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伝説の教師の新伝説~ 風雲・パラ実協奏曲【3/3】 ~

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伝説の教師の新伝説~ 風雲・パラ実協奏曲【3/3】 ~

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 ちょうどその頃。
 この極西分校を強力なルールで統治する決闘委員会。委員長である赤木桃子は、いつものように掃除道具を手に、一人で細々と校内を掃除して回っていた。
 誰に言われたわけでもなく、決められた役柄でもない。だが、誰にも注目されにくく校内をくまなく見て回るにはちょうどよい手段だった。分校では、美化委員などまともに機能していなく、掃除当番もない。そもそも多くのモヒカンたちが校内を清潔に保とうなどとは考えていない。勝手気ままに暮らし、このまま朽ち果てるのを放置してあるだけだ。校内を片付ける者がいないので、とりあえず掃除しているのが彼女の日課になっていたのだ。
 ほとんどの分校生たちに無視されながら寂しく掃除している白ワッペンの女子生徒を、誰が分校の支配者だと思うだろう。気づかれずに姿をくらますのにもちょうどよかった。
 しばらくの間、委員長としての仕事は頼りになる助っ人に任せてあるため、決闘のスケジュールに時間を割く必要もなく、部下のお面モヒカンたちが頻繁に報告にやってくることもない。他人に干渉されることもない一人ぼっちの学校生活はなんと落ち着くことだろう。孤独は慣れると快適なのだ。彼女もまた、他人との深い関わり合いがあまり好きではなかったのだ。後は、ごくまれに飛んでくる火の粉をこっそり振り払えばいいだけのこと。先日の格闘大会の時には体調を崩しており、見知らぬサルに襲われたりしたが、今では回復しており元気いっぱいだ。
 分校が綺麗になるのは気持ちがいい。
 元々、身寄りのない貧しいメイドとしてパラミタに流れ着いた桃子は、掃除が好きなのだ。汚物モヒカンたちを消毒するのに躊躇いはなかった。
 ふと、あの頃を思い出す。彼女をこの地に連れてきたパートナーと息が合わず別れた後は、荒野を当てもなくさ迷い、パラ実生の例に漏れずモヒカンや不良ヤンキーたちと死闘を繰り返した。騙し騙され散々酷い目に遭って、知人は一人もいなくなった。もう売るものは自分の身体しかないくらい無一文になり、最後の一枚のコインを握り締めてふらりと入った恐ろしげな闇賭博場が彼女の運命を変えたのだ。
 それからの数年は誰にも語れまい。
 弱肉強食のパラ実で、ありとあらゆる手段を使って生き残り、多くの屍を築き上げてここまできた。全てと引き換えに、彼女は使い切れないほどの財産を蓄えるにいたったのだった。
 黒い経歴に後悔もないし償うつもりもないが、せめて何も聞かずに受け入れてくれたこの分校だけはまともな形で残しておきたい、と桃子は心から思っていた。
 だから、このままでいいのだ。誰に知られることもなく、たった一人で分校を影から支えていく。
 はずだったのだが。
「赤木さん。一緒に新しい校長先生のお話を聞きに行きましょう」
 桃子の居場所を突き止めて様子を見に来たのは、先日の防災訓練の際に一緒にカードゲームをプレイしてしまったユリというクラスメイトの女子生徒だった。
「私はただ今留守にしておりますので、メッセージだけ残しておいてください。返信はしません」
 桃子は回れ右した。
 ちょっと心身が弱っていた時とはいえ、彼女らと一緒に遊んだのは不覚の極みだった。これまでは、決してそんな行動はしなかったのだが、何の心境の変化だろうか。
 あの日以来、ユリは折を見つけては桃子に絡んでくる。交友関係を深めるつもりのない桃子はかなり強い口調で何度となく拒んだのだが、効果はなかった。
 幸い、ユリは、まだ桃子が決闘委員会の委員長であることに気づいておらず、強硬手段を使うつもりはなかった。頼むから、それだけはさせないでほしいと思ってしまう。かつての桃子なら、邪魔な相手は人知れず葬っていたかもしれないが、今では一応更正して普通の女子生徒なのだ。
