバーンと同時にリングアウトしてしまう。
「くっ……。
まさか、パートナーを犠牲にして、リングアウトを狙うなんて……!」
「後は任せたぞ、魔王クロノス!」
「よくやった、カリバーン!」
クロノスが叫ぶのと同時に。
「空賊らしくやらせてもらうわ!
隙だらけよ!」
そこに、空中から、リネンが攻撃を仕掛ける。
「うおおおおおおおっ!?」
予想外の方向からの全力攻撃を喰らい、大ダメージを受けるクロノスだが。
空中で、ナノマシン拡散状態となっていた、
ハデスの 発明品(はですの・はつめいひん)が、
クロノスの周りを取り囲む。
ユニオンリングにより、両者は合体する。
「これぞ、余の真の姿、ネオ・クロノスだ!」
サイボーグのような姿に変身したことに、
リネンは眉を寄せるが。
「義賊として悪の組織には負けられないわ!」
それでも、スカイレイダーの機動力を活かし、クロノスに猛攻を仕掛ける。
「ぬううっ!」
「さあ、観念しなさい!」
クロノスが多数の機械のアームで攻撃をしようとするも、
空中を高速で移動するリネンには当たらない。
そのまま、クロノスはリングアウトさせられていた。
「くっ、やはりスピードタイプの敵には分が悪いな!
しかし、次に相対するときは、余の勝利だ!」
そう、捨て台詞を言うクロノスだが。
「……あなた、ハデスよね」
「違う、余は魔王クロノスだ!」
リネンのツッコミに、クロノスが平然として答える。
「ククク、余の正体が気になるようだな!
だが、余は秘密結社オリュンポスの大首領、そう簡単に人前に現れることはない。
今日は、世界征服の前哨戦として、楽しませてもらったぞ!」
「……いえ、皆、正体、わかってると思うけど……」
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