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新旧対抗! 先輩たちにいざ挑まん!!

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新旧対抗! 先輩たちにいざ挑まん!!

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スタート! 追う者と追われる者

 スピーカーから簡単なルール説明がされていく蒼空学園。

『……新入生の警察はスキル使用が許可されます。在校生の泥棒は仕掛けてきたスキルに対してのみスキル使用が許可されます。ただし、察知関係は通常でも使用を許可します。
次に、捕まった在校生ですが、直ちに牢屋区画である校長室に移動してください。ただし、再脱走は不可とし、脱走中の在校生に情報提供をしてはいけないこととします。
制限時間は三時間です。タイムオーバー後に捕まえた場合は無効とします。
それでは、ケイドロ スタート!!

 放送が切れ、ケイドロがスタートされる。
 高円寺 海(こうえんじ・かい)もとりあえずどこかに隠れようと移動していると、匿名 某(とくな・なにがし)に声をかけられる。

「海」
「某か。どうした?」
「いや。ただうちの新入生を相手にしないかと思ってさ。後輩の実力を知るのも先輩の立派な務めだと思わないか?」
「それが今回の目的だろ」
「だからさ、これやっとく」

 海に絆のアミュレットを渡すと、学校入口の方からこちらへ来る人影が見えてくる。

「お、ちゃんとおびき寄せられたみたいだな。逃げるぞ」

 某はそう言って走り出す。



◇          ◇          ◇




 学校入り口の見晴らしが良い高い所から夏來香菜(なつき・かな)たちの姿を探している大谷地 康之(おおやち・やすゆき)

「どこにいるー、いいんちょは」

 目を輝かせて辺りを見ていると香菜は遠藤寿子(えんどう・ひさこ)仁科耀助(にしな・ようすけ)を連れてこちらへやって来た。

「待てぇい!」

 香菜たちは声がした方へ顔を向けると、後光さしつつ呼び止める康之の姿が見える。

「お前達の相手は俺達、チーム上級生だ!」
「上等じゃない! 先輩だからって容赦も遠慮もしないわよ!!」
「私だって頑張るもん」
「オレは出来れば可愛い女の子の方が捕まえたいけどなぁ」
「さぁ追って来いいいんちょ! 廊下を走る生徒を追う風紀委員の如く!」

 バッと翻して校舎内へ入って行く康之。

「待ちなさい!」

 それを追いかける香菜たち。



◇          ◇          ◇




 廊下を女王の加護を使いながら走っている某。後方には同じように女王の加護を使い康之が走っている。
 さらにその後ろには康之が引き付けた香菜と寿子、耀助が全力で走っていた。

「なぁ」
「なんだ」
「今回、なんのスキル使うんだ?」

 走りながら某と海は会話を続ける。

「アルティマ・トゥーレ。他のは攻撃的すぎるし」
「ふーん。なら、俺たちの脚を凍らしてくんない?」
「は? そんなことしたら身動きが取れなくなるだろ」
「そうじゃなくて、俺たちの脚を凍らして、スケートみたくすんのさ」

 海は加減をしつつも言われたとおりアルティマ・トゥーレで自分と某の足を凍らすと、スケートの要領で食堂へ逃げ込んだ。