 さらに面倒なことに、ユリはドジで頼りなさそうな外見とは裏腹に、妙に勘がよかった。
 あまりにも一人ぼっちをこじらせすぎて存在を認識されにくくなった桃子の居場所を見つけてしまうのだった。
「ああ、待ってください。どうして逃げるんですか」
「何度も言わせないでください。私は誰ともお友達になるつもりはありませんので、他を当たってください」
 桃子が足早に立ち去ろうとすると、ユリは追いかけてきた。背後から呼びかけてくるが無視だ、無視。そのうち諦めて呆れて帰っていくだろう。
 さて、どうするか? 桃子は人目を避けながら今後の行動を考える。
 シリウスが桃子を探していたことは知っていた。再度のお礼を兼ねて会ってもよかったのだが、人間としての生き方の方向性が違うような気がしていた。桃子は、シリウスたちとはさしあたり敵対するつもりはなかったが、仲良く交流する姿もあまり想像がつかない。シリウスが陽なら桃子は陰。性格も価値観も違う。お互い関わらないのが望ましく思えたのだ。
 分校の責任者はロボット分校長ということでごまかしてあったのだが、製作者のメル・メルは秘書としてシリウスの手伝いをすることになったようだ。
 メル・メルは、変な名前と陰気な言動で誤解されがちだが、分校では希少価値の高い優秀な人材なのだ。桃子はメルに対しては遠隔操作(?)で手下のならず者たちを使って少々脅しを、時には身の安全や資金を提供し、飴と鞭を使い分けてソフトに拘束してあったのだが、案の定上手く逃げられてしまった。まあ、無理もない。ちょっとこき使いすぎたかもしれない。メルの協力がなくても支障はないが、今度は力のある校長の庇護の下反撃してくるかもしれないので、そちらにも警戒しておかなければならない。一応なじみの工作員を使ってメルは裏社会のスパイだとデマを流しておこう。校長がメルを解任してくれたら分校の事務処理業務が停滞する。それ以上の手荒なまねをするつもりはないが。
 表向きは歓迎を評してお面モヒカンたちを挨拶に送っておいたし、しばらく様子見するか、と桃子は思った。彼女の領域に踏み込んでこないなら、あえて自分から直接近づく理由もない。
「!?」
 悪い顔で思索にふけっていた桃子は、不意に殺気を感じて振り返っていた。パラ実生特有の直感が、敵がいることを告げていた。明らかに彼女を狙う数人の影が迫っている。まあよくあることなので軽く消えてもらうところまでは規定路線だ。
 桃子は間髪を要れずに身を翻し、敵がいる方へと飛んでいた。
「え?」
 突然の桃子の反応に、まだしぶとく追いかけてきていたユリが目を丸くする。そのすぐ背後まで、武器を装備したモヒカンが三人ほど音もなく忍び寄ってきていた。彼らは、桃子が一瞬で間合いをつめてくるのを見て身構える。
「ヒャッハー! バレちゃしょうがねぇ。やっちまえ!」
「ごめんね」
 桃子は、脇を通り過ぎざまユリの首筋に手刀を素早く叩き込んだ。戦闘の足手まといになられては困る。親しく接するつもりはないが、自分の凶悪な本性を見られたくない、とも思った。怖がらせて印象に残すよりも、自然消滅の形でユリの記憶からフェードアウトしていたい。
「はうっ?」
 ユリが気を失いその場に崩れ落ちるところを片手で抱き止めてから、桃子はもう片方の手で問答無用でスキルを放った。
「決闘委員会が来る前に片付けますから無問題ですね。といいますか、まあ私が委員会ですので」
 その言葉が終わるより先に、【魔闘撃】の暗黒魔力が謎のモヒカン襲撃者たちを一瞬で叩きのめしていた。この辺、戦闘描写すらいらない。
「念のため、私に何の御用かお聞きしておきましょうか。あなたが喋ってくれないと、知人や兄弟などまで探し出して荒野に埋めますよ?」
 いや、喋っても埋めるのだが。桃子は、スキル攻撃を食らっても辛うじて生き残っているモヒカンの一人をつかみ上げた。一撃で死ななかったとはなかなかの戦闘力だ。ただ女の子を襲いたいだけの輩とは違い、明らかに殺傷目的で襲撃してきたのはわかっている。これもまあ、日常茶飯事だ。
「クソが」
 モヒカンは、瀕死寸前ながらもニヤリと不敵な笑みを浮かべた。何も喋るつもりはないらしい。
「!」
 桃子は、次の瞬間そのモヒカンを力の限り遠くへ投げ飛ばしていた。敵が自爆するのを察したからだ。
「畜生ーーー!」
 ドドーーン!
