First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
「はい他にある人ー」
「そろそろ友達の僕の出番かな!」
そう言うとフィッツ・ビンゲン(ふぃっつ・びんげん)が手を挙げた。
「信じてるからな!」
アッシュが言うと、フィッツがサムズアップ。
「ズバリこれだね!」
そう言ってフィッツが出したフリップには、『アッシュ・グロック』と書かれていた。
「いよっしゃああああ! 信じてたぜぇッ!」
アッシュが拳を固めてガッツポーズ。
「ちがぁうッ!」
「いったぁッ!?」
直後、フィッツの頭をリカインがハリセンで殴っていた。
「な、何するの!?」
「そこで何真面目に答えてるのよ!? 流れ的にまだボケる所でしょう!?」
そう言ってリカインがフィッツにハリセンを突きつける。
「……彼女、キミのツッコミするんじゃなかったっけ?」
「そうだけど、ほら、今回なななボケないから」
「ああ、そうなの……」
「ボケるってどういうこと!? 真面目にアッシュ君の事答えて何が悪いのさ! ほら、アッシュ君はこういう人だよ!」
そう言ってフィッツが怒ったようにフリップを挙げた。そこにはこのように書かれていた。
名前:アッシュ・グロック
母国では有名な武器メーカー(グロック社)の一族。一族では男子の17歳の誕生日には皆でグロック17を盛大に撃ち鳴らすらしい。
「ごめんなさい、そう来るとは思わず早とちりしすぎたわ」
「わかってくれればいいよ」
リカインが言うと、フィッツが笑顔で答えた。
「……俺様はもう友達とかいうのがわからない」
曇りガラスの向こうでアッシュはマジで凹んでいた。よく見ると体育座りをしている。もう駄目かもわからん。
「あのー、今のグロック17で思い出したんだけど……こんな名前だったかしら」
そんな状況など知ったこっちゃないように綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)が『砂時計グロック17』と書かれたフリップを挙げた。
「さゆみ……流石にそれは違うでしょ」
そのフリップを見て呆れた様にアデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)が溜息を吐く。
「え、確か砂時計とかグロック17とかいう名前だったはずよ?」
「そんなわけないでしょ……で、確かこんな名前だったはずですわ」
そう言ってアデリーヌが出したフリップには『空き缶グローブ42881世』と書かれていた。
「もっとかけ離れたから!」
「アッシュくんってそんな歴史ある家系の人だったのか……!」
「さっきから思ってたけどキミずっと『アッシュくん』って言ってるから! もうわかってるよね!?」
わなわなと震えるなななにアゾートが突っ込む。
「はーいはーい! 詩穂わかったー!」
そう言って騎沙良 詩穂(きさら・しほ)がぶんぶんと手を振る。
「はーいそれじゃ言ってやってー!」
「うん! 確か親御さんが格好いい名前って付けた名前だったはずだよ!」
そう言って詩穂がフリップを挙げた。
「ズバリ、ダーク・サイクロン!」
格好いいというより痛かった。
「うわぁ痛い!」
「はっきり言っちゃったよ!」
ななながはっきり言うのも仕方ないと思う。
「次は俺が言っていいか?」
ローグ・キャスト(ろーぐ・きゃすと)が手を挙げる。
「あ、いいよーどうぞー」
「確かこんな感じだったはずなんだよな」
なななに促されローグがフリップを挙げた。
「しりません」
「なら何で答えたのさ!?」
「いや、しらないから」
アゾートのツッコミに、ローグは平然と答えた。
「……こりゃひでぇ」
この状況下にマイト・レストレイド(まいと・れすとれいど)が頭を抱えて呟いた。ちなみに彼にもフリップは渡されているが、白紙の状態である。
なぜこの場にいるのかと言うと、とある者から連絡があり、来てみたら御覧の有様だった、というわかりやすい巻き込まれ状態である。
「まあ面白いじゃない」
その隣で酒人立 真衣兎(さこだて・まいと)がこの状況を笑いながら観ていた。彼女もまた、呼び出されたような物である。尤も、マイトと違い彼女の場合はこの状況を楽しんでいるようであるが。
「で、原因は一体何してるんだ?」
