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リアクション
第一章
「具体的な内装のイメージってある?」
「各所に罠を仕掛けてだな……」
「うん、そういうことじゃないよ?」
ソフィア・アントニヌスの答えに、レキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)は引きつった笑みを浮かべた。
「あとは予算もお聞きしたいです。それによって準備できるものも変わりますから」
「あ、そうだね」
「予算は気にしなくていいぞ」
カムイ・マギ(かむい・まぎ)の確認にソフィアは真顔で返した。
「分かりました。では内装に合わせて遠慮なく選びます。内装はどうしますか?」
「とにかく可愛らしい内装にして、刺客を油断させたいよね!」
「可愛らしい内装……?」
「大丈夫だよ! ボクたちで会場の準備は進めるから、キミはチェックとトラップの準備しててね」
不安そうなソフィアにレキが力強く頷いて見せる。
「そうか。助かる」
ソフィアはほっとしたように微笑むと、トラップの準備を始めた。
レキは入口に椅子を置くと、お出迎え用にに大きなクマのぬいぐるみを準備し、その手にウェルカムの文字が書かれたカードを設置した。
「ソフィアさん、スズランやクリスマスローズはいかがでしょう?」
「悪意を感じるな……」
カムイからさらりと提案された毒花にソフィアは苦笑いを浮かべた。
「では、花言葉は意識しますか?」
「いや、それはさすがに気にしなくていいだろう。キリがなくなるからな」
「わかりました」
カムイはパッと会場を見回すと大体の飾りのイメージを浮かべた。
すぐに花屋に連絡し、色とりどりの花を注文する。
レキは、目新しさの中にアンティークさを感じるようなイメージでテーブルとイスのセッティングを続けていく。
テーブルクロスはイスの色と形に合うように心がけた。
パーティー当日、刺客との戦いで壊れることを想定し高めの資材は避けて会場を組み上げていった。
ちょうど花も一斉に届く。
「花の飾りつけはカムイに任せるよ。ボクが活けると『てんこ盛り』になっちゃいそうだからね」
「美しく、だけでなく、多少の遊びの要素も入れて活けてみましょう」
すべてのセッティングを終えた会場を見渡すとソフィアは満足そうに頷いた。
「これで完璧だな。レキ、カムイ、ありがとう」
「どーいたしまして! 本番、頑張ってね!」
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