|
|
リアクション
●エピローグ
「ちゃんと反省しなさいよ!」
連行される強盗たちに、ミルディアが言い放つ。
「あたしのお相手には少々、力不足でしたわ」
ユーベルは、そう言って乳白金の髪を掻きあげた。
「最後の最後で、手間を掛けさせてしまったな」
リブロは、吹雪とコルセアに向かってそう言った。
「自分の方こそ、美味しいところを持って行ってしまったようで、気が引けるであります」
「きっと、あの大男が無傷だったら、ワタシ達二人では倒しきれなかったかも。逃さなかったのは、あなたたちが追い詰めてくれたおかげよ」
吹雪とコルセアの言葉を受け、リブロはフッと微笑む。
「そこの女も、強盗なのではないですか?」
「そうそう、なんの罰も受けないなんて、駄目だよ」
レノアとエーリカは、オルフィナの連れる元強盗らしき少女を見咎めそう言った。
「大丈夫だよ、ちゃんと悔い改めさせるさ」
「私掠品の一部として、私達が責任を持ち管理します。ご安心ください」
オルフィナの言葉に続き、エリザベータもそう言うとニッコリ微笑んだ。
「私掠品の事も含めて、また改めて報告させてもらうわ。 うふふ、この宝石、いい色ね。大好きだわ」
セフィーは、その豊満な胸元に、大粒の宝石を挟み込む。
「それにしても、よくもこんな大勢集まっていたものですね」
アルビダは、連れて行かれる強盗たちを見ながらそう言った。
「どいつもこいつも、許しがたい悪党ばかりだ」
甚五郎は、そう言って彼らを睨みつける。
「このまま放置していたら、組織がどんどん大きくなり、益々手が付けられなくなっていたかもな」
永谷が言った。
「いろいろな場所で暗躍する、秘密結社もありますからね。……中庭の仕掛け、彼らが仕組んだにしては、緻密で綿密な罠だった。何か、別の悪意が働いていたのかも知れません」
真人はそう言って、ずれたメガネをつっと治す。
「君が気づかなければ、僕達も爆発に巻き込まれていたかも」
一寿は、真人に向かってそう言った。
『あの時』、何かしら不自然な鉢植えの配置や掘り起こされたような痕跡を見つけ、とっさに中庭の東屋の中に飛び込み見を伏せるよう指示したのは真人だった。
幾多の戦いをくぐり抜けたその勘に、狂いはなかった。
「ありがとうございます。私達にとっては、戦い方を学ぶいい機会にもなりました」
ヴォルフラムは、そう言って誠に礼を言った。
「それにしても、さすがに疲れたぜ」
勇平は、そう言って伸びをする。
「ふむ、久々に全力でやらせてもらった。この後、ゆっくりとしたいところだな」
複韻魔書がそう言うと、ウルカのほうは、
「今度は、もっと暴れたいぜ」
と言って苦笑する。
「あれで、捕まった強盗も最後ですね」
和輝は、クレア・稔と共に飛び去る飛空艇を見てそう言った。
クレアは、強盗たちに捕まっていた少女や少年の方を見て言う。
「これであの子達も、自分たちの家へ帰れますわね」
「そうですね、助けることが出きて、本当に良かった」
稔も、彼らの方を穏やかな瞳で見つめる。
強盗たちを乗せた飛空艇が全て飛び去り、次は奴隷にされていた少女と少年たちが飛空艇に乗り込む番になった時、
「悪い人、もうみんな居なくなった?」
ポツリと、一人の少女がそう言った。
「うん、大丈夫だよ。悪い人みんな捕まえたから、おうちに帰れるよ」
詩穂は、そう言って少女に微笑みかける。
「家に、帰れるんだね」
「お父さん、お母さん……う、ヒック、うわ〜ん!!」
張り詰めていた糸が、一気に切れたのだろう。
安堵とともに、泣き出す少女と、少年たち。
「辛かったね、もう……大丈夫、だからね」
ルカルカは、泣きじゃくる子を優しく抱き寄せ、震える身体をぎゅっと優しく抱きしめる。
「よく頑張ったね、もう少しの辛抱だ。必ず、ご両親のもとに帰れるようにしてあげるよ。安心して」
エースは、優しく小さな少女の手を包み込むように握り締める。
リリアも、優しく泣きじゃくる少年の背を撫でた。
そんな彼らのもとに、加夜が戻ってきた。
「涼司くんに、みんなを無事助け出せたこと報告してきました。きっと、奪われた宝より、一番に拐われた子供達のことを心配していたはずだから。いい知らせに、喜んでましたよ」
加夜は、そう言って微笑む。
「あいつも、立場的に来れないからな。結果を知って、安心しただろう。子供達のことは、心に負った傷を治すためにも、ゆっくりと丁寧に時間をかけ癒す必要があるだろう。だがまずは、一刻も早く家族のもとに帰すことだ」
ダリルも穏やかにそう言って、泣いていた少年の頭を優しく撫でた。
「私は心のケアは専門じゃないが、できる事があればなんでもするよ。体の傷より、きっと、心の傷のほうが重たいだろうから……ほら、たくさん泣いていいんだよ」
ジェライザも、少女を抱きしめ、その頭を撫でる」。
やがて、仲間達もそれぞれにこの場所を後にする。
「強盗はみんな捕まえて、攫われた子らも無事。宝も手に入ったことやし、もうここには用は無いな」
「そうですね。盗品に関しては、細かいものまで気にしていないようですし」
そう言って、小さな宝石を手にして喜ぶ裕輝とオデットを見て、エヴァルトが言った。
「強盗から取り返した宝って……ちょっとなら、貰っても、いいかな?」
「ん〜、いいと思いますよ。何も言ってなかったし」
「そっか、そうだよな!」
エヴァルトは、ポケットに手を入れる。
彼の心は、揺れていた。
「みんな、早く飛空艇に乗り込んでー、こんな場所、二度と使いものにならないよう破壊するからー」
リネンは、残っている3人にそう呼びかける。
避難勧告が響いた後、やがて上がる爆炎。
こうして、町を騒がせた鷹の目強盗団は、仲間達の手で壊滅したのだった。
担当マスターより
▼担当マスター
Stera
▼マスターコメント
この度は、シナリオへの参加、ありがとうございました。
これからも、色々なシナリオを皆さんと一緒に楽しめればと思っています。
今後も、よろしくお願いします。
▼マスター個別コメント