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季節外れの雪物語

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季節外れの雪物語

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★エピローグ★

「ところで、そもそも夏の季節にどうしてここに来たの?」
 メチェーリに花を一輪渡したエースがグラートに尋ねると、彼は笑顔で言った。
「夏ってすっごく暑いんでしょ?」
「え? まあ、そうね」
 意図が分からぬまま、リリアが頷く。たしかに夏は暑い。そう言うものだ。
「暑さでしんどくなったり、死んじゃうこともあるんでしょ?」
「まあそういうことも、あるけど」
 何が言いたいのだろうか、と全員で首をかしげる。

「だからね、恩返しなの」

 は? と誰もが固まる。暑いから恩返し? ……まさか、とメシエが確認する。
「つまり暑さを和らげようとしてくれた、わけかな?」
「うん。恩返しなんだ。ね、お母さん」
「はい。皆さんには大変ご迷惑をおかけしましたから」
 にこにこと笑うメチェーリとグラート。隣で苦笑しているエークが、すみません、と謝った。ずっと雪山で過ごしてきたメチェーリたちは世間知らずであり、また種族間の違いもあって感覚がだいぶ異なるのだ。
「涼しんでもらえたでしょうか?」
 涼しいを通り越して寒い。
 しかし皆、苦笑しつつも感謝を述べた。大事なのは心……なはずだ。

「すみません。もうこんなことがないようにしますので」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん。また遊ぼうねー」
「みなさん、ぜひ遊びに来てくださいね」
 
 なんだか最後に脱力感を残しつつ、3人は笑顔で街を去っていった。

 その後、彼らは仲良く暮らしたと言う。

担当マスターより

▼担当マスター

舞傘 真紅染

▼マスターコメント

 はい。少しは涼んでもらえましたでしょうか?
 自然のサイクルとして暑くなるのが仕方ないと分かっていても、涼しさを求めてしまいますね。……雪は、いきすぎですが。

 我慢大会に出られた方は、風邪をひかれませんようにお気を付けを。今気づきましたが、優勝者も寒そうです。
 900個のカップアイスってどんな感じでしょうね。

 謎の男は大方の予想通り、旦那さんでした。なんだかんだで、うまい具合に収まったようです。
 そしてお騒がせの理由は恩返しだったようで……むしろ迷惑かけてますが、本人たちはご満悦。黙っておいてあげてください。
 では、ご参加いただきましてありがとうございました。