 至近距離で自爆し爆発に巻き込む計画を失敗したモヒカンは無念の声を上げながら、空中で爆散した。定石どおり奥歯に自爆装置の起爆スイッチを仕込んであったようだった。最初から死ぬことを前提とした襲撃に敵の恨みの深さと執念を感じる。
 なんとか未然に防げて良かった、と桃子は少しほっとした。自分一人なら仕込み爆弾のダメージくらいどうということはないが、ユリまで巻き込んでしまうのは気が引ける。彼女には、何も知らずに平穏な学校生活を送ってほしかった。
(また手配書でも出回っているのでしょうか? 最近は大人しくしているんですけど、懸賞金が掛かっていても不思議ではありませんね)
 狙われる心当たりがありすぎて困る。
 身バレして噂が広がるとさらにややこしいことになるだろう。決闘委員会の委員長をやっていた、というだけで、委員会に不満や良い印象を持っていない生徒たちが押し寄せてくる。そうなると、名乗りを上げて表に出て戦うか分校を去るかの二択になってしまう可能性が高い。自ら力を示してもいいのだが、顔出しするようになるとまた元の悪党に戻り闘争ばかりの学校生活になってしまうような気がしていた。だから、身を隠し工作も彼女なりに控えめに抑えてあるのだ。
 桃子は、意識のないユリを抱きかかえたまま保健室へと向かった。この分校にだって、一応細々とだが救助活動をしている保健室もあるのだ。モヒカンたちの襲撃を耐えてきただけあってちょっと恐ろしげな保健の先生がいたりするが、ちょっと桃子のことに関して記憶喪失になってもらうだけだ。
 と。
「相変わらず、裏では派手にやっているようですね。ですが、そんな生活は長くは続きませんよ」
 せっかく気を使ってくれるクラスメイトも出来たのに、いつまで一人でその身を隠しているつもりなのか……?
 果たして……。保健室の前では、決闘委員会の委員長代行としてお面モヒカンたちを従えた御神楽 舞花(みかぐら・まいか)が待ち構えていた。彼女は、縁あって桃子と知り合い、防災訓練の時から桃子に代わって委員会を指揮しているのだった。任された仕事は完璧に成し遂げる、をモットーとする舞花は支障をきたすことなく分校内の秩序を守っていた。委員会の全貌も把握し、お面モヒカンたちも彼女の号令で一糸乱れることなく任務に従事している。誰でもできることではあるまい。生まれた時から巨大財閥の次期当主候補として修羅場を潜り抜けてきた経験からなせるわざだ。魑魅魍魎の蠢く財界で生き残る難しさは、舞花の生まれた500年後も今と変わらない。半ば暴力組織とはいえ、分校内の委員会をまとめることすらできないようなら、現世に修行に来た意味がないのだ。
 人の上に立つ、という資質では舞花は桃子よりも優れているのだった。
「桃子さん、もしあなたが望むのでしたらもうしばらくの間、私が委員会を預かっておきます。ただ、私個人として助言させてもらうのならば、組織も学校も自分一人の意志で動いているのではない、ということを自覚しておいたほうがいいと思いますよ」
 舞花は、一人の知人として本心を告げた。
「助けが必要なときには、遠慮せずに『助けて』と言ってください。あなた、現在良からぬ状況に置かれていますよ。すでにわかってるんでしょう? そして、それを見過ごすほど私は、いいえ、私たちは、薄情ではありません。桃子さんは、心の奥底では決闘委員会からも足を洗いたいと考えているんじゃないですか?」
 舞花は思うところを口にした。
 あの時、どうして桃子は舞花に委員会を任せるつもりになったのか。苦労して手に入れ、手塩にかけて育てた組織なのに。ただ単に体調が悪かったからだけではあるまい。彼女は、一人気張りながらも、もう疲れていたのだ。
 舞花の掴んだところによると、決闘委員会はほとんど桃子の個人資産で運営されていた。かつて裏の世界の住人として築き上げた黒い資産。桃子は、それを委員会の活動のため、また分校の発展のために惜しげなくつぎ込んでいた。ワッペンもモヒカン装備も、全て桃子がお金を出した。モヒカンたちが破壊した校舎を復旧し、掃除して工業科の生徒に校長ロボも造らせていた。委員会メンバーにささやかな謝礼も手渡している。対して、桃子はほとんどの報酬を受け取っていない。委員会では財産を巻き上げて没収もしないし着服もしていない。良し悪しは別として、近いうちに彼女の蓄えた資産が枯渇する時が来るのは明らかだった。
 私財を投じて分校を再建する。その志は買おう。でも、お金の使い方は上手いとは言えない、と舞花は苦笑した。
「過去と現在の怪しい経歴と言動がどうあれ、今のあなたがクリーンなのは理解しました。しかし、決闘委員会を続けたければ、財源の心配をしたほうがいいのではないでしょうか」
「相変わらず、言いたいことを言う人ですね」
 桃子は、自分がとっさに気絶させたユリに視線をやりながら言った。話をするなら、場所を変えましょう、と彼女は眼で訴えかける。
ユリは桃子が活動していく上で邪魔な存在だ。だが、出来るなら守ってあげたいという気持ちも芽生えていた。正体を話して決闘委員会に引き入れるつもりも友達になるつもりもないが、あまり傷つけたくない。立ち話も聞かれたくなかった。彼女のような普通の女子生徒が安心して学校生活を送ることができるように、桃子は決闘委員会を作ったのだ。
「この子を保健室に預けてきます。続きの話はそれからでいいですよね?」
 桃子は聞いた。
「特命教師たちがこの分校に持ち込んだ研究費を没収しましょう。それを決闘委員会の運営資金に充てます。いいですね?」
 舞花は、敢えて場所も変えずに桃子の話を聞かずに言った。
 秘密の話をユリに聞かれてもさほど悪い事態にはならないだろうと思った。舞花が先日ブラックジャックで見かけた限りでは、彼女は桃子が何者であろうとも対応を変えることはないだろう。むしろ、桃子を表の世界に帰すきっかけになるかもしれない。
「私が、手持ちの駒と委員会活動を通じてこれまで調べたところによると、特命教師たちが企業から与えられている研究費はかなりの額です。彼らにどんな権限があってのことかは気付かないフリをしておきますが、研究費をロクなことに使っていないようなので私たちが頂いても支障はないでしょう」
 舞花は、冷徹な笑みを浮かべて言った。ちょっと悪っぽい顔をしているのだろうか、と彼女は自覚する。
 普段は温厚で聡明で可愛らしい少女なのだが、舞花とてあの御神楽環菜の血族なのだ。敵を滅ぼすのに知略を張り巡らせることも苦手ではない。敵と定めた相手から経済力を奪うことは、どんな戦いにおいても有効だ。
 呆気にとられる桃子に、舞花は続けた。
「そうでなければ、桃子さん。あなたも、そこのユリさんのように普通の女子生徒として平穏に学校生活を送っていくことだってできるんですよ。組織から抜けることによって、あなたの身辺に危害が加えられることを心配しているのでしたら、将来危機となりそうな敵は今のうちに片づけてしまいましょう。それがベターな事件解決方法じゃないでしょうか」
 舞花が、今ここで桃子に選択を迫っているのには理由があった。進むか退くか……。それを選択できる機会はもう限られている。
 桃子も、普通の女子生徒のように平穏に学校生活を送ることができるようになるのではなかろうか。暴力沙汰を抑える決闘委員会は、彼女がいなくても他に運営手段がいくつもある。この機を逃すと、もう身辺を綺麗にすることはできないだろうと、その言葉にはほのめかされていた。
「私は……。これまで他人をあまり信用したことはありませんし、誰かに頼ったりお願いするのはあまり好きではありません。舞花さんに委員会の運営をお任せしたのは、ほんの気まぐれです」
 桃子は硬質な口調で言って、気を失っているユリを抱えたまま舞花の横を通り過ぎた。
「……」
 舞花は、横目で見送りながら返答の続きを待つ。
 保健室へと入っていった桃子は、室内で誰かとしばし会話を交わしていた。ユリを預けているのだろう。ほどなく部屋から出てきた彼女は改めて舞花と向かい合う。
「ですが、私もパラ実生です。ナメられるのはもっと好きではありません。もし私に挑む者が現れるなら、受けて立ちますよ」
 そういえば、先ほども何者かに攻撃を受けたけど自分は狙われているのだろうか、と彼女は他人事のように言った。襲撃されるのは良くあることなので、深く原因を追究しなかったが、調べたほうがいいのだろうかと考え始めている。
「よくわかりました。あなたはしばらく外を出歩かず、教室の椅子に座っていてください。それが、今あなたのすべき重要な任務です」
 舞花は不安になった。桃子はどこか抜けている。個人としての戦闘能力は高いのだろうが、感受性がずれているのだ。よくこれで悪の世界で生き延び、委員会の長を務めたものだ。お面モヒカンたちが桃子に辛辣なセリフを吐いた気持ちがなんとなくわかったので、彼女も倣っておいた。
「いいですか。後のことは私に任せておいてください。桃子さんは、決闘の邪魔ですから、くれぐれも事件に首を突っ込まないでくださいね。誰かに襲われたら、そ知らぬ顔をして決闘委員会を呼んで仲裁してもらってください。あなたは今、ただの女子生徒なのです」
「……」
 舞花にまで強く注意され、桃子はどんよりと落ち込んだようだった。「どうせ私なんか……」とかぶつぶつ言いながら、とぼとぼと教室へと去っていく。こういうところは、妙に繊細で可愛くていいのだが。
「……話は聞きましたね? 引き続き、校内の調査をお願いします」
 遠ざかっていく桃子を見送った舞花は、背後の影に声をかけた。彼女の専属【情報収集専門員】は、無言で頷くと音もなく姿を消した。桃子が誰に狙われているのか、これから何が起ころうとしているのか、工作員たちなら探り当ててくるだろう。
 後は……。……。
「では、私たちも行きましょうか」
 一応、保健室でユリの容体も確かめた舞花は、他のお面モヒカンたちに合図をして再び校内での任務へと帰って行った。自分が代行をしているうちに、厄介な事件は全て片づけておこう。代行として運営を託された以上、責任を持って万全に応えたい。

 しかし、そんな彼女もまだ予想もしていなかった。
 これから、事態が急転直下することに。