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【ざんすか内乱】ざんすかの森、つぁんだの町【第1話/全3話】

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【ざんすか内乱】ざんすかの森、つぁんだの町【第1話/全3話】
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 第5章 「はあ、つぁんださんは自分が一番弱いと認めるのですね」

■□■1■□■「外見がじじぃだろうと美少女だろうと構わぬわい! 大切なのは知識、であーる!」

 かくして、つぁんだ軍とざんすか軍の戦いは、
 ざんすか軍の勝利が確定した。

 しかし、これで終わりではなかったのである。

 狼の毛皮を頭からかぶり、左目を布で隠した、
 シャーマンのような姿の14歳くらいの少女が、杖をぶんぶん振り回しながら現れた。
 「我の領域で戦をするとは何事か! いい度胸である!
  きまくとひらにぃに滅ぼされるがよいのだよ!」
 「げっ、ユーはしゃんばらだいこうや!!
  なんできまくとひらにぃを連れてるざんす!?」

 無表情で、無機質なデザインの銀色の服に身をつつんだ、
 12歳くらいの少女、ひらにぃに、青 野武(せい・やぶ)が近づく。
 「教導団員ならば、ひらにぃを応援するのが当然であろう、ぬぉわはははは!
  外見がじじぃだろうと美少女だろうと構わぬわい!
  大切なのは知識、であーる!
  ……おや? その、手に持っているのはなにかね?」
 「ドリル、スキ、コロス」
 ひらにぃが、巨大なドリルの柄の部分の横に突き出ている、ハンドルをぐるぐる回してみせる。
 青のパートナーの英霊シラノ・ド・ベルジュラック(しらの・どべるじゅらっく)も、
 瞳を輝かせてつぁんだに言う。
 「つぁんだは置いておきましてですね。
  以前教導団では発掘兵器応用型の対ドージェ用都市間弾道弾というのを使ったことがあるのですが、
  見事に失敗しました。
  だがしかし!
  空間飛行への夢は一発や二発の失敗で消えてしまうものではありません!
  きっとひらにぃ様なら弾道弾やら各種発掘兵器についてご存じでありましょう」
 「ほほう、手動ドリルとは、また興味深い。
  古王国時代からの生き残りであられるからには、さぞやさぞや智慧をお持ちであろうのぉ。
  ぜひ教えを請いたいわい。
  さあ、「超電磁機晶レールキャノン」とか
  「テレポート型機晶ミサイル」とかとか、
  他にも数々の古王国超絶兵器をご持参なされているのであろう。
  さあ、我輩にご教授めされよ!」
 「是非是非教えを請いたいものです」
 「ドリル、スキ、オマエ、コロス」
 「ぬぉわああああああああああああ!?」
 「ぎゃあああああああああああああ!?」
 「お父さん、ひらにぃさんは、
  『ひらにぃはドリルが大好きなのっ!
   他の兵器のことなんか興味ないんだからっ!
   ていうか、ひらにぃ地祇だから、
   ヒラニプラに住んでる奴らの細かな知識なんかいちいち把握してないし!
   重要なことは覚えてるけど、あいつら、世代交代激しいんだもん!
   ザンスカールのじーさんが、
   ザンスカール・ヴァルキリーの文化詳しいわけじゃないのとおんなじじゃない!
   しつれいしちゃうっ!
   もう、おばかなんだからっ!』
  って言っているようですよ」
 青のパートナーの機晶姫青 ノニ・十八号(せい・のにじゅうはちごう)が、
 なぜかひらにぃの言葉を理解して、解説する。
 しかし、青も、シラノも、ドリル攻撃にあい、ぶっ飛ばされていた。

 同じく青のパートナーの守護天使黒 金烏(こく・きんう)は、
 キマク近郊の農民風の格好をした、
 11歳くらいの少女、きまくに近づいていた。
 「つぁんだは置いておきまして。
  無論ひらにぃを応援するのが当然でありますが、
  じつは、きまくの方に興味がありますな。
  いまやキマクと言えばパラ実、パラ実と言えば改造科。
  人体、といいますか、知的生命体全般の肉体について、
  相当な知識をお持ちと期待します。
  肉体強化にああしたりこうしたりといったことを当然ご存知でありましょう」
 「アア!?
  ンダコラてめーはあ!?
  ブッ殺すぞ!!」
 きまくは、血走った目で、右手にナタ、左手にカマを持って振り回していた。
 「いやいや、
  自分はあくまで医学技術の向上のために知識を求めているだけでして……
  うぎゃあああああああ!?」
 「ギャーハハハハハハハハ!!
  切り刻んでやんよ!!」
 きまくは、金烏の説明したことと同じかそれ以上の残虐さで、金烏を攻撃した。

 「やあ。十八号くんですよ。
  おや?
  そこでいじいじしているのは、だれでしゃう。
  ……あなたがつぁんださんですか。
  いえ、僕は蒼学生ではありませんよ。
  だから『蒼学生にまで背かれた』なんていじけないで下さいね」
 「たしかに影野 陽太(かげの・ようた)の言ってた味方の人数勝負的に、
  圧倒的に敗北したけど、いじけてるんじゃないよ!
  腰が抜けて動けないんだよっ!!
  君、今の見てただろ!?
  僕がざんすかを倒すのにきまくとひらにぃを利用した理由を考えろよ!
  きまくもひらにぃも、単体でもざんすかより強いんだぞ!」
 「はあ、つぁんださんは自分が一番弱いと認めるのですね」
 わめくつぁんだであったが、十八号には通じない。
 「わーん、右ストレートしてやる!」
 「あー、パーツとか外れちゃいますよー」