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【『帝国の新帝』 束の間の祭宴】

クリストファー・モーガン(くりすとふぁー・もーがん)

 
 めでたくエリュシオンの新皇帝が決まり、国中が祝賀一色に染まっていた頃のことだ。
 選帝神ノヴゴルドは、エリュシオン宮殿内にある公邸にてその表情を緩め、訪問者との会話を楽しんでいる最中だった。

「息災であるとは思うがの……便りがないのは良い便り、ということじゃろう」

 ノヴゴルドは溜息をついたが、それだけ白輝精はノヴゴルドのことを信認している、ということでもあるのだろう、とクリストファーはくすりと笑うのみに留めた。
 そんなクリストファーに手ずからお茶を淹れて渡しながら、それではこちらの状況も報告せねばな、とノヴゴルドは背もたれに体を預けて目を細めた。

「さて……どこから話したものかの?」

 と、選帝の儀に纏わる、長い話を始めたのだった。