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二ルミナスの休日

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二ルミナスの休日

リアクション


プロローグ

「はい。これが瑛菜さん達が泊まられる部屋の鍵です。温泉の方は朝の6時から夜の10時まで開いていますからお願いします」
 宿のカウンターにてミナホ・リリィ(みなほ・りりぃ)はそう言って熾月 瑛菜(しづき・えいな)に宿泊部屋の鍵を渡す。
「温泉の他にもくつろげる施設が少しはあるのでよければそこも利用してみてください」
 宿の二階には温泉があり、その他に温泉宿らしい設備が少しあることをミナホは説明する。
「了解。流石にずっと入りっぱなしなんて訳にはいかないからね。温泉以外もそこの感想も一緒に報告したほうがいいか」
 事実はどうあれ今回の瑛菜たちは温泉の効能調査であり、調査の終わる三日目に簡単にまとめて報告することになっていた。
「そうですね。あると今後の参考になりますし助かります」
「ま、この際だから『休養地』としてのニルミナスをしっかり味わってみるさ」
 村興しの始まりからそれなり以上に関わってきた身としては、『休養地』として発展していくと決めた村の進歩とその行く末を感じてみたいと瑛菜は思う。
「ところでミナホちゃんは一緒に温泉に入らないの?」
 瑛菜との温泉療養にワクワクと期待をしているアテナ・リネア(あてな・りねあ)はそう言います。
「今日はこれからユニコーンさんのお家作りの視察ですね」
 村人と契約者が協力して作っているのを見に行くとミナホは言う。
「んー……じゃあ明日はダメかな?」
「明日はお父さんと一緒にゴブリンとコボルトたちの強化訓練の監督役ですね」
 契約者主導でゴブリンとコボルトの合同訓練が行われるため、その監督役として父である前村長と行くことになっているとミナホは伝える。
「……あんたも人のこと言えないんじゃないか?」
 自分には無理やり温泉療養なんてさせてるのにと瑛菜はジト目でミナホを見る。
「い、一応明後日は予定入ってませんよ……?」
 現状入ってないだけで入れば普通に仕事するだろうことや、今の村の状況からその可能性が高いことをミナホは言わない。
「ミナホちゃん、瑛菜おねーちゃんみたいに倒れちゃうよ?」
 言わないだけで瑛菜にもアテナにもバレバレだったりする。
「ま、とりあえず明後日はできるだけ空けといてよ。温泉の効能調査も立派な仕事なんだろ?」
「……分かりました」
 そう言われたら断れないとミナホは頷く。

「それじゃ、部屋に荷物置いたら早速温泉入ってくるかな」
「私は少し書類を片付けてからユニコーンさんの所に行きますね」
「ミナホちゃんもがんばってねー」
 こうして瑛菜とアテナ、ミナホはそれぞれ目的を果たすため別れた。