そう言ってマイトがジロリと見たのは、始まってから延々とフリップに何か書き殴っているマイト・オーバーウェルム(まいと・おーばーうぇるむ)。以下色々ややこしいのでレストレイド氏を『英マイト』、オーバーウェルム氏の方は『米マイト』と記述する。
「あん? 決まってるだろ、アイツの名前書いてるんだよ」
そう言って米マイトがマジックで曇りガラスのアッシュを指す。
「名前ねぇ……そういや、ここに今3人もマイトがそろってるのよねぇ」
真衣兎がポツリと呟くと英マイトが「そういやそうだなぁ」と頷く。
日本のマイトこと『酒人立 真衣兎』、英国のマイトこと『マイト・レストレイド』、米国のマイトこと『マイト・オーバーウェルム』と、よくもまぁ集まったものである。
「日本、アメリカ、それでイギリス……か。本当、3人も良く集まったもんだ」
マイトがそう呟くと、米マイトがくっくっく、と笑みを漏らす。
「何笑ってるんだよ?」
「いやな、3人が4人人になるかもしれないぜぇ?」
「はぁ? お前何を……いやまさか……」
英マイトが何か言う前に米マイトが手を挙げる。
「おっと、じゃあマイトさん!」
「ヒャッハー! 俺の答えはコイツだぁッ!」
そう言って掲げたフリップ。
「奴は『マイト・グロック』だぁッ!」
「……ああ、やっぱりな」
予想通りの展開に英マイトが頭に手を当てる。
「ふぅむ、米マイトに英マイトに日マイトに……濠マイト?」
「いや増やすな増やすな。あんま増えるとややこしくて仕方ない」
呟く真衣兎に英マイトが言う。全くもってその通りだ。
「やつはたしか俺と同じく熱血武闘派の魔術師、つまりはイルミンスール武術部の部員だ」
で、米マイトはというとフリップの答えについて語りだしていた。
「というか俺だ。奴が俺なんだ」
そして意味が解らなくなっていた。
「元々アイツのキャラは俺に似ている、つまり彼は第四のマイトである。だから彼はマイト間違いない!! 俺はお前でお前は俺、俺はマイトでお前がマイト。つまり君は俺で僕がお前で皆がマイトそう君も! そう、やつはマイト・オーバーウェルムなんだ……俺もマイト・オーバーウェルムだ間違いない!」
「落ちつけ! アッs……彼はただ単にキャラが被ってるだけで別人だ! 各国マイトと関係ない!」
英マイトが米マイトを止めに掛かる。いやそこまで言いかけたなら名前ちゃんと言ってやれ。
「こまけぇこたぁいいんだよ!」
そして真衣兎が煽る。何という愉快犯。
「細かくねぇよ! 煽るなよ!」
「えー、第四のマイトが増えてもいいとおねーさんは思うわけよ。面白いし」
「この状況収拾する身にもなれ!」
「さて、当のアッシュくんにお話しを聞いてみようか」
そう言ってななながアッシュに話を振る。
「んなわけねーだろ!」
ですよねー。
「わかったろ? とりあえず落ち着け」
そう言って米マイトを宥める英マイト。
「……いや、待てよ?」
何が思いついたかのように米マイトはハッとした表情になり、突如フリップに何か書きだした。
「おっと、何か思い出した?」
「もしかしたら……いや、そうに違いない」
そう言って米マイトがフリップを挙げる。
「俺がアッシュ・グロックなのかもしれない……」
「「んなわけあるかああああああ!」」
米マイトの回答に、アゾートと英マイトがハモった。
「正解!」
「「ってええええええええ!?」」
そしてなななの答えに再度ハモる。
「というわけで正解は『マイト・オーバーウェルムさんがアッシュ・グロック』でしたー」
「やっぱりそうだったのか……!」
なななの言葉に米マイトが愕然とした表情になる。
「いやそんなわけないからな! というかマイト増えるどころか減らしてどうする!?」
「えー面白いからいいじゃん。おねーさんいいと思うなー」
「面白けりゃいいってもんじゃないからな!?」
「……で、どうするのさ。あの人正解にしちゃって、彼どうするの?」
アゾートが曇りガラスのアッシュを指すと、「あ」となななが小さく呟く。
「……今更面倒だからアッシュくんはアッシュくんで」
「凄く時間を無駄にした気がする」
アゾートが頭を抱えた。
※名前:アッシュ・グロック(暫定)
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last