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荒野のピストルランチ!

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荒野のピストルランチ!

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「ウフフッ……お兄さん方、わたくしと一緒に遊びませんこと?」

 衛たちと別行動をとっていたルドウィク・プリン著 『妖蛆の秘密』(るどうぃくぷりんちょ・ようしゅのひみつ)は、ノノンを監禁している部屋の前に立っている見張りの部下に色仕掛けをかけていた。

「遊びニ?」
「……良いのカ?」
「良いダロ。どうセ暇なんだカラ」
「そうダナ! おねぇさん、遊ぼうカ!」

 ルドウィクの方へ寄って行く見張りの部下たち。すり寄ってくるルドウィクにデレっとする部下。
 あるモノをスルと離れるルドウィク。

「フフ…ありがとう」

 色っぽく微笑んだルドウィクは雷術を放つ。
 感電した部下にくるりと奪ったアレ……ノノンの部屋の鍵を見せつける。

「さて、と。今助けますからね」



ドガガン!



 鍵を開けようとしたら、いきなり壁が木端微塵に吹き飛ぶ。
 吹き飛んだ穴の前には、真空斬りとソニックブレード、抜刀術で目にも止まらぬ速さで壁に斬りつけていた荀 灌(じゅん・かん)と傍にが立っている。

「え?」

 吹き飛んだ壁に驚きを隠せないルドウィク。
 中からノノンの肩を抱いて芦原 郁乃(あはら・いくの)が出てくる。

「あら、あなたも彼女を助けに来たの?」
「え、えぇ……。人質の妹様ですわね?」

 ルドウィクが聞くと、ノノンは小さく頷く。

「私は大丈夫。それより兄さんたちは……」
「郁乃様!」

 猛ダッシュで駆けつけてきた秋月 桃花(あきづき・とうか)が、ノノンと話していたルドウィクに蹴りかかってくる。

「悪即斬ッ!」
「きゃあ!!」

 吹き飛ぶルドウィク。

「郁乃様! ご無事ですか? どこかお怪我はありませんか!?」
「あ、うん、大丈夫だよ…でも、この人は」
「もちろん桃花が倒しましたので大丈夫です!」

 自信満々にそう言う桃花。
 郁乃の隣に立っていた灌にアンタル・アタテュルク(あんたる・あたてゅるく)は頭を撫でた。

「おっ! 荀灌、お手柄だなっ!」
「へへぇ〜」

 嬉しさに顔がほにゃ〜っとなる灌。幸せな表情を引き締め、桃花と郁乃の話しに混ざる。

「あ、あのね」
「この人も私たちと同じで、彼女を助けに来たんだよ」
「えぇ!? と、桃花思いっきり蹴り飛ばしちゃいました」

 慌てて蹴り飛ばしたルドウィクを起こす桃花。

「だ、大丈夫ですか!?」
「え、えぇ……」
「すみません、郁乃様が心配で確認もなく攻撃してしまい……」
「悪いな。郁乃たちなら大丈夫、信じてやれとは言ったんだがな」

 アンタルがルドウィクに謝ってくる。

「謝罪はもう良いわ。……来ますわよ!」

 灌の壁破壊の音を聞きつけたヤンの部下が集まってきたのを感じたルドウィク。
 アンタルと桃花がそれぞれ灌と郁乃の前に立って構える。

「さて、お前らどうやらしちゃならねぇ〜下衆なことしてんじゃねぇ〜か」
「さぁ、大暴れの時間だよ。事露見! おとなしくお縄につけっ! 神妙にしろぃっ!!」

 庇われた郁乃はしびれ粉を使って動きを弱めていく。

「きっついのをお見舞いするぜッ覚悟しろよ、ゴォラァッ!」
「…フフッ、お相手して差し上げますわ。溶かされる覚悟があるのなら、ね」