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恋歌は乾かない

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chapter.10 移ろえど絶えずうき世に廻る恋 


 みなとくうきょう閉館まであと一時間弱。
 施設にどんと構えた観覧車に乗っていたのは、サイクリングロードで見事出会いを果たした千代とセシルだった。
「それにしても、ラッキーだよな! タダで乗れるなんてよ! 千代は観覧車好きか?」
「好き、っていうよりなんだか、懐かしい感じ。観覧車に乗ったのなんて、何年ぶりか分からないくらいだし」
 向かい合って座るふたりの会話は、まだどこか浮き足立っているような不安定さを帯びていた。けれど、それを厭うことを彼らはしない。
 観覧車が頂上に差し掛かろうとした時、セシルが口を開いた。
「また、乗りに来ようぜ?」
「自転車に? それとも観覧車に?」
 逆に聞き返されてしまったセシルだったが、答えに迷うことはなかった。
「両方でいいんじゃねぇ? 何かに乗るのって、面白いと思うんだよな」
「それは、合ってるかも。私も乗ってて面白いと思ったから」
 ただ、乗ったのは……言いかけて、千代は口をつぐんだ。
 いい歳して、そんな恥ずかしいセリフは言えない。思い浮かんだだけでも、赤面ものだ。
 千代はそれを、広がる夜景のせいにした。
 観覧車はふたりを乗せて、ゆっくりと空を回っている。



 みなとくうきょう出入り口。
 遠くから見える観覧車は小さく、自分の物差しの頼りなさを知らされる。
「いろんな恋があるのは、今も昔も一緒なんだね」
 式部は空の奥に長い時の渦を見るように呟く。
 今日だけでも、たくさんの恋を見た。たくさんの恋を聞いた。たくさんの恋を知った。そこに生まれる男女の会話は、きっとすべてが恋の歌に違いない。そしてそれは、この先も潤い続けていくものなのだろう。
 たとえ、十七音のリズムをとっていなくても。

担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

萩栄一です。初めましての方もリピーターの方も、今回のシナリオに参加して頂きありがとうございました。
公開予定日を過ぎての公開になってしまい申し訳ございません。

観覧車は当初3組ほどを考えていましたが、予想以上にMCLC間の恋愛アクションが多かったため、
その中で数少ないMCMCの組み合わせかつアクションがよかったキャラ1組に絞らせていただきました。
特にMCLC間の恋愛アクションが嫌というわけでもないですしこれはこれで書いてて楽しいのですが、
単純にMCMCの方が面白そう、意外性があって好き、という個人的な理由です。

今回アクションやキャラ、好みのタイプなどの相性の関係で出番が多い方が何名かおります。
ちょっとしたラッキー程度に思っておいて頂ければ幸いです。
また、同じくアクションや相性の都合上、お望みのエリアで活動出来なかった方も何名かおります。
一応アクションに支障のない範囲で配置換えしたつもりですが、これも併せてご理解くだされば幸いです。

恋愛に限らず日常系のアクション全般に言えることですが、話や買い物の内容は具体的な方が良いかと思われます。
「服を買う」より「タイツを買う」などの方が描写に幅を持たせられます。これはあくまで一例です。

なお今回の称号は、MCLC合わせて5名のキャラに送らせていただきました。
ちなみに称号を付与してなくても、アクションに対する意見などを個別コメントで送らせて頂いているパターンもございます。

最後に、今回も次回シナリオの告知させてください。
現在公開中のろくりんピックグランドシナリオの一部を担当させていただきます。よろしくお願いします。
また、不確定ではありますが9月下旬〜10月上旬頃にちょっと大きめの話をやる予定です。
きちんと決まりましたらマスターページの方でお知らせ致します。
そんな感じで、長文に付き合っていただきありがとうございました。また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしております。