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闇世界の廃病棟(第2回/全3回)

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闇世界の廃病棟(第2回/全3回)

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第8章 実験体検証

「ねぇ見て、天井に何かあるよ」
 セルファの声に生徒たちが天井を見上げると、頑丈そうな鉄で覆われた箱のようなのが釘で打ちつけられていた。
「開けてみるか?」
「奥にも扉があるようですが・・・」
「こっちは開かないな」
 イリーナとルカルカが開けようとしてみるが開かなかった。
 ラルクが天井の箱に手をかけようとジャンプしようした瞬間、開かなかったドアが急に開き、中から両手が3本両足が3本ある不気味な化け物が現れた。
 鋭く細長い緑色の双眸で彼らを見ると、金切り声で叫び室内に反響する。
「くうっ、うるせぇっ!」
 鼓膜を破りそうな叫び声に、ラルクたちは思わず耳を塞いだ。
 ガシャガシャンッと入ってきた扉とゴーストが現れた扉が閉まってしまう。
「しまったっ!」
 ゴーストと一緒にイリーナたちは閉じ込められてしまった。
「ナラカへの道を開いてやろう。静かに眠りにつくがいい」
 イリーナはハンマーで殴りかかり、腕を1本叩き潰す。。
 ベシャベシャッと床に肉片が飛び散るが、すぐに細胞同士ひっつき合い再生してしまう。
「俺は『白い狼』・・・負けるわけにはいかない!」
 叫びグレートソードの刃で、ソウガはゴーストの腕を狙う。
 ドンッと斬り落とすが、すぐに再生してしまった。
「さてどうしたものか・・・」
 ソウガは亡者の攻撃を避けながら、しなない相手をどう倒すか考える。
「消耗戦に持ち込まれたらやばいよ!」
「分かってますよ」
 焦りの声を上げるセルファに、真人はリカーブボウの弓をギリリッと引き、数十本の矢を頭部へ目がけてターゲットに貫通させる。
「なかなかしぶといな!」
 ラルクも機関銃で応戦するが、まったく倒れる気配がない。
「やっぱあの箱だよな・・・」
「あれにこれの心臓は入っているのかもしれませんね」
「仕方ねぇな・・・俺がしばらく引きつけてやるから、その隙に取り出して燃やしてやってくれ!」
 ドラゴンアーツにより身体能力を強化し、ラルクはゴーストへ殴りかかっていった。



「うーん・・・私も向こうに参加するわね」
「それじゃあ私も」
 ルカルカとイリーナはゴーストの引きつけ役にまわることにした。
 床を蹴り真人とソウガは頑丈に閉ざされた蓋を開けるため、力いっぱいこじ開けようとする。
「頑張れーっ男子たちー!」
 レナードは離れたところでエールを送る。
「―・・・レナード」
 戦意喪失している彼にロブはため息をつく。
「向こうは2人だけで大丈夫ですか?」
 グレートソードを振るいゴーストの触手を斬り落としながら、アリシアがソウガたちの方を見る。
「もうしょうがないな。ぇええーい!」
 床を蹴りセルファも協力して蓋を外そうとすると、ベキベキベリッと蓋が剥がれ3人は床へ落下した。
「あいたた・・・なんかちょっとショック・・・」
「なるほどあれか」
 ソウガが天井を見上げると鎖に繋がれた、数十もある心臓があった。
「あれを焼くかどうするかすればいいんですよね」
 弓をギリリと引くと、真人にゴーストの触手が襲いかかる。
 守ろうとイリーナが立ちはだかりハンマーを振り上げようとすると、ゴーストに掴まれ床へ叩きつけられてしまう。
 バシバシイィイッと触手を鞭のように振るいながら、ラルクたちを狙いギュルギュルと伸ばし捕らえようとする。
「ちっ、なかなか近づけねぇえぜ!」
「援護を頼む」
「あぁ了解した」
 トミーガンのトリガーを引き、ロブはゴーストの本体を狙い撃つ。
 ソウガの放つグレートソードの刃の剣風により鎖は断ち斬られ、彼はダンッと金属の床に着地する。
 弓矢がゴーストの心臓に刺さり血飛沫が噴出し、ロブの火術により亡者の身体はゴォオオッと紅蓮の炎が焼き尽くされた。
「はぁ・・・・・・この人数だったからたいした怪我はなかったが・・・・・・こんなのが何体もいたら危なかったな」
「扉が開いたようね!」
 ルカルカは外へ出ると周囲をキョロキョロと見て、亡者たちが徘徊してないか確認し、真人たちに出ても大丈夫だという合図の手招きする。
 安全を確認しイリーナたちは病棟を出て行った。