校長室
【蒼フロ2周年記念】ちっぱい教の野望
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●鉄の掟 ちっぱい教には『外見年齢16歳未満の少女は対象にしない』という鉄の掟がある。 これは、あくまでちっぱいな女性を萌えの対象としているからだ。 そのため、豊かなスタイルでありながら狩られる対象から外された幸運な少女達も居る。 イルミンスール魔法学校の今年の新入生アゾートもその1人だ。 しかし、それでは納得がいかない者達も居た。 「アゾート1歳差で対象外かあ……残念だったね歩夢」 「ちっぱい教、許すまじです! アゾートちゃんの魅力に気付かないなんて……失礼にも程があるのですっ!」 白瀬 歩夢(しらせ・あゆむ)は頬を膨らませ、可愛くぷんぷんと怒りながら、楚々としたが意見に似合わず大股で歩いていた。白瀬 みこ(しらせ・みこ)が全然残念そうには思えない笑みを浮かべながら、彼女の後に続く。 歩夢もみこも完璧なちっぱい美少女だが、やはり外見年齢が16歳未満なのでちっぱい教の同志達は群がっては来ない。時々、遠巻きに写真を撮られるくらいだ。 「外見はちょっと幼いかもだけど、本当は胸も十分あって凄く魅力的なアゾートちゃんが対象外なんて……許さないですっ! こうなったら、ちっぱい教の本部に殴り込みを掛けるですっ! 私がアゾートちゃんの魅力をたっぷり3時間掛けて語るのですっ!」 「(それに付き合わされるあたしは勘弁して欲しいんだけど……アゾートのこの話題だけで、歩夢をもう少し弄れそうだね)それなら今から歩夢がアゾートを少し大人にしちゃえばいいんだよ!」 「わ、私がアゾートちゃんを大人に……?」 本当にちっぱい教の本部に乗り込む勢いの歩夢に、みこは思い掛けない言葉を告げる。 歩夢の足がぴたりと止まり、後ろのみこに振り返る。 「そそ。例えば……女の子の胸を大きくする方法って知ってるよね? 歩夢も女の子だもんね? マッサージとか……赤……を作っちゃうとか☆」 「そ、そんなマッサージとか、赤ちゃんとか……はうう」 「……あれれー? 歩夢ってば女の子なのに、何を赤くなってるのかなー? 女の子同士ならマッサージとか平気なはずだし、あたしは赤飯を作るって言ったつもりだけど……赤ちゃんかぁ……凄い想像しちゃったのかなー?」 ニヤニヤと笑い、顔を真っ赤にして頬を押さえ、オロオロする歩夢の反応を楽しむみこ。 小悪魔な確信犯である。 「……えっ、赤……飯……? そ、そうだよね、あはは……」 「フフッ、赤くなる歩夢かーわいい!」 「……ああっ!? 考えてみたら私、一体何を……アゾートちゃんが狙われたらピンチのはずなのに……」 怒りが収まってみれば、アゾートがちっぱい教のきょぬー狩りに狙われる可能性を作ろうとしている事に気付き、歩夢は踵を返して来た道を戻ろうとした。 「Oppai Have a Dream!」 その時、想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)の声が辺りに響き渡る。 歩夢とみこがその方を見ると、右手にエンシャントワンド、左手にブラジャーを掲げた夢悠の姿があった。 「おっぱいには夢がある。誰かを胸に抱きしめる夢が。 皆にもあるだろ。抱きしめられたい、むしゃぶりつきたい夢が。 目覚めろ! 皆の夢は近付く事にある! おっぱいを崇めたり排斥するのは、自分とおっぱいを懸け隔てる事だ。おっぱいを泣かせるな、おっぱいを愛せ! 今はまだ近づけぬなら! 見ろ! オレにはブラジャー(Cカップ)がある! これを愛するアゾートのおっぱいと想い彼女への愛をこめた! おっぱいを愛するものはブラジャーを持て! オレに賛同する者は唱えろ。 Oppai Have a Dream!」 夢悠はきょぬー狩りをしているちっぱい教の同志達にそう呼びかけていた。 しかし、賛同する同志は1人も居ない。ちっぱい教には鉄の掟があるからだ。 「何故だ!? 何故賛同してくれないんだ!? ちっぱいにも愛はある。だが、きょぬーにも愛はあるはずだ! ちっぱいもきょぬーも共存できるおっぱい愛を何故理解してくれないんだ!?」 夢悠のエンシャントワンドから天罰と言う名の【雷術】が迸り、ちっぱい教の同志達や歩夢達に襲い掛かる。 「お前の言う通りだぜ! 無乳な俺に言わせりゃちっぱいもきょぬーもある分だけ羨まし……げふげふ。そうじゃなくて乳の大きさを争いの種にするなんて愚の骨頂! 放っておいたらきょぬーとちっぱいの対立が益々大きくなる気がするんだ。だが止め方が悪い!」 上空からレッサーワイバーンに騎乗したヤジロ アイリ(やじろ・あいり)の声が聞こえると、夢悠の周りを数羽の剛雁が旋回し、彼の集中を乱した。 そこへユピーナ・エフランナ(ゆぴーな・えふらんな)のワイヤークローが飛来して夢悠の身体を捕らえ、彼女の方へ引き寄せられた。 間近に見るユピーナの2つの果実はまさにセクシーダイナマイツ! 「(お、オレはアゾート一筋のはずなのに……目が離せない!!)」 おっぱいに甘えて抱きしめられたいお年頃の夢悠は思わず生唾を飲み込む。 「我のボディに釘付けのようだな。ちっぱいも良いがきょぬーもまた良いものだろう? 実は我が製作者もそれはそれは慎ましい胸の持ち主ゆえに、きょぬーに憧れて我がボディを設計したのだ! つまり我はちっぱいが生み出したきょぬーであり、ちっぱいの夢と希望!! だから我はちっぱい教の同志らにきょぬーの良さを我が身をもって判らせてやっておるのだ!」 次の瞬間、ユピーナは夢悠に卍固めを掛けていた。 全身軋むが、彼女の豊かなきょぬーが当たって、その部分だけは真綿にくるまれているかのように温かく気持ちよかった。 それに密着しているせいか、ユピーナの柑橘系を思わせる汗の臭いが鼻腔をくすぐり、夢悠の思考力を奪っていった。 「色々と締まって苦しくもあるだろう? はっはっは、志は我らと同じだが、騒ぎを起こすのは良くないのだよ。これはその飴と鞭だ、このくらいが丁度良いのだ! 存分に我がきょぬー&技を味わうが良い!!」 ユピーナはアイリと体力作りの運動中にきょぬー狩りに出くわしていた。 自分の胸を誇りに思っているユピーナは売られた喧嘩を買い、きょぬー狩りのちっぱい教の同志達をこの技で全て葬ってきていた。 それだけに、夢悠の主張を聞いて賛同するも、誤った方法を是正しようとしたのだ。 ユピーナの卍固めの中で意識を手放した夢悠は、至福の笑みを浮かべていたという。