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賞金首の空賊を退治しろ!

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ドラゴンスレイヤー



 【スレイヤー小隊】の面々は以下のとおり。

【スレイヤー1】無限 大吾
【スレイヤー2】葛葉 杏
【スレイヤー3】斎賀 昌毅(さいが・まさき)マイア・コロチナ(まいあ・ころちな)
【スレイヤー4】赤城 花音(あかぎ・かのん)リュート・アコーディア(りゅーと・あこーでぃあ)

 小隊を組んで意思統一を図っている彼らの破壊力は凄まじく、
「一斉射撃だ。いくぞ、ブラストキャノン!」
 大吾の黒い髪に黒い瞳、優しげな表情の中にもその決意の色は見て取れる。
「【スレイヤー2】、【ポーラスター】了解。大型ビームキャノン、ファイア!」
「【スレイヤー3】、【グリンブルスティ】OK。ヴリトラ砲発射」
「【スレイヤー4】、【アルフォート】了解。フレイ、『楽園』のオケ流して!」
「こちら【月の宮殿】了解。赤城花音プレゼンツ、楽園」
 花音の頼みにフレイは『楽園』のオケを流すと自分も歌い出した。

君の願いが翼になる つなぐ手と手で高く飛べるよ
混迷の時代に僕らは出会った 生まれた意味を探してた
悪戯な運命に 勇気で踏み出そう 
託された希望 眠る記憶の誇りを呼び覚まして

あの日…思い描いた景色 見守る真夏の陽射し
誰もが幼い頃は純粋 汚れを知らない心

暗闇の中で 僕らは楽園に想いを馳せる 
何時か叶える夢 たどり着ける約束の場所
共に生きる喜びを 咲き誇る笑顔の花
響きあう歌声は 優しさに包まれて 今 羽ばたく

澄みわたる未来 歩き始める世界へ…

 その歌声はソニックブラスターを通して圧力となる。

 4機+【月の宮殿】からの集中射撃は凄まじく、だが……
「《鉄ノ守リ》ダ!」
 ドラゴネットですら一撃で破壊してしまえるはずの攻撃は阻まれて、小龍は僅かなダメージを受けたにとどまった。
「甘イ、ナ……」
 小龍がぼさっとつぶやく。
「おじけるんじゃないよ。奴はだんだんエネルギーを減らしてる。このままアウトレンジから射撃を叩きこむんだ」
 リカインの《激励》が飛ぶ。
「そうだな、ドラゴネットのエネルギー消費量としてはあとどれくらい残ってる感じだ?」
 大吾がアカリに尋ねます。
「うん。ブレスと鉄の守り2回ずつ使えばエネルギーも底を尽きるね」
「それなら連続攻撃ね。奴のブレスを受ける役は私が引き受けるわ。私の《不屈の闘志》とコームラントの装甲を持ってすればドラゴンブレスとて大したことではないわ」
 杏がそう言うと大吾は「任せた」と答えた。
「さて、そこのトカゲの親玉。私とサシの勝負をする気はない?」
 杏の挑発に小龍は受けて立つ。
「イイダロウ受ケテ立トウ」
 そうして小龍と杏は攻撃を放ちそれを高い防御力でお互いに防ぐという熱い戦いを展開した。
 ビームキャノンがドラゴンの鱗を焼き、ドラゴンブレスがコームラントの装甲を溶かす。
 が、小龍がドラゴンブレスを吐けなくなる。エネルギーが底を尽きたのだ。
「今よ!」
「ロジャー」
 杏の言葉に花音が反応する。
「OK」
「了解」
 大吾と昌毅も返事をする。そして今度こその集中砲火ではドラゴネットも耐え切れなかった。
 全身から血を流し満身創痍といった様子で空中に浮かんでいる。
 しかし、カルラの《メジャーヒール》が飛んで小龍は未だ戦場に踏みとどまっていた。
「しつこいな。先に守護天使から落とすぞ!」
 そして【スレイヤー小隊】の攻撃がカルラに向かうが小龍がそれを庇う。
 そしてすぐさま飛ぶ《メジャーヒール》
「皆さん落ち着いてください。彼の回復もそろそろ底を付いていることです。あと一撃。あと一撃であのドラゴネットを倒せます」
 リュートの言葉に皆が活気づく。そしてさらに繰り広げられる集中砲火。
 それはカルラを庇った小龍が戦闘不能になるほどのものだった。
 そしてカルラからの回復も飛ばない。
 それ故、勝機が見えたかに思えた。だがーー
「良くもマイマスターを! 《命の息吹》! 《大地の祝福》! マスターは、マスターはここで死ぬようなお方ではない!」
 エノクの呪文で回復する小龍。しかし最大の攻撃手段であるブレスが使えなくなったため、彼は旗艦に帰投する。
「お前たち、覚悟するがいい。炎の聖霊よ、我が前にいでて我が敵を滅せよ!」
 エノクの召喚した炎の聖霊はイコンには微量のダメージしか与えられなかったものの、同じエンゲージにいる生身のメンバーに大ダメージを与えた。
 フレイとアポロンがイーグリットを出して負傷者を回収して回る。【月の宮殿】はリカインに任せて後方支援をするつもりだった。
「さて、エノク書……おとなしく捕まる?」
「誰が!」
 花音の言葉にエノクは反発する。
「地球人どもよ、我が魔力の前にひれ伏すがいい!」
 そう言うとエノクは大魔弾コキュートスを取り出した。
「ル エル バ ナム フェスト フム! 開け地獄の門。我が敵に鉄槌を!」
 その必死の魔術もイコンを撃墜するには程遠い。
 しかし杏のコームラントは累積したダメージが結構な量になったので、修理のために【月の宮殿】に向かっていった。
 そして戦局は次の場面へと転換する。