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兄の仇はローレライ!?

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兄の仇はローレライ!?

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スキュラのヘルハウンドはこれで二体が倒され残り二体、丁度半分の数になっていた。
「さすが……だな」
パッフェルもスキュラに向かって星銃パワーランチャーを構える。そこへ海風にスカートをなびかせて小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)がグリントライフルを携えてパッフェルの横に付いた。
「スキュラめ、私より目立つなんて許さないんだからね!」
「美羽……構えなさい」
パッフェルはパワーランチャーを構える。
「おっけー、いっくよ。ベアトリーチェ!!」
美羽のパートナーベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)は小型飛空艇アルバトロスを駆りアイラ、ローレライを護ろうと美羽の声に応える。
「アイラさん、ローレライさん乗ってください」
二人をアルバトロスに乗せて空へと飛び立つ。三人は上空から帆船での戦闘を見守る事になった。
「すみません! 美羽さんがご迷惑をおかけしてしまって……。パッフェルさんよろしくお願いします」
 美羽はグリントライフルを構えパッフェルへ視線を投げる。それと同時に二人の銃口から弾丸が射出される。
 スキュラのヘルハウンドはパッフェルの放った弾丸を火の玉で焼き尽くす。しかし、それとほぼ同時に射出された美羽のグリントライフルの弾が貫いた。美羽の行動予測に基づいた正確な射撃により脳天に空洞を空けた。
「アアアアアア」
 ヘルハウンドは悲鳴のような声で鳴きながら消滅していく。残り二体。レキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)チムチム・リー(ちむちむ・りー)は襲い来るゾンビを食い止める。チムチムは光学迷彩に身を包み、敵の襲撃に対して銃で応戦する。チムチムは適者生存を発動させる、ゾンビ達は委縮し動きが鈍りだす。
「どんな生物でも共存したいけど死んだものは別アル」
 『野生の蹂躙』、魔獣たちが一斉に走り抜ける。ゾンビ達を蹴散らしていく。チムチムの攻撃にスキュラは気を取られている。そこにレキの『サンダ−ブラスト』が襲う。
「バチバチ」
 スキュラに命中し動きが鈍くなった所をエイミングでしっかりと狙いを定め黄昏の星輝銃で撃ち抜く。足もとを狙われ完全にバランスを崩し後退するスキュラ。そこに畳みかける様に崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)崩城 理紗(くずしろ・りさ)が間合いを詰める。スキュラはこの場は不利と判断し逃げる様に海へと身を投げる。
「レッサーワイバーン! 理紗乗ってください」
「はい!」
亜璃珠は理紗から鞭型の光条兵器を受け取る。理紗は頭の触角をぴこぴこさせ、ディクトエビルを発動させスキュラの位置を割り出す。
「サンダーブラスト」
理紗のサンダーブラストがスキュラを射抜く。スキュラは電撃で痺れてしまい上手く泳ぐくとが出来ず浮上してくる。
「逃がしませんわ」
鞭型の光条兵器をスキュラに絡み付かせる。そのままスキュラを宙に放り投げる。スキュラは手が塞がれていたが下半身のヘルハウンドを伸ばし亜璃珠に攻撃を仕掛ける。勢いよく鋭い牙で襲いかかるヘルハウンド。亜璃珠はペンダント形の戦乙女の心を振りかざす、ペンダント状だったものは一瞬で盾に変化する。その盾でヘルハウンドをいなした。ヘルハウンドは畳みかける様に炎の玉を亜璃珠目掛けて放つ。亜璃珠は龍鱗化でその炎の玉の攻撃を緩和させる。
「もう、躾のなってないワンちゃんね」
 ヘルハウンドの攻撃を軽々と捌いていく、スキュラは身動きできない状態のまま徐々に締め付けられていく。
「ソニックブレード!」
真空波が海を割りヘルハウンドに一閃。続いてワイヤークローでヘルハウンドの首を絞める。エヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)
はヘルハウンドを捉えると自分の元へ引き寄せる。エヴァルトはヘルハウンドの脳天に目掛けて全体重を掛けたスタンクラッシュをお見舞いする。
「あぅあああ」
叫び声をあげるヘルハウンド。留めとばかりにエヴァルトは空飛ぶ魔法を利用し、横薙ぎのスタンクラッシュをもう一度叩きこむ。
「あああああああああ」
ヘルハウンドは声と共に消滅する。スキュラは最後の力を振り絞るように亜璃珠の鞭を力ずくで振り払う。